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INTERVIEW

Japanese

The Flickers

2015年01月号掲載

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Member:安島 裕輔 (Vo/Gt/Syn) 堀内 祥太郎 (Ba) 本吉“Nico”弘樹 (Dr)

Interviewer:山口 智男

-じゃあ、そういうこと以外は、方向性云々はあまり考えずに作っていったんですか?

本吉:今回、結構一発録りが多いんですよ。今までの作品でも何曲かあったんですけど、機械を使ってる都合上、ドラムはドラム、ベースはベースというふうにバラ録りが多かったんです。今回は3人のグルーヴを出したくて、半分以上の曲を一発録りしました。バラ録りしたやつも勢いがいまひとつないってことで、一発録りでやり直したりもしてるんですよ。勢いと言うか、BPMが200以上の曲を別々で録っても、3人が速いBPMでただ弾いてるだけってなっちゃうんですよ。そうではなくて、3人が一緒に演奏してるっていう感じを出したかったんです。そういう意味では、3人のグルーヴ+機械っていうのはテーマとしてひとつあったかもしれない。

安島:シーケンスにばっちり合わせて作っていくと、きれいな演奏にはなって聴きやすいかもしれないけど、曲によってはもっと荒くて、迫力がある方が普通に乗れるというか、かっこいいということが録っていく中であったんですよ。今回、レコーディングには時間をかけさせてもらったので、一発録りとバラ録りどちらがその曲にふさわしいのか両方試したりもしたんです。機械を使ってるバンドですけど、3人だけでジャム・セッションしても普通に楽しい。ただ、僕は機械も自分の衝動として大切に考えているから、人間と機械をどううまく噛み合わせるかを3人で相談しながらやっていくことが、このバンドのいっこの大事なグルーヴになると思ってるんですけど、今回、そこの部分もより肉体的な方が曲に合うのかとか、すごくガチガチに編集していったほうがいいのかとか、ゆっくりやることができたのはよかったです。アルバムには本当に1回しか演奏してない曲も入ってるんですよ。バラも録ってないし、一発録りも1回しか演奏してない。わりと僕も気難し屋だから、"これ1回演奏して、出来が良くても悪くても、もうやらない"って(笑)。そうすると、30分ぐらいシーンって無言の時間が(笑)。

堀内・本吉:ハハハハ。

安島:ヨレてたりするんですよ。ダメなところもいっぱいあるんですけど、きれいだったらいいってものでもない。個人的になんですけど、そのヨレが愛おしいと思えるテイクがバンドで録れたら、それが1番いい。

-リズム隊のふたりはやり直したかったってところもあるんじゃないですか?

本吉:いや、今回は全然ないです。出し尽くしました。"もう1回やっても同じものが録れる。これで大丈夫です"っていうのはいっぱいありましたね。

-ああ。そう言えば、ワンマン・ライヴのときも"(アルバムでは)全力出し切った"って言ってましたよね。今回、曲作りはいつも通りのやりかただったんですか?

安島:1曲だけ、すごい昔に作った曲があって、僕らがデビューするきっかけになった曲なんですけど、それ以外は全部、新曲です。

本吉:今回、初めて合宿に行ったんですよ。ある程度、ネタを持っていって、曲として仕上げながら2泊3日、福島までプリプロも兼ねてみっちりやってきました。それが基盤になって、今回のアルバムに繋がってるんです。

-初めての合宿はどうでしたか?

安島:すごい楽しかったです。やっぱり曲を作るのが僕はすごい好きだし、しかもわりとゆったりと作れたので。あれ、ゆったりしてた?

本吉:いやぁ(笑)。

安島:もちろん緊張感は欲しいですけど、合宿所はいい環境でしたし、朝起きて、音楽やって、ごはん食べて、また音楽やって......楽しかったですよ。

堀内:ペンションにスタジオがついてるようなところだったんですよ。

-地方にツアーに行けば、そういうこともあるとは思うんですけど、音楽を作る以外に寝食も共にすると言うか、四六時中、ずっと顔を突き合わせているわけじゃないですか? そこも楽しかったですか?っていうのは、いや、わからないですよ。わからないですけど、時折、ものすごい緊張がビシーッと走ることがこの3人の間にはあるんじゃないかって(笑)。

安島:時折って言うか、いつもだよね。

堀内:いつもだね。ぶっちゃけ、それを心配してたんですけど(笑)。

安島:ああ、行く前に話してたね。合宿所は山にあるんですけど、僕がおかしくなって、山荘殺人事件みたいになっちゃって、誰も帰ってこなかったらどうしようってみたいなことを笑いながら話してました(笑)。

-無事、そんなことにはならずに(笑)。

堀内:心配してたけど、わりと和気藹々と音楽に集中してましたね(笑)。

-1日の終わりには、みんなでお酒を飲んだり、話しあったりもしたんですか?

本吉:いやぁ、1日が結構長かったんですよ。 堀内:終わるの朝だったもんね。

安島:毎日、明けがたに終わってた。

本吉:4時5時までやって、昼前に起きてみたいな感じで、活動時間がかなり長かったんで、音楽に向かってる時間以外は本当に淡白でしたね、練習して、ごはん食べて、風呂入って、すぐ寝るみたいな(笑)。

安島:"こんなに真面目にやってる人たちは初めてだ"って宿の人に言われました(笑)。