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INTERVIEW

Overseas

THE ORWELLS

2014年07月号掲載

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Member:Mario Cuomo (Vo)

Interviewer:山口 智男

高校の同級生たちが始めたバンドが結成からわずか4年で世界に飛び出してきた! 今年1月、いきなりARCTIC MONKEYSのUSツアーのサポートに抜擢され、話題になったシカゴ郊外エルムハースト出身の5人組、THE ORWELLS。アメリカはもちろん、イギリスでも注目され初めている彼らが『Disgraceland』をひっさげ、いよいよメジャー・デビュー。20歳そこそこのメンバーが奏でるガレージ・ロックンロールはその荒々しさのみならず、ノスタルジックかつポップな魅力とともにバンドの成長をアピールしている。破天荒なライヴが評判のバンドだけに早くも初来日が実現する8月のSUMMER SONICも見逃せない!!

-今年3月、SXSWで皆さんのライヴを見たのですが、Burger RecordsのパーティーではMarioがテントの骨組みにぶら下がったり、照明をマイクで叩き割ったりとその暴れっぷりに観客は大盛り上がりでしたね。YouTubeでライヴの映像を見ると、Marioはけっこうムチャをやらかすことが多いようですが、そういう無軌道ともエネルギッシュとも言えるライヴがTHE ORWELLSの魅力の1つだと考えていますか?

特に何か考えているわけじゃないんだけど、エネルギッシュにしている方が自分は居心地がいいんだ。何か準備しているってことではないんだけど、ムチャをすることですごく楽しい体験にもなる。それが1番リアルな時間になって、自分がここにいる意味があると思えるんだよ。

-ムチャしすぎてケガすることもあるんじゃなですか?

大ケガはしたことがないけど、マイクに歯をぶつけて欠けたり、何かにぶら下がって腕を切ったり、何かに登って打撲したりしたことは多々ある。でも、救急車や医者を呼ばないといけないようなことは一度もないな。

-MarioといとこのDominic (Corso / Gt)。双子のGrant (Ba)とHenry (Dr)のBrinner兄弟。そしてMatt (O'keefe / Gt)。元々は高校の同級生5人が結成したバンドだそうですね。バンドを始める前から5人は仲が良かったんですか? 

バンドを始める以前は特に仲がいいってこともなかったな。いとこのDominicがバンドをやっていて、シンガーが必要なのは知っていた。ドラマーのHenryが僕に歌ってみないかってアプローチしてきたから、その数週間後の金曜日にバンド練習で何かのカヴァーを歌ってみたんだ。それがすごくうまくいって、その日以降、高校に行っている間ずっと、毎週金曜日にバンド練習をするようになった。毎年、(アンオフィシャルな)アルバムを作っていたんだけど、3作目(『Remember When』)になると、腕も上がって、ロサンゼルスにある小さなレーベルと契約ができたんだ。

-皆さんの出身地であるシガゴ郊外のエルムハーストってどんなところ?

すごくつまらない郊外の町だよ。小さな音楽シーンがあって、バンド活動をしている連中も少しはいたね。僕たちもガレージとか地下室とかでライヴをすると、キッズが観にきてくれた。音楽的には受け入れられていたよ。

-THE STROKESからElvis Presleyまで、メンバーそれぞれに幅広い音楽を聴いてきたそうですね。あなたが最初に音楽に夢中になるきっかけとなった音楽/バンド/アーティストは?

幼い頃にMY CHEMICAL ROMANCEのライヴに連れていってもらったんだ。その時、まだ小さかったけど、僕はシンガーになりたいと思った。バンドってカッコイイと思ったんだ。それからTHE STROKESを自分の部屋で聴いていた頃、自分も音楽を作ってみたいと目覚めたような気がする。自分もフロントマンになりたいって思っていたんだ。

-Elvis Presleyとか60年代のガレージ・パンクのコンピレーションである『Nuggets』とか、若いのにずいぶん昔の音楽も聴いているようですが、そういう昔の音楽はどうやって見つけたんでしょうか?

僕は長男だからね。そういう音楽を兄貴が聴いていたみたいな話は特にないけど、家族がずっと音楽が好きで、かなり聴いていたんだ。でも、両親の趣味は酷かったから、いとことか友達の兄貴とかが聴いているものを参考にしたり、自分であれこれ発見したりしたんだ。興味はすごくあったから、いつも心はいろいろなサウンドを求めていたよ。

-高校時代、ドラッグ撲滅運動の一環として行われた校内コンサートでTHE VELVET UNDERGROUNDの「Heroin」のカヴァーを演奏して、ステージから叩きだされたという話は本当なんですか?

ああ。でも、あれは実際には同性愛者の権利運動イベントだったよ(笑)。

-ライヴでは60年代のイギリスのポップ・ソウル・バンド、THE FOUNDATIONSの「Build Me Up The Buttercup」やGORILLAZの「Clint Eastwood」など、いろいろな曲をカヴァーしていますが、どんなふうに選曲しているんですか?

カヴァーする曲は割と演奏しやすいものや、みんなが知っている曲を選んでいる。ライヴで観客が知っているカヴァー曲をやると、ある意味、みんな和んでくれるし、なんかブレイクのような、ほっとできる時間になったりすると思うんだ。みんなシンガロングしてくれるし、僕たちも楽しいし。そういう曲を通して、より一層、ファンやリスナーと親しくなれるなら最高だしね。時々、ライヴをやっているとシリアスになりすぎたりするから、カヴァーを入れるとその流れが変わるんだ。