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INTERVIEW

Japanese

イロムク

2015年08月号掲載

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Member:藤沼 健(Vo/Gt)

Interviewer:吉羽 さおり

-ああ、恋愛の歌が多いですけど、わりとそういうパターンもありますね。どこかでめんどくさくなっちゃって、そしてすれ違っていってしまうという(笑)。

だから、生々しさは出てると思います(笑)。

-Track.3「アパート」という曲はまさに、そういうすれ違いの曲ですね。

そうですね。この曲の中のふたりって、そんなに年齢が若いわけではないんですよね。大学卒業して、何年か社会人やってというあたりのことを書いてるつもりなんですけど、わかりますかね。

-ええ、わかります。ちょうどお互いにズレが生じだしてくるころですよね。社会を少しずつ知ったり、仕事が面白くなったり、違った世界が見えてくるころだなと。

そうです、で、それを越えたら結婚するんだろうなっていうその前の段階というか。その先は好きにしてくれっていうか、まだ自分が体験してないので書けないんです(笑)。年相応の曲を作れたらなっていうのがあるんですよね。もう、昔の、高校生のころの甘酸っぱい感じもわからないし。

-たしかに甘酸っぱくはない(笑)。

ドロドロしちゃってますね(笑)。甘酸っぱいものも書こうと思えば書けるんですけど。ほんとに嘘臭くなっちゃう。それがイヤなんです。それよりは、段々と人生をはき違えるあたりというか、そういう感覚しか今はわからないんですよね。良くも悪くも、そういう"今"しか書けないんです。

-女子高生を描いたTrack.2「JK」に出てくる女の子も、かなり擦れっ枯らし感がありますしね。

たぶんこの「JK」の主人公の子は、18歳とかそのへんなんですけど。高校生のころ、同い年の女の子ってみんな年上と付き合ったりしてたんですよね。精神年齢もたぶん、高いと思うんですよね。だからきっと作れた曲なのかなっていう感じですね。

-いわゆるハッピーエンドや、そこに向かう曲っていうのはないですよね。そういうものは、音楽に求めていない感じでしょうか。

ハッピーエンドはないですね(笑)。ハッピーエンドって、あります? 結局、死ぬじゃないですか。死ぬってことは良くも悪くも、誰かにとってバッドじゃないですか。ただ、「アパート」という曲も結局は、その人次第で、ハッピーになるのかな?っていうのもあると思うんです。

-この部屋に彼女が戻ってくるかもしれないし、あるいはまた新しい出会いが訪れるかもしれないし、というような?

そういう、いろんな想像をして欲しいんですよね。最後はめんどくさいから、聴く人に委ねてしまおうというところなんですけど(笑)。例えば、映画の"ジョーズ"みたいな、実は続きがあるよっていう感じが好きなんです。だから聴き手が、あのときはハッピーエンドだと思ってたけど、今は違うなって感じられる方がいいし。何回も聴いてもらえるっていうことは、汚い話、ファンになってくれると思うので(笑)。

-そういうイロムクの歌の形になっていく原点だったり、女々しい系と言われる原点となったのが「恋煩い」という曲だったんですよね。そのとき、手応えはあったんですか。

なかったんです。そういうことを歌うのは恥ずかしいと思っていたので、正直嫌だったんですけど。でも、なんだかんだ歌ってみたら、気持ちよかったんですよね(笑)。それで、思いつきでアルバム作ろうってなって。「JK」はたしか、3ピースのときからありましたね。で、こういう歌詞を書くようになってから、小澤に一切文句を言われなくなったんです。それまでは、どこがダサいとか何がダサいとか、この言葉の意味は違いすぎるとか、ボロクソに言われて、そのたびに喧嘩してたんですけど。こういう歌詞を書くようになってから、認めてくれるようになって(笑)。それが1番嬉しかったですね。

-ということはきっと、これがフジヌマさんらしさだよって思っていたのかもしれない。

だと思います(笑)。だから彼がリーダーなんですよね、自分の中で。バンドのというよりは、自分のリーダー。何もしないけど(笑)。人柄がいいし。自分は社交的なことが苦手だし、バンド・メンバーのという以前に友達なので、すごく必要な人なんです。で、ギターの辻(秀和)は音楽的に絶対に必要な人だし、ドラムの與那城(直記)は全部の楽器のことがわかっている。そういうバンドなんです。