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INTERVIEW

Overseas

THE VIEW

2011年05月号掲載

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Member:Kyle Falconer(Vo&Gt)

Interviewer:沖 さやこ

『Which Bitch』から約2年、THE VIEWから待望の新作『Bread And Circuses』が到着。以前からライヴのサポート・メンバーとして活動しているキーボードのDarren Laneyを迎え入れ、プロデューサーは元KILLING JOKEのYouthを起用。大胆なストリングスを取り入れたりと表現を広げたサウンドに加え、レコーディング・スタイルも今までと大幅に変わり、まさしく大変貌の1枚。長期間かけて作られた意欲作の実態をじっくりと語ってもらった。

-全世界待望のサード・アルバムですが、今作は非常にすっきりと洗練されたというか。少々変な言い方ですが真面目というか……大人の面が色濃く出ている印象でした。

前作『Which Bitch?』から俺達がどれだけの成長を遂げたかを証明するために、中身の詰まった素晴らしい内容のアルバムを制作したかったんだ。サウンド的には、前よりも壮大かつ洗練されたという意味で進化を遂げていると思う。

-『Which Bitch?』が非常に高評価のアルバムだっただけに、今作の制作にプレッシャーはありましたか?

いろんなアイディアがあったから特にプレッシャーっていうのはなかったかな。約1年掛けてデモ曲をちゃんとしたものに仕上げて、様々なリハーサル・ルームやスタジオで作業したんだ。アイディア段階のラフな楽曲とか、今回新しくチャレンジしたい事が色々あったから、それを形にするのに苦労したよ。でも実際にアルバム・トラックのセッションに入ったら数ヶ月で全てを仕上げられたんだ。

-過去2作でタッグを組んでいたOwen Morrisの元を離れ、今作は元KILLING JOKEのYouthをプロデューサーに起用してらっしゃいますね。

レコード会社から「別のプロデューサーを起用してみてはどうか?」と提案されたんだ。
俺達自身も今作では俺達がどれだけの進化を遂げたかを見せる必要性を感じていたしね。バンドをやっていると、サウンド面での新しい可能性について考えることが誰しもあると思うんだけど、Youthのプロデュース作品には前から興味があったんだ。俺もヴォーカリストとして参加しているMark Ronsonの「Bike Song」もYouthがプロデュースしたものなんだよ。

-なるほど。今回Youthは、レコーディングの時間をしっかり決めたり、発音のアドヴァイスなど、サウンド面だけではなくバンドの総合的なプロデュースを行ったらしいですね。

レコーディング中は彼にもの凄く厳しく管理されていて、スタジオに入るのも毎日朝の11時から夜の11時ってな具合にきっちりと決められてたのさ。前のようにパーティーをする暇はあまりなかったけど、おかげ様で結果的にはよりクリエイティブなものに仕上がったと思うよ。緊張感の中でのレコーディングも時にはあったけど、本当に良い曲を創作するにはそういった中で歌うことも大事だと思うんだ。

-生活から変化したことが、今作の洗練さを物語っていると思います。そして今作は、変化となる部分がこれだけではないんですね。スタジオで楽曲制作をせず、大量のデモ楽曲を持ってスタジオに入って、それをYouthと詰めていったとのことで。

50曲くらいデモ楽曲を持ってレコーディングに臨んで、それをYouthと共に絞り込む作業にまず入ったんだ。実際にアルバムの制作作業に入ってからはかなりスムーズに作業が進んだよ。今まではアルバムに収録する分くらいの曲しか制作してこなかったから、俺達にとってはかなり新しい試みだったな。何曲かはツアー中に演奏してファンのリアクションを見てみたりしながら、各地でアレンジを加えたり、新たな曲を書いたりもしたよ。そういう風に制作した方が、完成度の高い曲が出来上がることが多いんだ。

-外界からの刺激は大きく作用しますからね。ライヴのサポート・メンバーであったキーボードのDarren Laneyを制作に迎え入れたことも、新たな刺激なんじゃないでしょうか。

音に広がりを持たせるためにはキーボードが必要だったんだ。彼の場合は歌も歌えるから、そういう意味ではコーラスの幅も広がったよね。彼はサポート・メンバーの前にはバンド・クルーの一員として働いていたし。何より彼は俺らの幼馴染だからね。バンド・サウンドに広がりが欲しい今、彼を迎え入れたのはごく自然のことなんだよ。