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INTERVIEW

Japanese

アップル斎藤と愉快なヘラクレスたち

2014年11月号掲載

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Member:わたーん(Vo / Gt) 篠崎 あると(Gt / Cho)

Interviewer:山口 智男

世の中をナメているようで、実は正統派。無軌道に見えて、実は内省的。そして刹那的に思えて、実はしっかりと未来を見据えている宇都宮の4人組、アップル斎藤と愉快なヘラクレスたち。青春のアンビバレンスに揺れながら、無上のリスペクトとともにロックンロールを奏でる若き4人組が結成から5年、満を持して1stフル・アルバム『The radical boys』を完成させた。全曲の作詞・作曲を手がけるフロントマンのわたーんと相棒の篠崎あるとに1枚目のフル・アルバムが再スタートを印象づける作品になった理由を尋ねてみた。

-バンドの見えかたとしては、ひょっとしたら若さに任せてウワーっとやっている無軌道なパンク・バンドという印象があるのかもしれないけど、新作を聴かせていただいて、20代前半という若さのわりに幅広いバックグラウンドの持ち主なのかなと感じました。バンドのバックグラウンドとかルーツとかはどんな感じなんですか?

わたーん:1番影響を受けているのは、地元・宇都宮のTHE CiSTEMSっていう、今、KiNGONSをやっている人たちが昔、やっていたパンク・バンドで、その人たちを見て、音楽をやっていこうと思いました。

-どんなところに影響を受けたんですか?

わたーん:すごかったんですよ。ライヴを見たとき、もうバーン!! としか言いようがない衝撃があった。何だかわからないけど、自分もやんなきゃっていう感覚がありました。

-そのときはもう何かしらロックは聴いていたんですか?

わたーん:青春パンクが中学で流行ってたからGOING STEADYなんかは聴いてましたけど、昔の音楽は知らなかったです。

-それで自分たちでもバンドを始めた、と?

わたーん:その前に青春パンクのコピー・バンドをやってたんですよ。でも、自分で曲を作るっていうのはそれからです。

-『The radical boys』を聴いていると、60年代とか70年代とかのロックを結構聴いているという印象があります。

わたーん:好きですね。でも、そんなに詳しくないですけど。友達の兄貴が初期パンクがすごく好きな人で、その影響で友達が聴いてて、"おまえもRAMONES聴けよ"って言われて、そこから掘り下げていきました。

篠崎:僕は親が好きなTHE BEATLESとか山下達郎とかが家で流れてたんですけど、でも、そんなにピンとはきてなかった。それよりも青春パンクとか、わたーんに影響されて聴き始めた初期パンクの方が、"うわ、すげえ"と思いました。それからいろいろ掘り下げていったり、(聴く音楽の幅が)広がっていったりしました。

-今、やっているバンドの直接的なきっかけになったバンドはいるんですか?

わたーん:直接的にっていうのはいなくて、いろいろ聴いてきたバンドの影響をまとめた感じっていうんですかね。こういうのがやりたいって凝り固まらないようにはしてます。広い視野でやりたいんで。

-RAMONESの他に、"このバンドはすごかった"っていうのはいますか?

わたーん:王道ですけど、THE BEATLESはやっぱりすごいですね。

篠崎:バンド名の由来もTHE BEATLESなんです。

わたーん:アップル斎藤(Dr)のアップルはTHE BEATLESが設立したアップル・レコードとRingo Starrのリンゴで、ヘラクレスはTHE BEATLESってカブトムシじゃないですか。そこからヘラクレスオオカブトムシを連想してっていうメチャクチャな。今は後悔してます(笑)。

-わたーんさんはTHE BEATLESをRAMONESに出会ってから聴いたんですか?

わたーん:いや、うちも親父が聴いていて、CDプレイヤーを買ったとき、親父がTHE BEATLESのCDを3枚ぐらい、"これでも聴けよ"ってくれて。なので、幼いころから聴いてはいましたね。

-今回のアルバムはTHE STOOGESやRAMONESを思わせるリフの曲があったり、THE BEATLESっぽい曲があったりして、それは絶対、狙ってやっていると思ったんですけど。

わたーん:うーん、何なんですかね(笑)。

-だって、1曲目の「The radical boys」は絶対、THE STOOGESでしょ?(笑)

わたーん:THE DAMNEDのイメージなんですけどね。自分では。THE DAMNEDの「I Feel Alright」。出だしは丸々一緒なんです。

-でも、その曲はTHE STOOGESの「1970」のカバーだから。

わたーん:え、俺知らなかった!