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INTERVIEW

Japanese

THE ORAL CIGARETTES

2016年01月号掲載

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Member:山中 拓也(Vo/Gt) 鈴木 重伸(Gt) あきらかにあきら(Ba/Cho) 中西 雅哉(Dr)

Interviewer:沖 さやこ

2015年の夏フェス・シーズン終了後にライヴ活動を休止し、ギター・ヴォーカルの山中拓也が声帯ポリープの摘出手術を行ったTHE ORAL CIGARETTES。同年12月6日に渋谷WWWで開催された、MASH A&Rによるオーディション"MASH FIGHT!"のファイナル・ステージにゲスト・バンドとして登場し、華々しい復活を遂げた彼らの2016年初作品が2ndフル・アルバム『FIXION』だ。彼らはヴォーカリストがポリープを抱えながらも膨大な数のライヴを続けてきた。今作にはそんな彼らが身を削りながらも大事にしてきた"ライヴ"にかける強い想いをサウンドに昇華した"攻撃的な姿勢"が詰まっている。その背景にはリスナーの姿があった。

-まず、復活おめでとうございます。お帰りなさい。術後の調子もとても良さそうで、ほっとしました。

山中:ありがとうございます。ご心配おかけしました。

-ライヴ活動休止中に山中拓也さんのポリープ摘出の手術、『狂乱 Hey Kids!!』(2015年11月リリースの4thシングル)のインストア・イベントを行って。この約2ヶ月半という休止期間はみなさんにとってどういう時間になりましたか?

山中:(ファンのみんなのことを)信じているし、これで安心して手術できるな、と思いつつもやっぱりライヴ活動を休止するということに不安はあって。でもどこのインストアもほぼ参加券の配布枚数が終了していて(ファンの)ひとりひとりと話したときにみんなが"次は絶対ライヴで"と言ってくれて。これだけライヴに行きたいと思ってくれる人がいて、インストアに参加できなかった人たちがお店の外で待っててくれて......。すごく前向きになれました。

あきら:僕とまさやん(※中西)ペアが西日本に、シゲ(※鈴木)と拓也(※山中)ペアが東日本を回ったんですけど、西日本から"なんで拓也さん来ぇへんの?"という声がなくてまずほっとしました(笑)。

中西:最初ちょっとビビってたよな(笑)。でもみんなからライヴ活動の再開を待っててくれてることがすごく伝わってきて。

あきら:拓也は大丈夫やというのをちゃんと伝えて安心させたかったし、ちゃんと言いたいことが言えて。普段僕らはライヴであんまりMCをしないんで、ちゃんと言葉で伝えられる場面を設けられたのもすごくよかったと思ってます。

-12月6日に渋谷WWWで開催されたMASH A&Rによるオーディション"MASH FIGHT! Vol.4"のファイナル・ステージにゲスト・アクトとして登場し、ライヴを活動を再開。復活の場をここにしたのはみなさんの意向なんですよね。

山中:そうです。自分の喉の回復のことを考えると復活するには微妙な日程やったんですけど、フェスで復帰っていうのもちょっと違うよなー......と思って。リスタートを切るという意味でも、自分たちを大きく送り出してくれた"MASH FIGHT!"で活動を再開するのが自分たちにとっても納得できるんじゃないかなって(※THE ORAL CIGARETTESはMASH FIGHT!の初代グランプリである)。担当医の先生も"山中君は喉が治るスピードがすごく速いから12月6日でも大丈夫。ビシバシ痛めつけるぐらい歌った方がいいよ"と言ってくれて(笑)、決めました。前日はとにかく緊張して全然眠れんくて! ライヴ前夜でこんなに寝られへんか~......寝られへんなら映画観よ、と思ってDVD再生したらその途端寝てもうたけど(笑)。

一同:(笑)

山中:それで当日は、リハーサルを見たスタッフ陣から"こんなに(声が)変わるんか"、"手術して良かったね"とたくさん言ってもらったので自信にもなって。ただ本番はペース配分がわからなさすぎて体力が持たなくて"ライヴってこんなにしんどかったっけ......!?"と思いました(笑)。

あきら:2ヶ月半ぶりのライヴで、ステージでやり始めたときに"あ、自分はライヴに飢えてたんやな"と気づいて。搬入とかリハーサルとかやりながら"あ~これこれ!"と思ったし。僕は夜はすぐ眠れたんですけど、朝5時くらいに起きて(笑)。ウッキウキしてましたね。

中西:あの日ライヴしてるときは3年前のオーディションを思い出してましたね。あのときのがむしゃらにライヴを楽しむ感じが蘇ってきたなー......って。夏フェスの時期は自分たちのライヴのスタイルができ上がりつつある状態で臨んでたんですけど、それがいい意味でリセットされた感覚はありました。前のめりなライヴやったと思います。

鈴木:僕、前日にライヴでギターの弦が切れて、持ち替えたサブのギターのチューニングが合ってないというリアルな夢を見てしまって、めちゃくちゃネガティヴになっちゃって。本番ギリギリまでずっと"失敗したらどうしよう......"って緊張してました(笑)。幕が閉まってスタンバイしてるときにオーディションのときのことを思い出しましたね。だからあの日はあのころの気持ちがだいぶ出てきてたかなと思いました。

-そして今回リリースされる新作『FIXION』について山中さんは"2016年のオーラルの攻撃的な姿勢を表したアルバム"とコメントをされています。このテーマに至った理由とは?

山中:2014年の年末にポリープが発覚して、そこから"どうやってお客さんと信頼関係を築いていこうか?"と考えて『エイミー』(※2015年4月リリースの2ndシングル)、『カンタンナコト』(※ライヴ会場&配信限定の3rdシングル)、『狂乱 Hey Kids!!』(2015年11月リリースの4thシングル)を出して......その中で見えてきたものがすごく多くて。『エイミー』で"オーラル、1回気になったけどなんか違うみたい"と思ったお客さんがいたかもしれないなということに気づいて。

-Track.5「エイミー」はTHE ORAL CIGARETTESが最も大事にしている歌心にスポットが当たった、感謝や愛を伝える楽曲でしたね。私はあのタイミングで「エイミー」をシングルの表題曲として出すことは、バンドのポリシーが明確に見せられたので、良かったと思いますよ。

山中:ああ、嬉しいです。でも......お客さんがオーラルに求めてることに応えられてなかったと思うんですよ。「エイミー」は"上京から1年経ったよ、今まで支えてくれてありがとう"という感謝を込めた曲というのもあって、新しく入ろうとしてくれたお客さんには少しだけ閉鎖的にも見えちゃったのかな......と。そのときは"違うって思うならついてこなくていいよ"と思ってたけど、それは表現者として無責任だなと思ったんです。それでそういう(「エイミー」のような曲を求めていない)人たちも連れて行くようなTrack.8「カンタンナコト」を作って。変な噂だけがひとり歩きしたら嫌やなと思ったから、オーラルのライヴを体感してくれた人に聴いてもらいたくてレーベルに無理を言って会場/配信限定のリリースにしたんです。「カンタンナコト」がきっかけで、一度距離を置いてしまったお客さんを引き寄せられたという感触も新規のお客さんも掴めた感触もあって。両極端な「エイミー」と「カンタンナコト」を出して、それぞれが好きなお客さんどっちもオーラルのお客さんやから、その全員を引き上げられる曲ってどんな曲やろ? と考えて作った曲がTrack.2「狂乱 Hey Kids!!」。その流れに向かう過程で、この10曲が固まってきたんです。