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INTERVIEW

Overseas

THE VIEW

2011年05月号掲載

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Member:Kyle Falconer(Vo&Gt)

Interviewer:沖 さやこ


-サウンド面の広がりとしては、大胆に取り入れられたストリングスも非常に効果的ですね。これはYouthの案で?

俺達もストリングスは取り入れたくてね。一人か二人の演奏者を迎えて一日とかでレコーディングを終える予定だったんだけど、Youthが「もっと壮大な感じにしたい」って言って。大胆なストリングスをYouthがうまいこと俺達の楽曲とブレンドしてくれたから、突発的な感じじゃなくて、俺達の前のアルバムとかに入ってても自然なアレンジに仕上がったと思うな。

-ストリングスがより一層コーラス・ワークを映えさせてると思います。今作はかなりコーラス・ワークが多彩ですよね。

コーラスのアイディアはデモの段階からずっと頭に中にあったんだけど、俺自身別にそこまで意識はしていないんだ。それよりも、サビだったりBメロの構成に力を入れたし、すごく気に入ってるよ。俺達は常に色んな音楽を聴いているから、意識していなくてもそれらに多少なりとも影響を受けていると思う。去年オーストラリアにツアーで行った際に「Jersey Boys」(※60年代に一世を風靡したポップ・グループ、ザ・フォーシーズンズの実話に基づいたブロードウェイ・ミュージカル)を見て以来、俺はFrankie Vallieにハマってたよ。ピアノで書いた曲が多かったのもメロディアスになった要因のひとつだと思うけど、やっぱりハーモニーっていう意味ではビートルズからはいつも多大な影響と受けているね。

-The Viewの作品の中で一番歌の持つ力が放出されたような気がします。ところで、タイトルになっている『Bread And Circuses』は“権力者が大衆にほどほどの娯楽と食料を与えておけば人は大体日々の暮らしを営み、世界がどういう仕組みで動いているか考えない”というローマ時代の言葉だそうで。でももともとは“Best Lasts Forever”というアルバム・タイトルだったんですよね。同名の楽曲も収録されていますが。

“Best Lasts Forever”っていうタイトルはすごく気に入っているんだ。音楽にどんなメッセージがあろうともしっかりしていれば5年、10年、それこそ100年経っても、世界でその時に何が起こっていても、人々に愛され続ける。そういう意味でタイトルに使いたかったんだけど。

-そんなお気に入りの言葉をタイトルにせず、過去の時代の言葉を用いたのは?

最近のUKではロックの中でギター・ロックが一番ポピュラーってわけじゃなくなっちゃったから。ラジオで曲をプレイしてもらうには、そういった“Bread And Circuses”な事実から意識をそらす必要があるんだ。

-ジャケットはピエロになった皆さんが印象的ですね。エンターテイナーの面をしっかりと出しながらも、普通の人間という核の部分も感じられるこの作品にピッタリだと思います。“ピエロ”としてのTHE VIEWが今作で新たに見せることが出来たものはどこの部分だと思われますか?

サード・アルバムってなると、色んなプレッシャーや期待によって、より「仕事」という意味合いが強くなってくると思うんだ。でも俺達はその仕事すらユーモアを取りこみながら楽しむことができたから、どこかピエロ的なところがあるなと感じてジャケットもピエロをイメージしたものにしたんだ。

-今後、今作のようなレコーディング形態が定着しそうですか?

次のアルバムのアイディアは既にあるけど、具体的にどういった形でレコーディングするかはまだ決まってないな。まぁなんにせよ新しいチャレンジは常にしていこうと思っているよ。

-もう次に向けて動き出しているんですね。

今はUKでこのアルバムのツアーを回ってるよ。本当、最高なんだ。ファンも俺達の新曲や新しい形でのライヴをすごい気に入ってくれているし。今年の夏はイギリスやヨーロッパのフェスに出まくって、その後はアメリカにツアーに行く予定さ。その後にいよいよ、4枚目のアルバム制作に取り掛かる感じかな。色んなアイディアが既にあるから制作に取り掛かるのがものすごく待ち遠しいよ!

-お話を聞いていてこちらもワクワクしてきました! 今の日本にはそういう未来への希望を感じさせる出来事が、普段以上に必要な時期なので。

日本は俺達が大好きな場所のひとつだよ。だから先日の震災の事を考えるとものすごく胸が痛む。そんな状況に強い心と結束力で立ち向かっていることをすごく尊敬する。俺達も常に日本のみんなのために祈っているからね。日本のファンの前でも本当に早くライヴがしたいよ!