Japanese
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いよいよ本格始動していくというがらくたロボットの1stフル・アルバム。オープニングからエンディングまで、研ぎ澄まされたバンド・サウンドでダイナミックに聴かせている。本物の産声を収録した8分の6拍子の短い英詞曲「産叫」に始まり「ツキノアリカ」まで、パンク、ガレージ、モータウン風ポップス、ブルース、8ビートのシンプルなロックと、3ピースで考えうるアレンジを目一杯やって楽しませる娯楽作でもあるが、"今見ている月は太陽に見せられている月で人それぞれ違う月を見ている"という表題曲のメッセージには、衝動的なロックの人のようで、実は冷静に作品を見つめ、表現の幅広さも持っているヤマモトダイジロウ(Vo/Gt)が描く世界の奥深さと繊細さを感じる。(岡本 貴之)