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INTERVIEW

Overseas

James Bay

 

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第58回グラミー賞の"最優秀新人賞"など主要部門を含む3部門にノミネートされ、中でも新人賞最有力候補とも言われているイギリス出身の新鋭シンガー・ソングライター、James Bay。ここ日本では、Apple MusicのCMに起用されたことで問い合わせが殺到するほど話題沸騰中。日本デビュー・アルバムとなる『Chaos And The Calm』は、ロンドンから車で約1時間のところにある田舎町、ヒッチンで育った彼が18~24歳までの人生に関する曲を詰め込んだ1枚。絶妙なハスキー・ヴォイスで歌い上げる楽曲は儚げでもあり、情熱的でもある。3月には来日公演が控えているJames Bay。音楽との出会いから現在に至るまでのストーリーと、デビュー・アルバム『Chaos And The Calm』を紐解く。

-あなたの定番の帽子姿はユニークでクールですけど、音楽をやっていないときも、帽子をかぶるのが好きなんですか?

ありがとう。帽子は大好きなんだ。ショーでも、ベッドの上でも帽子をかぶってて、かぶっていないときがないんだよ。1番大好きなものだよ。

-それは子供のころからですか?

いや。19歳ごろかな、夢を見たんだよ。天のお告げみたいに、知らない人が話しかけてきて、"帽子をかぶれ"って言ったんだ。それで、"わかった。帽子をかぶるよ"って。それで帽子をかぶったら止められなくなって、大好きなんだ!

-へええ、興味深いですね! 日本では、あなたの楽曲がApple MusicのCMとして流れていて、"あれは誰なんですか?"っていう問い合わせが殺到したんですよ。3月には待望の来日公演も決定していますが、あなたのいるイギリスから遠く離れた国で、自分の音楽が人気になっているというのはどんな気分なのでしょうか?

素晴らしい気分だよ。オーストラリアも日本のようにイギリスから遥かに離れた国だけど、10ヶ月ぐらい前に、ラジオで僕の曲が流れていて、人気になってるって知ったんだ。それも嬉しかった。でも、僕は日本には前からすごく惹かれてて。何十年も前から、僕が好きなアーティストたちが日本に行ってショーをやってるからね。日本に行けたら、最高にラッキーだなって思っていたんだ。イギリスでは本当にたくさんショーをやってきたし、アメリカとヨーロッパにも何度も行ったことがあって、遂にオーストラリアにも行けたんだけど、"日本はまだかな?"ってね。さっき言ったように、僕の好きなアーティストたちはみんな日本に行ってるから日本に行ってショーをやって、いい反応が得られるかどうか挑戦してみたいんだ。だから、君たちの読者が反応してくれたっていうのは、すごく嬉しい。僕の音楽が日本に届いてるって、僕にとって、すごく大きなことだよ。これがいい始まりになるといいな。

-そしてイギリスでは、"BBC Sound Of 2015"のリストに入っただけでなく、"Brit Awards 2015 Critics' Choice"も勝ち取りましたが、こうした栄誉ある賞を受賞した実感はいかがですか?

この賞を受賞して、"BBC Sound"のリストで2位になるって、素晴らしいことだよ。でも、今の僕はキャリアの出発点に立ったばかりなんだ。僕は長いキャリアを築きたいと思っているから、賞を最初に受け取ったことで、これからたくさんのことを証明しなきゃならないなって気がしてるよ。でも、そう思うことで感じるプレッシャーは悪い気はしない。他のアーティストたちもこんなふうに感じるのかはわからないけど、いいプレッシャーだと思う。"この賞をもらったからには、それに相応しくならないと"って心配する人もいるかもしれないけど、僕にとっては素晴らしいショーをやったり、もっと素晴らしい曲を書いたりする原動力になる。だから、音楽に精通していて、素晴らしい音楽をたくさん聴いている有名な人たちに認めてもらえて、クールだよ。入れてもらえて、とても感謝してる。

-キャリアの出だしとしては絶好調だと思いますよ。ではまず、これまでの経歴を教えて欲しいのですが、いつごろから音楽にのめりこむようになったんですか?

僕は物心ついたときから音楽が大好きだったんだ。多くの人たちが同じことを言ってると思うけど、3~4歳のころから好きだったのをはっきり覚えてる。その数年後にさらに夢中になったんだけど、音楽は4歳のときからずっと聴いてた。父が大好きなBruce Springsteenとか、母が好きなソウル・ミュージック、モータウンの曲とかをね。僕の家では、ソウルとロックンロールのミックスが、いつも流れていたんだよ。でも、11歳のある土曜日の午後、父があるレコードをかけてくれたんだ。その前に僕がギターにちょっと興味を示していたから、"ちょっとこのギターを聴いてみろ、素晴らしいぞ"って。父はギタリストではないんだけど、ギターが好きでね。それで聴かせてくれたのが、1970年代のバンド、DEREK AND THE DOMINOS(※Eric Claptonが在籍していたバンド)の「Layla(邦題:いとしのレイラ)」だった。ぶっとばされた。その瞬間、僕は"これだ、これをやりたい。今聴こえている音楽を、僕も演奏できるようになりたい"って思った。それで、家に置いてあった古いギターを修理に出して、ギターを弾き始めたんだよ。すごく気に入った。それ以来、ギターは僕にとってなくてはならないもの、何よりも僕の音楽をインスパイアしてくれるものなんだ。その後何年もの間、ただギタリストになりたかったんだけど、そのうち歌詞やメロディの重要さに気づくようになって。そのころには、ギター・ソロを即興で弾くようになってたんだけど自分が語る内容と、曲のメロディやテンポの裏にある感情を気にかけるようになったことで、作曲もやろうって思うようになった。ギターはものにした実感があったから14~15歳のときに作曲を始めたんだけど、僕は歌も好きだったから自分で歌うようになった。これが、僕のこれまでの旅路だよ。

-ご両親が聴いていた音楽の他に、どんな音楽に影響を受けましたか?

最近の音楽だと、ADELEが大好きだよ。それからRay LaMontagne、Bryan Adamsも大好きだね。カナダのシンガー・ソングライターのFEISTにもいつもインスパイアされてる。少し昔のアーティストでは、Michael Jackson。

-そうなんだ!

もちろん。彼の音楽は最高だよ。あとTHE ROLLING STONESにも、インスパイアされてるよ。

-THE ROLLING STONESは、前座を務めたことがあるんですよね?

うん、幸運なことに、数年前にね。ロンドンのハイド・パークでの公演で、他の何人かのアーティストたちと一緒に、僕も前座に選ばれたんだ。クールだった。いい時間を過ごしたよ。でも1番よかったのは、観客としてTHE ROLLING STONESのショーを観れたことだね。本当にめちゃくちゃ年配のバンドだからさ、今でもロックできるんだろうかって心配だったんだよ。でも、彼らは驚異的だった。シンプルで直球の素晴らしいロックンロール・ミュージックだったよ。素晴らしいバンドだよ。