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INTERVIEW

Japanese

アップル斎藤と愉快なヘラクレスたち

2014年11月号掲載

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Member:わたーん(Vo / Gt) 篠崎 あると(Gt / Cho)

Interviewer:山口 智男

-そっか。そこが若さなんですね。でも、そこは絶対、聴いた人に突っ込んでほしいと思ってやっているんだと思ったんですけど。

わたーん:いや、なんとなくこういうリフで曲を作りたいと思っただけで深い意味はないです。

-そうなんだ。めちゃめちゃマニアで、あえてそういうことをやっているんだとばかり思っていました。6曲目の「I 脳 センチメント ME」はTHE BEATLESの「And Your Bird Can Sing」でしょ?(笑)

篠崎:ハハハ。

わたーん:完全にそうです(笑)。

-でも、結果としてそれが自分たちらしい曲になっているんだから全然いいと思いますよ。

わたーん:ありがとうございます(照笑)。

-メロコアなんかも聴いてきたんですよね?

わたーん:いえ、そんなに聴いてないです。Hi-STANDARDぐらいですね。どちらかというと、そんなに好きじゃなかった。高校生のころ、地元はメロコア・バンドばかりで、もう嫌になっちゃって。でも、メロコアやってると、女の子がうわーってなるんですよ。クソ野郎って思ってました(笑)。今思えば、偏見なんですけどね。だからメロコアはほとんど聴いてなかったです。

-今回、1stフル・アルバムをリリースするにあたってはどんなことを感じていますか?

わたーん:録ったのが1年ぐらい前だったんですけど、録ってる最中に前のベースのヘラクレスOH-!NUKiがやめることになって、なかなかリリースできなかったんです。だから、曲を作ったのはもっと前なんですよ。2年か1年半前とか。とにかく自分を見直す期間でしたね。ホント、クソみたいな感じだったんですよ、2年前は。だから、最初に衝撃を受けたころのことを振り返ったり、自分を奮い立たせる歌詞を書いたりしながら作った曲がいっぱい入ってるんです。自分の気持ちも変わったし、ベースもゼウス手塚に変わったし、再スタートという気持ちですね。

-クソみたいだったっていうのは、どうしてそんなふうに感じていたんですか?

わたーん:言うのも恥ずかしいんですけど、何て言うか、ホントに弱いプライドを振りかざしてやってたものですから、世間にギッタンギッタンにやられて、ダメになってたんです。でも、プライドだけはあって、自分の非を認めなかった。それが認められるようになりました。

-自分の理想に活動が追いついてなかったんですか?

わたーん:いや、バンド以前に僕自身が人間としてダメだった。だから、そのころの自分を罵倒した曲も今回、入ってるんです。「孤独人間」とか「バカなのさ」とか。

-ああ。激しい演奏とは裏腹に歌詞は内省的ですよね?

わたーん:そうですね。音楽的に何とかしたいという気持ちもあって、演奏と言うか曲調は刺々しいものになったのかもしれないです。

-音楽的に何とかしたいという気持ちがあったとおっしゃいましたが、アルバムを作るにあたってはどんな作品にしたいと考えたんですか?

わたーん:そこまで考える余裕はなかったです。焦ってました。何とかしなきゃって思いながら曲を書いてたら自然とこういうふうになりました。改めて聴いてみると、まだまだできるはずだって思います。歌詞も1点からしか見られてない。もっといろいろな視点から見ることができたらよかったと思います。

-でも、曲は幅広いですよね?

わたーん:似たような曲が並ぶ感じにはしたくなかった。だから、聴いてて、"お、次の曲はこうなるんだ"みたいな楽しみかたができるものにしたかったというのはあります。

篠崎:その意味では前作よりも自分たちがもともと持ってた、いろいろなルーツを曲に反映させることができたと思います。

-最初にできた曲は?

わたーん:「俺の話を聞いてくれ」って、これはホントに古くて。バンドができたころに作った曲なんです。ライヴでも全然やってなかったんですけど、今回入れてみました。

-思い入れがあったんですか?

わたーん:"ゆうた 俺の話を聞いてくれ"って歌いだすんですけど。