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INTERVIEW

Japanese

SpecialThanks

2016年05月号掲載

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Member:Misaki(Vo/Gt)

Interviewer:沖 さやこ

-完成形ではない状態で作品をリリースするところにも自信が表れていると思います。第一歩の衝動的な感じもあって、"これからSpecialThanksはどうなるんだろう?"という期待をさせられるアルバムでした。Track.5「Nothing」も今までにないくらいアグレッシヴで。英語で綴られた"くだらない理由で好きなことを諦めたり/頑張ってきたことを辞めたりする人がいた"という歌詞もなかなか攻撃的だなと。

これ、昔からあった歌詞なんですよね。辞めていったメンバーについて歌ってると思われがちなんですけど(笑)、全然違うんです。"受験があるからバンドを辞めます"とか就職するから、結婚するから......という理由で好きなバンドが音楽を辞めていくのが悲しくて。その気持ちを書いてます。それが今になって"あ、私はその経験があったから今もバンドをやっているんだな"と気づいたんですよね。

-というのは?

中学3年生でSpecialThanksを結成して、受験、就活、就職......と、いろいろ経験しながらも、ちゃんと年に1枚は作品をリリースをして、ツアーも回って、というふうにバンドを続けてきたんですよね。"やりたければちゃんと続けられる!"というのを証明したくてムキになっていて(笑)。それも原動力になっていたのかな......って。

-実際SpecialThanksは10年続いているバンドですし、今のMisakiさんが歌うからこそ説得力があると思います。メロディック・パンクの激しさや疾走感の中にアコギの音色の爽やかさがあるアレンジもインパクトがありました。

今までにない雰囲気の曲を作りたいなと思って。アレンジする前から"かっこいい"という言葉が似合う曲だなと思っていて、その曲をメンバーに持っていってイメージを伝えたら、いい感じのアレンジを一緒に作ってくれて。"可愛い"でも"切ない"でもない"かっこいい"曲ができたなと思っています。

-可愛い曲と言えばTrack.3「KOKOKARA」は柔らかくてポップな曲で、Misakiさんの声色も光ります。

この曲は物語っぽくしたくて、読んで面白そうな話を書きたいなと思って歌詞を書きました。Aメロとか"どうやって繋いだら面白いかな?"と考えたりして、書いていて楽しかったです。何かに遠慮せずに素直になんでもやりたいなぁ......という気持ちを込めました。年齢を重ねてそういうふうに思うようになってきて。『missa』でも歌ったことですけど、心を解放できるようになってきた。なんだかよくわからないものに気を遣って遠慮をするのは息苦しいから、一度きりの人生だから、"ときめきアンテナ"張って好きなように生きたら心地いいんじゃないか......と思って。"みんなそういうふうに生きよう!"と伝えたい。それを忘れてしまって、すぐ変な遠慮をしちゃうもとの自分に戻ることがあるんですけど、自分の書いた歌詞を思い出したりして"変な遠慮をせずに気持ちよく歌おう!"と思い直したりして(笑)。

-この1年ちょっとでMisakiさんはかなり成長していますよね。『LOVE GOOD TIME』(2014年リリースの1stシングル)のときにはそんな言葉聞けなかったと思います。

(笑)いろんなことを考えるようになりました。考える時間ができたのも大きいかもしれない。"heavenly"というタイトルも"天国"というよりは"もっともっと行きたい場所に行こう!"という気持ちを込めています。だから"heavenly"というタイトルは今の私たちの目標で、今作はそこに向かって葛藤中というか、そこに向かうために段階を踏んでいるという感じですね。

-Track.4「heavenly」にある"We are free to go there(=私たちは自由にそこに行ける)"という歌詞はそういう意味が含まれているんですね。

そうです、そうです。

-そして、"Could you come with me?(=一緒に行ってもらえないかな?)"というのは、先ほどおっしゃっていた"お客さんと一緒に音楽を楽しんでいきたい"という気持ちが込められていると。『heavenly』は本当に今のバンドの状況が素直に出た作品になっていますね。

そっかぁ......自然にそうなったんだなあ(笑)。

-『missa』からさらに進んでいるSpecialThanksを感じられて安心しましたし、嬉しかったです。

メンバーのラスト・ライヴは寂しかったですけど、みんなが思うほど落ち込んでいるわけではないので(笑)。本当に前向きで、これからのSpecialThanksにすごくわくわくして、ときめいています。ライヴはもうサポート・メンバーが弾いてくれていて、またライヴの感じもガラッと変わったなと思います。約1ヶ月という短期間で14ヶ所も回るのは今回のツアー("SpecialThanks「heavenly」release tour")が初めてなので、"DOUNARUNO!?"って感じで(笑)。でもこの前、4日間連続でライヴをしてもそんなにしんどいとは思わなかったから、喉とか体力はライヴをやっていくうちに鍛えられていくかなって思ってます。だからもう......本当にわくわくしかないですね。