Japanese
SHIT HAPPENING
2014年07月号掲載
Member:小野﨑 建太 (Vo/Gt) 岩瀬 晃二郎 (Gt) 今瀬 智成 (Ba) 梅田 貴之 (Dr)
Interviewer:吉羽 さおり
-ギタリストらしいですね。
岩瀬:そうですね。かなり疾走感ある曲にしようとは事前に言っていたので、リフができた時点で、メロディをつけて歌詞を送って。どちらかというと、俺は音が優先というか。もちろん歌詞も重要なんですけど。 小野﨑:僕は真逆なので。
-歌いたいことがあるとか、メロディありきで。
小野﨑:そうですね。ただ、メロディがいいって感覚があまりわからないんですよね。すごくいいメロディだねとか、メロディを褒めてもらうことが多いんですけど。もともと、中学生の時にヒップホップとかラップをよく聴いていて、そこから音楽をよく聴くようになったんです。ラップって、すごく韻が重要じゃないですか。そういうところから音楽を聴き始めたので、知らず知らずのうちに韻を意識してメロディに当てはめている部分はありますね。そういう言葉を並べてワン・コーラス作っていくんです。メロディのことはあまり考えず、言葉が変われば節も変わるし、っていう思いがあるんですよね。
-言わばそういうヒップホップ的なアプローチということで考えると、今の心情をリアルタイムで曲にして、作品になっていく状況ってすごく理想的かもしれませんね。
小野﨑:自分がこういうことがあったとか、映画を見たとか、こういう人と出会って面白かったというのは、記録しておきたいというか。浸るのが好きなんですよね、自分の曲を聴いて(笑)。 岩瀬:あははは。 小野﨑:うわー、こんなことあったーみたいな(笑)。そういうのが好きで作ってることもあって。すごく贅沢じゃないですか。自分がこういう音楽をやっていて、そのときの状態が残っているから、振り返ることもできて。写真のアルバムとはまた全然違った感じですね。それをみんなに聴かせられるという、ラッキーな状況なわけで。その僕の中のストーリーが、聴いた人自身のストーリーのように自分と重ね合わせて聴いてくれたり。それがきっかけで人と知り合ったりとか。素晴らしいなって思いますね。
-作品を追うと、自分の成長度合いもわかりますしね。
小野﨑:そうなんですよね。25歳になったんですけど、やっと四半世紀って言う言葉を使えるところまで来たかっていう。例えば、お酒の曲はお酒を飲んだ人にしか書けないし、それを歌うとなったらお酒を飲んだことがある人のほうが絶対説得力のある歌い方ができると思うんです。同じように四半世紀生きた分だけの、自分の人間力というか、パンチ力が強くなるじゃないですか。それをみんなに聴かせられるっていうのは、すごくいいなと。これまでの曲の作り方では、自分が歩いてきた足跡っていうのがすごく気になって。それこそ、雪の中を歩いてるみたいに深く一歩一歩足跡をつけて、後ろを振り返ってみたらこんな足跡があるって確かめる感じだったんですけど。今回はそこまで足跡の深さとかを気にせず、走るような感じで作った曲が多いので、自分たちが今まで作ってきたものと変わった部分を、わかりやすく提示できた気がしています。
-しっかり前を向いている。
小野﨑:そうですね。結構振り返り癖があって。今までの曲を振り返ると"たら、れば"みたいな曲が多いんですよね。
-どうしても振り返ると負の要素は入ってしまいますよね。
小野﨑:それがコードとかにも出て、哀愁っていう感じになっちゃうんですけど。今回は前しか向いてないというか。後ろを振り返ってる暇があったら、もう一歩進んでみるかっていう。 岩瀬:そういうことでコードを変えたところもあったんですよね。前だったらこっちのコードを使ったけど、そういうコンセプトならこっちにいってみようっていう。
-今現在の前を向いて走る状態の、大きなきっかけになったことっていうのはあるんですか。
小野﨑:やっぱり移籍をして、昨年秋に『GO WITH ME』という、ここからいくぞっていうアルバムを出したんですけど。そこが結構大きいですね。行こうぜって言ったからには、走るかって。自分たちに向かって飛んでくるものをはねのけながら、走ろうと(笑)。そういうのがちゃんと出てるんじゃないですかね。
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