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INTERVIEW

Japanese

3SET-BOB

2016年09月号掲載

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Member:YUSUKE(Vo/Gt) KAI(Ba/Vo) RUKA(Dr/Vo)

Interviewer:秦 理絵

-でもポジティヴを歌うとき、ポジティヴ一色では説得力がなくて。Track.1「MAYDAY」とかもそうだけど、サンボブは悲しみを裏返してポジティヴに歌ってるんですよね。

YUSUKE:そうなんですよ。イメージですけど、"サンセット=夕陽"でも、全部オレンジ色だったらきれいだとは思わないんですよね。暗闇になる前に、ゆっくり陽が暮れていく感じ。夕陽があるからその風景がきれいなんですよ。暗い出来事がないと、明るい出来事を明るいとは思わない。なんか......うん、なんて言ったらいいかな。

RUKA:うん、わかるよ。

-心のグラデーションみたいなものをサンボブは歌いたいってことですか?

YUSUKE:悪い出来事があるから、何が良い出来事なのかが理解できるし、不幸だなって思うことがあるから、"あ、今幸せだな、最高!"っていうこともわかるんですよね。

-"3SET-BOB"というバンド名は、実はそういうところまで考えてつけたんですか?

YUSUKE:ここまで夕陽について語ることもないので、あんまり言わないんですけどね(笑)。バンド名は夕陽を見に行くのが大好きで、中学3年生のときにつけました。高校生ぐらいのときにもう少し深い意味はないかなって考えて、それで"あ、暗闇があるから、夕陽ってきれいなんだな"って、黄昏ながら思いました(笑)。

-なるほど(笑)。アルバム『3FLAVOR』の話に戻すと、今作はメロディック・パンクを軸にヒップホップ、レゲエ、スカを取り入れた、いろんなジャンルが詰め込まれた1枚になりましたね。

KAI:そうですね。自分たちで作ったけど、いろんな曲があるなって思います。

RUKA:何回聴いても飽きないよね。

YUSUKE:僕の中で、やりたいことがうまく進み始めたなという手応えがありますね。例えばメロコア、ミクスチャー、J-POP、歌モノとか、みんなバンドを始めるときって"これ系のバンドをやりたい"という気持ちがあると思うんですね。固定概念というか。僕もメロコアとかパンクがやりたくてバンドを始めたんですけど、僕は普段ジャンル関係なく音楽を聴いてて。それがやっとうまいこと曲として出せるようになったんじゃないかなと思います。

-このタイミングでやりたいことができるようになった理由は何ですか?

YUSUKE:2月にベースのKAIが入ったのが大きいですね。よりバンドがクリエイティヴになった感じがするんですよ。音楽家っぽくなったなと。

RUKA:たしかに。

-RUKAさんは今作について、どんな手応えを感じてますか?

RUKA:次はどんな曲がくるのかなっていうワクワク感やドキドキ感のある作品になったなと思います。良い意味で聴き手を裏切る展開があったりして。曲の流れもひとつの作品としてすごく良いものができたんじゃないかなと思ってますね。

YUSUKE:正直、自分たちで予想してたより全然良くなったんですよ。

KAI:それはある。僕が入ってから初めてのアルバムで、新曲をバンバン入れていったんですけど、本当にYUSUKEが作ってくる曲は面白いんです。僕が考えてるようなコード感とは完全に別のことをやってくるので。

RUKA:普通このパターンでくるでしょ? っていうのとは別の方向からシュッてくる(笑)。本人も言ってましたけど、やりたいことが明確になって、それを出せるようになってきたのは一緒にやってる私たちも感じましたね。

-YUSUKEさんがソングライターとして、より自由になれたというか、自分の中で囚われてたところから出ることができたのは、何がきっかけですか?

YUSUKE:前のベースが辞めたときに、新メンバー云々というよりもバンド自体を唯一無二にするためにはどうすればいいかなと思って、RUKAちゃんや、いろんな先輩にも相談したんです。そしたら"難しく考えすぎなんじゃない?"って言われたんですよ。"俺らだからこれをやらなきゃ"っていう中でやっちゃってるから。そうじゃなくて、"もっと素直にYUSUKEが思い浮かんだことをやってみたら?"って。"サンボブがやればサンボブになるよ"って言ってもらえたんです。

-なるほど。

YUSUKE:だからやりたい音楽はずっとあったんですけど、良い意味でアクを出したかったって言うんですかね。サラッと聞いて終わるんじゃなくて、嫌なところでも、良いところでも、変なところでも、何でもいいから何かしら残ってほしいなと思って。じゃあ、このままでもおいしい料理だけど、わざとめっちゃ塩ぶっこんでみようかとか。その結果"お前、またそれを食いたくなってるんだろ?"みたいな。

-ははは。ちょっとしょっぱいけどクセになる、みたいな(笑)。

YUSUKE:そうです、そうです。今まで本当は俺はもっとしょっぱいのが好きなんだけど、まあ、これぐらいだろうなっていう部分もあったんです。でも、今回は本当に俺が良いと思うものを、どんどん詰めていこうと思えてました。だから、ここからもっと可能性を感じてほしいなと思いますね。まだまだやりたいことはたくさんあるので。

-良いバンドのムードだなっていうのが伝わってきますね。今回のアルバムをレコーディングしていく中で、核になった曲はありましたか?

YUSUKE:さっきも歌詞の話で出てきた「POSITIVE THINKING」ですね。それこそWANIMAと一緒に新宿ACBでライヴをやってたころ、そのときに出演してた若手バンドの曲を収録したオムニバス『V/A ACB 2012』(2012年リリース)に入れてたんですよ。でも、ライヴでは封印してて――