2016年より無期限活動休止中のポップ・パンク・バンド MOTION CITY SOUNDTRACKのフロントマン、Justin Courtney Pierreが初のソロ・アルバムを古巣Epitaph Recordsからリリース。プロデューサーにバンド・メイトのJoshua Cain(Gt)を迎えた本作は、MCSの持ち味であったどこか懐かしく切ないメロディをしっかりと継承しながら、Justinの優しさと哀愁を帯びた歌声もさらに引き立った作品に仕上がっている。今回Justinはドラム以外の全パートを演奏しており、エモーショナルなギター・ワークのみならず、ベース・プレイも聴きどころ。MCSのファンはもちろん、まだ聴いたことがないという人にもおすすめだ。
今年3月に無期限活動休止を発表し、現在ワールド・ワイド・ツアーを行っているMOTION CITY SOUNDTRACK。9月には日本でのファイナル・ジャパン・ツアーを控えているが、その前にアメリカで昨年秋に発売された6thアルバムに、2曲のボーナス・トラックを加え日本でのリリースが決定。ポップでシュールなモーグ・サウンドと爆裂なバンド・アンサンブルとの2枚刃と、おセンチ節全開のメロディとで、パンク~パワー・ポップ・ファンの心をこれでもかと掴んで泣かせた必殺技は、1ミリもブレることなくここにある。アルバムとしては久々の作品でもあるので、その健在ぶりがまた切なくもあるが。こうして大人ぶったりかしこまったりすることもなく、エヴァーグリーンなままで突き抜けているのは嬉しいところでもある。普遍の青春サウンドトラックだ。