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INTERVIEW

Japanese

HaKU

2014年03月号掲載

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Member:辻村 有記 (Vo/Gt) 三好 春奈 (Ba/Vo) 藤木 寛茂 (Gt) 長谷川 真也 (Dr)

Interviewer:沖 さやこ

-(笑)そういう緊張感があるところもHaKUの魅力のひとつだと思います。『wonderland』のリリース・ツアーでは辻村さんが初めてライヴでアコギを構えたり、三好さんが積極的にフロアを煽ったりと、2013年はいろんなことを試したり、自分たちのできることを確かめるような年だったのでしょうか。

辻村:そうですね、確かめるような年でした。そこで確かめないと今回のアルバムは作れないと思っていたし、"自分たちはこんなこともできる"という自信を持たないといけない年だったので。"これしかできない"で次の年に行くより、"これもできる"で次の年に行ったほうがモチベーションも高くなるし、幅も広がるので。そういう意味ではトライアルに励んだ年でした。いちばん自分にとっての挑戦の年だったと思います。

藤木:この人(辻村)が(楽曲制作において)リーダーなわけですよね。だから俺らはこいつについてくって、このバンドを始めたときに決めてるんで。だから、俺らは、こいつが言っていることに対して応えるだけですね。それをずっと続けてて、気付かない間にこの人の心境が変わっている。だから自ずと弾くことも変わってくるし、叩くことも変わってくる。そんな感じだと思います。

-なるほど。そういう変化のなかから生まれた1曲でもある「the day」は、紙資料のオフィシャル・インタビューで辻村さんが"応援ソング"とおっしゃっていますね。

辻村:まず"変わった"ということを伝えたいなというのがあったので、自然と先行配信の話になっていって、次の作品のなかで自分たちがそう思えるものをピックアップしていったものが「the day」で。応援ソングというとちょっと恥ずかしいんですけど、そんなものを作れるようになる日が来るとは......(笑)。あんだけ、ねぇ。内向きに内向きにいってた人がこうなるかぁ?みたいな。

藤木:「masquerade」では"溺れていく"とか言ってるのに(笑)。

辻村:(笑)そういう変化を共有したいなというのがすごいあったんです。伝え合えるのはすごく素晴らしいことだと......最近すごく思うので。音楽だったら一方通行じゃなくて、共有できるというか、ぶつかり合える、そういう体験がいろいろできたので。それを含め「the day」という曲で――多分この曲は自分らの端にある曲なんですよね。振り切った、いちばん端の部分を見てほしくて。そこをさらけ出して、こういうポジティヴなことも考えられるというのを伝えたかったんですよね。人を見ることが変わってきたりしていたので......他人が何かする動作に感動したり、悲しんじゃったり、いろんな風に人を観察できるようになった。そういう意味で、人を観察していくうちにできたのが「the day」でもあって。

-観察で見えたものとは?

辻村:......サンドイッチを落としたサラリーマンを見たんですよ。ほんとに日常なんですけど、俺、喫茶店行ったり散歩するのが好きなんです。昼の休みに公園でサラリーマンの人が......たぶんその人めっちゃ頑張ってると思うんですよ、家族のために。ベンチに座って、いただきますって(手と手を合わせて)して、それを見てて"ああ、午後も頑張るんだな"と思ってたら、そのサラリーマンの人がサンドイッチ落としちゃったんですよ。でも周りには人が誰もいなくて。落ちたサンドイッチを眺めているその人を見ていて、自分(の胸のなか)がギュウッてなって。あの感じが忘れられなくて。

-ああ、それは、何とも言えない気持ちになりますね......。

辻村:悲しいというと変だけど、なんか、あっ......ていうか。そのときに、俺めっちゃこの人応援したいと思って。そういう風に思えることっていままでなかなかなかったんですけど、ちょっと寄り添ってみようと思って。そういう現場が(頭と心に)焼き付いたときに、言葉が出てきたというか。だからこの曲が出てきたのは、その人のお陰でもあるんです。