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INTERVIEW

Overseas

James Bay

 

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-本当にその通りですね。ちなみにHOZIERのツアーのオープニング・アクトをしていたときに、Taylor Swiftに会ったというのは本当ですか?

HOZIERの全米ツアーのサポートをしていて、ナッシュヴィルにいたときに、Taylorが彼のショーを観に来たんだ。彼女にはボディーガードがついてるから、通り過ぎるときに道を空けるように言われて、僕たちは壁に背をつけて立ったんだ。Taylorが僕の前を通り過ぎるときに立ち止まって、"あなた、James Bay?"って聞いてきたんだ。それで、"うん"って答えたんだけどクレイジーな瞬間だった。だって、彼女はポップ・ミュージックの世界で大成功している人だからね。そんな彼女が、僕の音楽を気に入ってくれてて、なにかのプレイリストの中に僕の曲を何曲か入れてて、"あなたの曲の大ファンよ"って言ってくれたんだ。そのあと"歌詞のここの部分が好きで、あの言葉が好きで"って詳しく教えてくれて、僕は驚いてさ"嬉しいな。ありがとう"って言ったんだ。うん、だから本当だよ。ツアーではいろいろなことが起こるけど、あれはクールだったよ。

-素敵な体験ですね! いまや彼女と同じポップ・ミュージックの世界でキャリアをスタートさせたわけですが、音楽を始めてからレコード会社との契約を結ぶまでの道のりはいかがでしたか?

楽ではなかったね。レコード会社の目に留まることが簡単じゃないんだ。いいアーティストであることは必須だけど、誰もが認めるいいアーティストのルールなんて存在しないし、見つけてもらうためには、運も必要なんだ。誰も彼もがデビューできないのは、それが理由だよ。だから、長い時間がかかった。僕は何年もの間、イギリスのあちこちのオープンマイク(※出たい人が誰でも参加できる)のショーでプレイしてた。あるとき、ロンドンでのオープンマイク・ショーに行ったんだ。そこに大きなビデオ・カメラを持って来ていている人がいて、あとから聞いて知ったんだけど、プロのカメラマンで、仕事帰りにパブに寄ったんだって。彼が僕の曲を1曲撮影して、それをYouTubeにアップしてくれたんだよ。自分がいいアーティストなのかどうか、知りたかったから、ショーの後に彼にどう思ったか聞いてみたんだ。彼は僕の音楽を気に入ってくれてて、嬉しかった。そのビデオを観たいくつかのレコード会社の人が連絡をくれたんだ。ビデオの再生回数は、大したことなかったのにね。でも、その中に僕と契約してくれた"Republic Records"の人がいたんだよ。ビデオを見つけて連絡をくれて、"君の曲を聞いてとても気に入ったから、ぜひ君に会いたい。ニューヨークに来て欲しい。もっと曲を聞かせてもらいたい"って、ニューヨークに僕を呼んでくれたんだ。それで、契約を手にしたんだよ。

-そんな背景があったんですね。パブでプレイするようになったことが、あなたが世に見出されたきっかけとなったと思うのですが、知らない人々の前で自分の曲を演奏するのは大変でしたか?

いや、パブやクラブで演奏をするのは大好きだった。僕にとっては、最高に興奮することだったよ。今の方が、よっぽど緊張してる。今はもっと別の重要性があるからね。14歳で最初のギグをやったんだけど、ワーキング・クラスの人たちが集まるクラブだった。30分プレイしたんだけど、それが初めてのちゃんとしたギグだったんだよね。家に帰ってベッドに入ったんだけど、完全に目が冴えてて、"今すぐもう一度プレイしたい"って思った。全然疲れてなかったし、即起き上がってプレイできる状態だった。だから、始めたばかりのころは全然ナーバスじゃなかったよ。活動の初期のころにナーバスになる人たちがいるのは知ってるよ。バンドをやってる友達の中には、かなり緊張してる人たちもいたからね。でも僕は無知だったっていうか、18~19歳のころって何も自分を止められないって感じるんだよね。だから始めたころは、僕は全然ナーバスにならなかったよ。でも、そこからもっと音楽を真剣にやるようになって、真面目に考えるようなったんだ。すでに自分はまあまあだって思ってたところで、もっと大勢の観客の前でやるようになって。観客が歓声をあげてくれて、それで本当にいいプレイをしたいってもっと気にかけるようになった。だからあとから緊張するようになったんだけど、それは問題じゃないよ。ヘルシーなことだと思ってる。

-そして、いよいよあなたのデビュー・アルバム『Chaos And The Calm』が日本でもリリースされます。このアルバムの制作はいかがでしたか?

一昨年、アメリカのナッシュビルに行って制作したんだ(※『Chaos And The Calm』は2015年3月に海外リリースされている)。僕はKINGS OF LEONの大ファンなんだけど、僕が1番好きな彼らのアルバム『Come Around Sundown』(2010年リリースの5thアルバム)をプロデュースしたJacquire Kingが僕のビデオを観て、"すごくいい!"って気に入ってくれて、一緒に仕事することになったんだ。彼、ナッシュビルに住んでるんだよ。それでナッシュビルの"Blackbird Studio"っていう素晴らしいスタジオで、レコーディングしたんだ。僕が大好きなアルバムも、そこでレコーディングされたんだよ。

-なるほど。アルバム・タイトル"Chaos And The Calm"はどこからインスピレーションを得たんですか?

"Chaos And The Calm(=カオスと静寂)"っていうのは、僕の精神状態を言い表してるんだ。作曲をしているときとか、ここまでに至る道のりでのね。(今作に収録される)すべての曲は、僕の18歳から24歳までの人生に関する曲なんだ。すべてが僕の経験にインスパイアされたストーリーなんだよ。だからアルバムの全ての楽曲を作り終えたとき、タイトルはこの作品を完璧に要約したものにしたいって少しプレッシャーを感じてたんだ。アルバム・タイトルは、作品においては重要な部分だからね。おおげさなタイトルにはしたくなかったけど、退屈なタイトルにもしたくなかった。タイトルを決めようと考えていたら突然、過去18ヶ月間の記憶がいろいろと頭に蘇ってきて――誰との会話だったか思い出せないんだけど、ある日の午後、長い時間かけて話をしたことがあった。僕がツアーをするようになって、一緒に時間を過ごしたいのに家族や友人たちからどんどん遠く離れていくっていう話とか、恋愛の話とか、作曲の話とか、あらゆることを話したんだ。そのすべてが僕のアルバムの内容だった。生まれ故郷はもう何もしてくれないから、そこから出なきゃいけないっていう話とかね。そのとき、"それって、僕達の経験のすべてにつきまとう「カオスと静寂」だよね。僕たちはそういう人生の旅をしてるんだと思う"って言われて。その"カオスと静寂"っていう言葉が、心に残ったんだ。過去数年の僕のクレイジーな毎日を要約するのに最適の言葉だと思ったから、アルバム・タイトルにしたんだ。完璧だって思ったから、いい瞬間だったよ。大好きなタイトルだね。僕の1stアルバムを『Chaos And The Calm』って呼ぶことを、誇りに思ってる。

-あなたの書く歌詞は、あなたの音楽と同じように美しくて誠実だと思います。作曲に関してですが、歌詞と楽曲と同時に書いているんですか?

わあ、どうもありがとう! 曲によって変わるけど、大抵そうだね。同時に出てこないときは、まず曲のアイディアを考えてから歌詞をつけてる。