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INTERVIEW

Japanese

ザ50回転ズ

2012年12月号掲載

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Member:ダニー (Vo/Gt) ドリー (Ba) ボギー (Dr)

Interviewer:天野 史彬


-その、今は生産されてないテープっていうのは、普段から使っているものなんですか? それとも、今回のアルバムの方向性としてそれを選んだっていう感じだったんですか?

ダニー:前回までの3部作の中でもテープを使ったものはあったんですけど、今回は特に、ライヴの生々しい感じとか立体感が必要だなって感じたんで使いました。ホーンも4管入ってくれてますけど、それを上手く聴かせるための迫力というか、音圧がテープにはあるんですよね。もちろん、モチベーションの部分でもありますけどね。Pro Toolsが起動してる姿って、あんまりカッコよくないんですよ(笑)。テープがガチャン、ウィ~ンって回ってるほうが、こっちも気合入るし。やっぱりライヴって凄いアナログな瞬間じゃないですか。その瞬間を切り取ってもらうんやから、テープでいきたいなっていうのがあって、そこに落ち着いたんです。

-なるほど。それに対して、唯一、ライブ録音ではなく通常の録音方法で録られたのが1曲目の「あの日のロックンロール」なんですけど、この曲は歌とメロディが際立った、50回転ズの叙情的な側面を前面に出した曲ですよね。これは、“荒川アンダー ザ ブリッジ”の主題歌にもなった前作の「涙のスターダスト・トレイン」からの流れを汲んでいる曲だなって思ったんです。

ダニー:確かに。

-「涙のスターダスト・トレイン」は、映画の主題歌っていうことで、今まで50回転ズを知らなかった人の耳に届いた曲だと思うし、自分たちの歌心とかメロディアスな部分を強く打ち出したことで、50回転ズに対するパブリック・イメージを変化させた曲でもあると思うんです。で、今回の「あの日のロックンロール」は、そこにもう1歩踏み込んで、自分たちの新たな側面を見せていきたいっていう意図があったのかなって思ったんですけど、どうですか?

ダニー:今まで自分たちがやってきたことと同じことをやる意味なんてないからこそ、今回の方法論にも至ったわけですし、この曲の内容についても、「涙のスターダスト・トレイン」から半歩向こう側の歌を歌いたいっていう気持ちがあって。別にそういうものを作ろうっていう具体的な話を3人でしたわけではないんですけど、結果、「涙のスターダスト~」の向こう側の1曲になったと思いますね。

-「あの日のロックンロール」の歌詞って、自分たちの青春とか、その時に聴いていたロックンロールに思いを馳せるような、凄くノスタルジックな世界観があると思うんですけど、これは最後の「さよならヒーロー」もそうですし、そもそも『Do You Remember?』っていうアルバム・タイトル自体、どこかノスタルジックな印象が強いタイトルですよね。

ダニー:そうですね。現在、俺たちは好きなことだけやってステージに立ったり、レコーディングしたりできてるけど、ロックンロール楽しいなあ! て言いながら一緒にやってきた仲間の中には、音楽の世界から去っていく仲間もおったりして。普通の生活にシフトしていく仲間とか、子供や親の面倒を見なきゃいけなくて離れていったりとか。そういう離れていく友達に対して歌ったのが「さよならヒーロー」だったりするんです。でも、俺たちは今ここで歌うしかないというか。“俺たちはまだやってるから、またいつか遊びにきてや”っていう感じのノスタルジックさが今回はあると思います。懐古とか、昔を懐かしむというよりは、俺はずっとここにおるし、これからもここにおるよっていう。それは特に「あの日のロックンロール」と「さよならヒーロー」にはありましたね。