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INTERVIEW

Japanese

3SET-BOB

2016年09月号掲載

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Member:YUSUKE(Vo/Gt) KAI(Ba/Vo) RUKA(Dr/Vo)

Interviewer:秦 理絵

東京、横浜を拠点に活動する男女混成3ピース・バンド 3SET-BOBが9月7日に2ndアルバム『3FLAVOR』をリリース。7月に発表したばかりのシングル『3SCREEN』から、わずか2ヶ月という短いスパンでリリースされる今作。メロディック・パンクを始め、レゲエ、スカ、ヒップホップ、ラヴ・バラードなど一筋縄ではいかないサウンド・アプローチに挑戦した彼らは、今作で"サンボブが鳴らすべき本当の音"を発見したという。最初から最後まで一貫して"ポジティヴ"を詰め込んだ、夏らしくて爽快な今作について3人に訊いた。

-すごく夏が似合うバンドですよね、3SET-BOB(以下:サンボブ)って。

YUSUKE:そうなんです。意識はしてないんですけど、気がついたらいつの間にかそうなってましたね。明るいものが好きだからかな。自然に夏っぽくなっちゃうんですよ。でも"夏が似合う"って言われるのは嬉しいです。

KAI:冬っぽいって言われると、センチメンタルな感じがするもんね。

YUSUKE:僕のライヴハウスのイメージって、良い意味で季節感がないところなんですよ。冬でもみんなTシャツを着て汗ダクになって遊んだあと、外に出たら雪が降っていたりして。僕らはライヴを主体としてやってるから、自然と夏っぽくなったのかもしれないですね。

-ライヴの拠点は新宿ACBですよね。ハコのカラーとしては、わりとメロディック・パンク系のバンドが多いイメージですけど。最近だとWANIMAとか。

YUSUKE:そうですね。WANIMAとはお客さんがふたりしかいないようなころに、ツーマンをしたんですよ。すごくかっこよかったから、きっと人気出るだろうなとは思ってたけど、さすがにこんなになるとは。当時、新宿ACBで僕らみたいなバンドで日本語をやるバンドがあんまりいなかったんです。それで一緒にブッキングされたみたいです。

-やっぱり日本語で歌うことにこだわりは強いんですか?

YUSUKE:僕はラッパーになりたかったので、半端ないこだわりがありますね。もともと英語の曲も日本語の曲も好きなんですけど、なんせ英語の曲って、家で歌詞カードを見て、日本語の訳を読んでやっと理解するって感じがあるんです。

-それが想像してたのと全然違う歌詞だったりするときありますよね。

YUSUKE:あります。めっちゃ感動したのにチャラい曲だったりして。なんで俺泣きそうになってるんだよっていう(笑)。だったら初めて見てくれた人にも、その場で完成させるぐらいの、もうワンパンチ言葉の説得力があるほうが良いなと思うんです。最初はかっこつけて英語でやりたいなと思ってたけど、結局リアルなことしか書けないから。

-歌詞で影響を受けたアーティストはいるんですか?

YUSUKE:FGクルー(※ヒップホップ・クルー"FUNKY GRAMMAR"の総称)ですね。RHYMESTERを筆頭に、RIP SLYMEとかKICK THE CAN CREWとか、そこらへんが大好きだったんです。日本語ラップの、ちょっと怖い感じのアンダーグラウンドなのも聴くんですけど、逆にオーバーグラウンドでやってるような、明るくて"楽しもうぜ、イェーイ!"みたいなのが好きだったんですよ。

-ポピュラー・ミュージックとして人気のあるヒップホップなんですね。

YUSUKE:アンダーグラウンドなヒップホップも好きではあるんですけど、俺がアングラなものをやるのはキャラじゃないっていうか(笑)、それもリアルじゃないなと思って。

-リアルであるっていうのはサンボブにとって大事なキーワード?

YUSUKE:そう思います。

-今回のニュー・アルバム『3FLAVOR』でまず感じるのは、その日本語のメッセージが超ポジティヴであるっていうことですよね。入ってる曲のほとんどが前向き。

YUSUKE:うん、ほぼ全部じゃないかな。

-どうしてサンボブはここまでポジティヴを強く打ち出すんですか?

YUSUKE:音楽の力を一番感じるのは、やっぱり自分が落ち込んでるときやネガティヴになってるときなんですよ。そういうときに、元気が出たり、背中を押してもらえたりするもの。だから俺もそういうバンドになりたいなって思ったんです。学校に行くのダルいなとか、バイト行くのサボろうかなとか、会社に行くの嫌だなっていうときに、僕らの曲を聴いたら行けました、みたいな。もちろんネガティヴな曲を聴いて、僕も頑張ろうって思うこともあるけど、それはそういうことを歌うバンドにお任せして、俺らは完全に前向きでありたいなと。前向きな方法で応援したいんです。

-特にTrack.3「POSITIVE THINKING」では"ネガティヴ なんて超無意味"とか"いちいち落ち込んでたらめんどくせえ"とか歌ってて、なかなかここまでポジティヴなことは書けないなと。

YUSUKE:こういう曲は、自分に向けて書いてる歌詞が多いんです。なかなかこうやって断言してくれる人も周りにいないから。

-ポジティヴを歌うって決めるのは覚悟が必要だったんじゃないですか?

YUSUKE:というより、自分がネガティヴになりたくないからネガティヴな曲は書けないんです。結果的にそこに辿り着くので特に無理はしてないです。もし、僕らの次のCDが出たときに"全部ネガティヴな曲ですね"って思われたら、それが僕のリアルだと思うんですね。背伸びをせずに書いた結果ポジティヴになりましたっていう感じですね。

KAI:(YUSUKEは)無理をして明るい曲をやらなきゃ! みたいなのはゼロですね。一切そういうのを感じないから、本当にリアルなんだと思います。素なんじゃない?

YUSUKE:素だね(笑)。

RUKA:歌詞の言い回しとかも変に着飾ってないし、聴いてるとYUSUKEらしいなと思うところがたくさんあるので良いなと思いますね。

YUSUKE:自分が使わない言葉は使いたくなくて、基本的に話し言葉みたいに書きたいんです。それも英語の曲を歌わないっていうのと同じで、話し言葉じゃないとやっぱりリアルじゃないし、それと同じぐらい文学的な歌詞も歌えないんです。

RUKA:無理そうだよね(笑)

YUSUKE:俺がそういう曲を書いたら"こいつ本を読んだんだな"って。

KAI:急に難しい言葉が入ってくるからね(笑)。

一同:あはははは!