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INTERVIEW

Japanese

Brandel

2013年08月号掲載

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Member:Taki (Vo/Gt) Juker (Gt) Lyuon (Ba) Kaz (Dr)

Interviewer:沖 さやこ


-それは“壁をぶち壊すコミュニケーション”をすることで生まれると。

Lyuon:やっぱりなかなか仲良くなれない人もいるじゃないですか。でもそういう通じ合えるか通じ合えないかは、時間じゃないなと思うんです。だからこそ30分のライヴ、1曲5分の1曲目で、その壁がはずれたときは、凄く気持ちいいんですよね。

Kaz:お客さんの体の緊張感や表情はステージからも分かるんですよね。初めてBrandelを見るお客さんは“好きじゃない音楽だったらどうしよう”と思っている人もいると思うんです。でも、そういうのは関係ないんだぜというのを1曲目でバッ!と示せたとき“あ、このバンドは楽しいんだ”と思ってもらえたときが、壁が取り払われた状態ですね。

-ではこの前のツアーでは、各地でその“壁”は壊すことは出来ましたか?

Lyuon:……そうでもなかったですよ。そこは課題というか、死ぬまで追究しなければいけないと思っていて。Brandelを初めて見る人がちゃんとライヴに参加出来ているかどうかというと、最初のほうはそうでもなかったんです。最初は“聴いて楽しんでくれればいい”と思ってたんですけど、ツアーをやっていく中でお客さんをちゃんとひとりの人間として見つめられるようになったというか……失礼なことかもしれないんですけど。100人いたら100人の人生があって、性格があると考えられるようになった。それでどんどん“一緒に作っていこう”というスタンスに僕らが切り替わっていきました。

-Brandelは凄く気合いを感じるライヴをしていると思います。演奏面だけでなく走りこみなどで体を鍛えたり、これだけツアーをたくさん回ったり、いろんなCDショップも回ってらっしゃるし。コミュニケーションを求めているという姿勢は全てにあるなと。

Lyuon:肉体的な部分は人対人ではとても重要な要素だと思っていて。やっぱりBrandelのライヴに来たら、手を挙げるなり何なり、参加してほしいというのが凄くあるんです。でも自分たちがライヴに行くと、そう簡単に手を挙げたりは出来ないんですよね。素面で、初見のバンドのライヴの1曲目で“きたぁ!”って手を挙げることはなかなかないと思うんです。だからそういう人たちの気持ちは分かるんだけど、何らかのアクションを取った瞬間からコミュニケーションは始まっていくんですよね。だからその体験をしてほしいというか。ライヴでは音楽をただ受身で聴くだけでは勿体ないなと思っていて。CDではなくライヴに来ているからこそ、五感で感じてほしいです。

-今回は初のセルフ・プロデュース作ということですが。

Kaz:今まではグラミー賞エンジニアのTom Weirにミックスをお願いして。そのときも“こういう音にしてほしい”とコミュニケーションを取ったんですけど、結果的に彼の音になっている部分があったんですね。僕らも録ったときの音と出来上がったときの音でこんなに違うのかと驚くことも多くて。でも今回はトラッキングとミキシングを同じエンジニアさんにしてもらって、ミックスを立ち会いで“ここはこういう風に”とかなり細かいところまでそれぞれのパートが直にコミュニケーションを取って行ったので、音に対してはかなり妥協なく、まさに“今自分たちが出したい音”がCDに入ったなと。コンセプトとしては今回はライヴ・アルバム――僕はドラマーなので、出来るだけライヴハウスで聴けるかっこいいドラムの音という僕の中のイメージに出来るだけ近づけたいなと思って、エンジニアさんとうまくコミュニケーションを取りながら音を作っていきました。

Juker:今回はセルフ・プロデュースだったので、ミックスである程度出来上がった段階で聴いて、フレーズがだめだなと思ったらすぐ消すことが出来るし、“ちょっと足りないな”とか“これさえあればもっと良くなるのに”と思う部分を足すことが出来たんです。前作に比べるとギターは仕掛けみたいなものがふんだんに入れることが出来たなと。だから細かいところまでいろいろ聴いてもらいたいなと思いますね。