Japanese
2015年03月号掲載
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オモイメグラスの変革期なのだろう。その変革はシンセやストリングスを用いていることももちろんなのだが、どの曲もひたすら、目の前に広がる靄をどうにかして打ち消そうともがいている。それは彼女たちの現状なのかもしれないし、世間なのかもしれない。オモイメグラスというバンドは何ひとつとして満足をしていない。そんな反抗やエネルギーを、彼女たちの美意識で昇華しているのがこの『図解と消えたフィラメント』だ。ベーシストの脱退から"自分たちのやりたいこと"と向き合って完成させたサウンドは自由度が広がり、より外へと向かっている。インストの枠を飛び越えたTrack.4、シンプルなバンド・サウンドと鍵盤で突き進むTrack.5、優しいメロディで包み込むTrack.6など、むき出しの強い意志に息を飲む。(沖 さやこ)