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INTERVIEW

Japanese

忘れらんねえよ

2013年10月号掲載

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Member:柴田隆浩 (Vo/Gt)

Interviewer:岡本 貴之

-ははははは!

もういいや、みたいな(笑)。で、同じことをやりたくなかったんですよね。ライヴとかで、目の前にいる汗だくの太った19歳くらいの男の子が、泣き叫びながら"うぉ~!"ってなってるのを見てたら、なんか自分のことをうだうだ言ってるより、こいつに"お前そんなに泣いてるんだったら、この音楽聴いてみ"って言って"うぁ~!最高だ!""だろ!?"ってなる方が面白くて。今俺らが作ってる音って、割とそういう相手に向かってやってる感覚があるんです。だから、そういう意味では劇的に変わってますね。

-まあ、これまでの曲は柴田さん個人の愚痴というか(笑)。

そうそう、愚痴っすよね!本当に(笑)。

-でもそこが"ああ、わかる!"っていう、一種の"あるある"的なところがあったじゃないですか?

そう、あるある(笑)。だからギャグっぽいんですよね、なんか(笑)。

-確かに(笑)。

でもそれはそれで良かったと思うし、そこで培ったスキルもこのアルバムにまぶしているから。

-今までの忘れらんねえよの魅力が入った曲と、メッセージ性が強い曲が、バランス良く入ってますね。

そうなんですよ。1stで出来なかったことが今は良い塩梅で出来るようになってきたし、『この高鳴り~』をきっかけに、メッセージとか、実際にお客さんを動かす強引なグルーヴっていう音楽的なところが、丁度どっちも花開いてるタイミングなんで、ここでアルバムを出せるということで、本当スッキリしてるんですよね。もう完璧、フルスイングできたと思うし、めっちゃ良い1本糞が出たなっていう。

-(笑)。めちゃめちゃキレの良いやつが?

そうそう。感覚としては拭かなくて良いくらいの。ティッシュ不要、みたいな(笑)。

-それくらいめったにない作品だと体感している、と(笑)。そういうスッキリ感と共に、マイナビのCMソングをやったり「はじめの一歩」のOPに曲が使われたりとか、如実にバンドがメジャーになってきていますよね。そこは柴田さんの生活に変化をもたらしていますか?

いや、全然ないっすね。(タイアップは)たまたまだし、目的じゃなくて音楽を届ける手段だし、武器なんですよね。もちろん嬉しいけど、それは一瞬で。アルバムの結果が全てなんで。

-アルバム・タイトルの『空を見上げても空しかねえよ』にはどんな想いが込められているんでしょうか?

ずっと思ってたことなんですけど、"この空に比べたら僕の悩みはちっぽけだ"とか、"止まない雨はない"だとかそういう言葉あるじゃないですか?そういうのクソだと思ってて。天気と人生は関係ないじゃんって。現実逃避だと思うんですよ。だって、しんどい状況を変えるのって、自分だもん。自分以外いないもん。"お前だよ、お前が今この瞬間足を1歩踏み出さないと変わらないから"っていう。そういう意味の、『空を見上げても空しかねえよ』なんですよ。だって、空を見上げても空しかないし、何も解決しないんだっていう。"空しかねえんだから"って、そういう意味を込めてます。

-アルバムを制作するにあたって、バンドのメンバーでコンセプト的なことは話したんでしょうか?

カラフルなものにはしたかったんですよ。それはシングル『僕らパンクロックで生きていくんだ』を出した頃に思っていたことで。要は『この高鳴りをなんと呼ぶ』と『僕らパンクロックで生きていくんだ』って、歌詞の方向性が似てて、純粋に曲が呼んでる言葉を探していって、"ああ見つかった"ってできた曲で。その『この高鳴り~』が結構売れたんで、このやり方イケるな、と思って(笑)。それで『僕らパンクロックで生きていくんだ』でもっとそれを追及して作ったら、数字的に、もちろん合格点はいったんですけど、俺的には不満で。その時、世の中は直球だけじゃ全然倒せないっていうのがわかったんです。変化球というか、配球が必要だって。だからアルバムの曲調をカラフルにしたいし、歌詞のタイプも全方位型のものにしたいな、と思ってました。