Japanese
2021年10月号掲載
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切ない恋心を透き通った声で描き、10代を中心に話題のネット発SSW、あれくんのメジャー初アルバム。「好きにさせた癖に」は965万回、「ばーか。」は749万回と好調な再生回数を誇るが、それらすでに公開済みの楽曲は、すべてガラッとアップデートされている。チルなビート且つミニマムだけど一音一音が際立つ、トレンドを採り入れたポップ・サウンドにリアレンジされていて、海外アーティストを意識したようなあれくんのフェイクも含め、既発のバージョンを知っているとその進化に驚かされるはず。また、半数を占める新曲たちに綴られているのは、これまでの彼の代名詞=ラヴ・ソングの枠を超え、人生の葛藤に向き合った言葉たち。メジャー初作品にして現時点での集大成にとどまらず、新たな自分を切り拓いている。(稲垣 遥)
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夜韻-Yoin- (16)
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あれくん
革命前夜、
暗いニュースで溢れがちな今を生きるリスナーへ向け、ポジティヴをテーマに制作したEP。だが"前向きだけどまだどこか後ろ向きなあなたへ"というコメントも発表している通り、そのポジティヴさは手放しであっけらかんとしたものではなく、現実的な目線も孕んでいるところが肝であり、これまでもどこか不安な気持ちに寄り添ってきたあれくんならではの作品になっている。環境音を積極的に取り入れ、より生活に馴染む音像になった「diary」や、ストリングスでスケールを増した「いつか」は本作のためにリアレンジされたもの。ボカロP 水野あつとの共作曲「ゆびきり」では両者の武器を生かした温かなピアノ・ポップを響かせ、「ツナギアイ」では隙間のあるサウンドに乗せられたグルーヴ感のあるリリックがあれくんとしては新鮮だ。
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あれくん
呼吸
切ない恋心を透き通った声で描き、10代を中心に話題のネット発SSW、あれくんのメジャー初アルバム。「好きにさせた癖に」は965万回、「ばーか。」は749万回と好調な再生回数を誇るが、それらすでに公開済みの楽曲は、すべてガラッとアップデートされている。チルなビート且つミニマムだけど一音一音が際立つ、トレンドを採り入れたポップ・サウンドにリアレンジされていて、海外アーティストを意識したようなあれくんのフェイクも含め、既発のバージョンを知っているとその進化に驚かされるはず。また、半数を占める新曲たちに綴られているのは、これまでの彼の代名詞=ラヴ・ソングの枠を超え、人生の葛藤に向き合った言葉たち。メジャー初作品にして現時点での集大成にとどまらず、新たな自分を切り拓いている。
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あれくん
呼吸
切ない恋心を透き通った声で描き、10代を中心に話題のネット発SSW、あれくんのメジャー初アルバム。「好きにさせた癖に」は965万回、「ばーか。」は749万回と好調な再生回数を誇るが、それらすでに公開済みの楽曲は、すべてガラッとアップデートされている。チルなビート且つミニマムだけど一音一音が際立つ、トレンドを採り入れたポップ・サウンドにリアレンジされていて、海外アーティストを意識したようなあれくんのフェイクも含め、既発のバージョンを知っているとその進化に驚かされるはず。また、半数を占める新曲たちに綴られているのは、これまでの彼の代名詞=ラヴ・ソングの枠を超え、人生の葛藤に向き合った言葉たち。メジャー初作品にして現時点での集大成にとどまらず、新たな自分を切り拓いている。
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夜韻-Yoin-
青く冷たく
アコースティックにポップスを奏でるネット発SSW あれくんが、オルタナティヴ・ロック・バンドのギタリスト、クラシックに出自をもつピアニストと出会い、結成した夜韻-Yoin-。そのメジャー1stミニ・アルバムは、愛する人とのすれ違いの物語を描いたノンストップ・ミックス作品だ。全編を通して相手を想う気持ちや命の儚さ、美しさが貫かれたコンセプチュアルな1枚だが、各曲のカラーは絶妙なグラデーションを描いていて、3人の素養に基づく音作りが楽しめるし、環境音も取り入れた立体的なサウンドはストーリーへの没入感も得られる。そして何より、あれくんの抜けのいい歌声は聴く者を肯定してくれる。MVや歌詞カードなど、トータルで演出された世界観に浸ってみれば、自ずと見えてくるものがあるかもしれない。