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いわゆる陽キャにはなりきれないものの、かといってつまらない陰キャに甘んじているわけでもない。今作に収録されている計4曲においてThe 3 minutesが描いてみせるのは、それぞれにいい意味で無キャでモブな"どこにでもいる誰か"の物語たちであるように感じる。中でも、表題曲は最近何かと話題の量子力学をモチーフにしながらSNS世代ならではの機微を描いた歌詞が印象的な恋愛劇で、音楽的には近年のボカロ文化からの影響も感じる過密型ポップ・サウンドが満載。はたまた「そいえば」で繰り出されるアオハル全開な恋模様と、切なげな情緒をたたえたメロディ・ラインもなかなかに味わい深く、つまるところ自称 名古屋発"純情/妄想ミクスチャー"シンセ・ポップ・ロック・バンドの名は伊達ではないと言えよう。(杉江 由紀)
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"あなたの3分いただきます"という挑発的なセリフで口火を切るタイトル・トラック「インスタント・インスタンス」をはじめ、これまで以上にバンドの揺るぎない信念を詰め込んだ、The 3 minutesの約1年半ぶりのリリースとなるミニ・アルバム。キャッチーでノリのいいシンセ・ポップ・ロックは、現在のロック・シーンで人気を博している多様なロック・バンドからの影響を強く感じる。女性ヴォーカルとの掛け合いがキュートな「ちゅーしたい」や賑やかで楽しいポップ・サウンドに乗せて"Hey Siriさん"と呼び掛ける「スマホのうた」など、ライヴハウスの熱狂を可能なかぎり音源へ落とし込んだ。そんななか盛り上がる曲だけではなく、バンドがステージで歌う意味を改めて刻んだ「誓い」が収録される意味は大きい。(秦 理絵)
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名古屋発、平均年齢21歳の5人によるThe 3 minutes。シングルとしては2作目で、現メンバーでは初作品となる今作はトリプルA面で、バンドの幅広さを見せる内容だ。1曲目となった「Shiny Days」は、シンセの音色が晴れやかに響き、パンキッシュに疾走するアンセム。明快なサウンドや"さあ行こう"と手を掴んで引っ張り上げていく直球さは、彼らいわく挑戦的な曲だという。アクセルを踏み込む力を感じる1曲だ。「妄想ヤンデレーション」(Track.2)は凝ったアレンジの歌謡性溢れるロックで、「ハルノウタ」(Track.3)はつい思い出してしまう切ないシーンを封じ込めた曲。いずれも親しみやすいメロディを肝にしていて、そのうえで自由に今やりたい音楽、やってみたいサウンドに取り組んでいる5人のしなやかさが、爽やかに伝わる。(吉羽 さおり)