DISC REVIEW
Japanese
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カノエラナ
盾と矛
1stアルバム『「キョウカイセン」』から1年と10ヶ月。この間に自身の音楽世界や、その想像力や独自の視点が生きた歌の世界を、鮮やかに立体化するサウンド面に重点的にアプローチし、『ダンストゥダンス』など試みのあるシングルを発表してきたが、今作はその集大成だ。1曲目「1113344449990」から、カノエラナの脳内のその奥へと誘われていく密やかでスリリングな曲が次々と並ぶ。キュートなポップさあり、郷愁や切なさの琴線に触れるような歌や狂気に触れる瞬間もありと、気持ちは揺さぶられ続ける。こちらの好奇心をくすぐるように隙を突く鋭さがあって、でも、もっと覗き込もうとするとスンっとシャットアウトされてしまう。そんな"盾と矛"の天邪鬼さで気になる存在感を強めていく作品だ。
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