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INTERVIEW

Japanese

unicycle dio

2015年02月号掲載

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Member:岡本 啓太 (Gt/Vo) 松本 雄介 (Gt) 比嘉 翔平 (Dr) 本田 周平 (Ba)

Interviewer:山元 翔一

ロックンロール、ブルース、オルタナティヴ、ファンク、ジャズ――多種多様な音楽を貪欲に吸収し、自らの音楽として鳴らす4人組ロック・バンド、 unicycle dio。彼らが渾身の1枚にして初の全国流通盤『BOW MORE!』をリリースする。2度のメンバー脱退を経験するなどここまでの道のりは険しいものだった。Skream!初登場となる今回のインタビューでは、バンドのこれまでの歩みと新作について、"実は"ユーモア溢れる彼ららしいトーンで語っていただいた。

―全国流通盤『BOW MORE!』リリースおめでとうございます! Skream!初登場ですので、これまでのバンドの歩みについて詳しく教えてください。

岡本:僕が入った大学の軽音サークルに部長として松本がいまして。松本はああいう顔ですから初対面の印象で、"こいつギター弾けなさそうだな"と思ったんです。ですが意外と弾けたというギャップにやられました(笑)。それで、サークルに入った初日に松本にバンドをやらないかと声をかけたんですね、バンドをやるつもりで大学に入ったので。そしたら、"俺もこれを待ってた"と。"じゃあ、やろっか"ということで、最初僕と松本のふたりでバンドを組んで、ドラムとベースに関しては少しずつ活動していく中で同じサークルで見つけて。1年くらい経ってそのベースとドラムが就職関係で抜けて。一切先が見えなかったのですが、比嘉が大学内でドラマーとしてぶいぶい言わせていまして。

比嘉:それほど......(笑)。

岡本:その噂はかねがね僕らも聞いていたので(笑)。ドラマーを誰にしたいかってときに比嘉に声をかけたら、"やるよ"っていうことで。じゃあベースはどうするかってなったときに本当にあてがなくて。どうしようもなくて、でも活動は続けたかったので、僕らが思う1番上手いギタリストを思い浮かべたときに前のベースの谷川が思い浮かんだので、そいつをベースに転向させようと話をしてみたら、"やります"ということになりました。そこから1年くらい活動して谷川が抜けるということになって、そのときにはすでにこのアルバムのリリースもツアーも決まっていて......そういう状況での脱退だったので本当にあてもなくてメンバー募集をかけたのですが1~2ヶ月くらい全然返事がこなくて、"俺ら人気ないな"って(笑)。でも3人いれば、ベースがいなくてもいくらでもやりようがあるのであまりネガティヴに考えていなかったんです。それで、次のライヴまで1ヶ月切るって段階で「Muddy」のMVを撮ってくれた児玉(駿介)さんが"いいベーシストがいる"と紹介してくれたのが、この本田です。会ってみて"こいつ頭悪いな"って(笑)。でもバンドに関して頭悪いってことは大事なことだと思っているんで、音を合わせるまでもなくこいつに決めました。

―"unicycle dio"というバンド名にはどういった由来があるのですか?

岡本:シルク・ドゥ・ソレイユの演目の名前に"unicycle dio"って書いてあって。今はそうでもないと思うんですが、"NICO Touches the Walls"とか"ASIAN KUNG-FU GENERATION"とか単語をくっつけていても後ろの単語が長いバンドが多いイメージがあったんですよ。英語を使うにしても他のバンドとは違う名前を使いたいと思って。そしたら、"unicycle"っていうある意味略しにくい単語があってその後に"dio"っていう短い単語があって。そういうのは他のバンドにはないんじゃないかと思って。"dio"って略してくれるだろうと予想して"unicycle dio"って名前をつけたんですが意外とみんな"dio"って呼んでくれない(笑)。バンドをやっているかたは"unicycle"って呼んでくれるんですが、昔から知ってくれているかたはちゃんと"dio"って呼んでくれます。あと結構名前を間違えられることもあるので、これを機に覚えていただきたいですね。

― 『BOW MORE!』を聴かせていただいて、unicycle dioの音楽にはいろいろな要素があるなと感じました。それは、ギター・ロックやオルタナティヴ・ロック、そしてブルースやロックンロール、ファンクやカントリーといったルーツ・ミュージックなどかなり幅広いですね。これまでの音楽遍歴について教えてください。

岡本:基本的に曲を作っているのは僕なんですけど、曲を作る段階では弾き語りで携帯のボイス・レコーダーに仮録りしていて、それをメンバーには一切聴かせずにスタジオで指示を出して曲を作っているんです。僕は森山直太朗やゆず、SMAPとかを聴いて音楽を聴き始めていて、そこからASIAN KUNG-FU GENERATIONでギターを始めてチャットモンチー、9mm Parabellum Bulletなど流行りの音楽中心に聴いてきました。でも幅広くは聴いてましたね、Muddy Watersとかも聴いてましたし。好きなバンドが好きだったという音楽を僕も聴いて、音楽の幅を広げてきたんですが、他のメンバーは違うみたいです。

松本:アルバム聴いてもわからないと思うのですが、僕は以前ガチガチのメタラーだったんです。メタルしか聴いてなかったから岡本と出会ったときは、本当に邦楽を聴いたことがなかったので、岡本に邦楽とはなんぞやと教えてもらっていろいろ聴きました。それまではメタル1本でギターは速弾きできればかっこいいと思っていたんですが、気のせいでしたね(笑)。

本田:僕は昔からバンド・サウンドを聴ける環境にあって、父親の影響で最初はTHE VENTURESですね。だから楽器に対しての抵抗感はまったくなくて、それでそこから中学はサザンオールスターズを聴いてはまり、高校は東京事変やUNISON SQUARE GARDENを聴いてはまっていって。基本邦楽寄りなんですが"ハネる"リズムが好きで。このバンドもノリやすい僕の好きな音楽だったので、そのことはバンドに入ったきっかけでもありますね。

比嘉:僕はですね、昔からよく聴いているのはポップスばかりで、特にポルノグラフィティをずっと聴いてて。中学で楽器始めるときに、BUMP OF CHICKEN、ASIAN KUNG-FU GENERATION、RADWIMPS、東京事変とかからバンド形態のものを聴くようになったのですが、基本的にポップなものが好きですね。大学時代はジャズ研に入っていたのでジャズもちらほらという感じですね。

―なるほど。みなさん、基本的に日本のギター・ロックを、松本さん以外は聴いていらっしゃったということで。

一同:(笑)