Japanese
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純文学を思わせるような歌詞をロック・サウンドに乗せて歌い上げるシンガー・ソングライター、ももすももすの1stアルバム。"心の宇宙に浮かぶ彗星を、観測したアルバムです"と彼女自身が語る本作では、1曲目の「火星よ、こんにちは」から、ももすももすの作品世界にすっと引きまれていく。どことなく哀愁が漂い、また随所に遊び心も散りばめられている曲を聴いていると、聴覚だけでなく、視覚や嗅覚までもが刺激されていき、アルバムを通して彼女自身の心の宇宙を旅しているかのような感覚を覚えた。本作を締めくくるのは「ハネムーン」。3拍子のリズムが心地よいこの曲が、作品の余韻を残しつつオープニングの「火星よ、こんにちは」に繋がっていき、繰り返し何度も何度も聴き続けてしまう1枚に仕上がっている。(宮﨑 大樹)