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INTERVIEW

Japanese

The 3 minutes×ライブキッズあるある中の人

2019年03月号掲載

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"3分であなたを魅了する"という想いで名付けたバンド名が表すとおり、圧倒的にキャッチーな楽曲でライヴハウス・シーンを席捲中の5人組バンド、The 3 minutes。昨年はTSUTAYA O-nestで2度のワンマン・ライヴを成功させ、勢いを加速している彼らが3月6日にミニ・アルバム『インスタント・インスタンス』をリリースする。3月からは、人気Twitterアカウント"ライブキッズあるある"中の人が主催するツアーにも全公演参加することが決まっているということで、今回はライブキッズあるある中の人を迎えた座談会を行った。アーティストとDJという立場こそ違えど、いい音楽を世の中に広めライヴハウスに人を集めることに情熱を燃やす2組。今彼らが考える、勝つための戦略とはなんなのか。話を訊いた。

The 3 minutes:りょう(Vo) たかひろ(Gt) ひろ坊(Key) わたべ(Ba) なおき(Dr)
ライブキッズあるある中の人
インタビュアー:秦 理絵 Photo by 石崎祥子

-2組の出会いのきっかけはなんだったんですか?

りょう:"見放題2018"ですかね。

あるある:打ち上げでね。

りょう:僕が"あるあるさんを紹介してほしい!"って関西のイベンターの方にお願いしたんです。一応、The 3 minutesっていう名前は知ってくれてたんですよね?

あるある:名前は知ってました。バンドの系統も(僕のイベントに)合いそうやなっていう印象は持ってたんですよ。で、ぶっちゃけたら、そのときツアー"DJライブキッズあるある中の人presents ライブ行きたい ~最大箇所数の夏ツアー編~"のブッキングに困ってたんですよ(笑)。

りょう:言ってましたね。

あるある:地方が決まらへんって困ってるときに"出たいです!"って言われて、"じゃあ、ここ出れる?"って聞いたら、"出ます! 出ます!"って言ってくれたんです。

りょう:僕らとしてもリリースに関係ないタイミングだったけど、普通にツアーができる感じだったのですごく楽しくやらせていただきましたね。

-The 3 minutesみたいな若いバンドからすると、あるある君ってどういう存在ですか? 私からすると、ライヴハウスの魅力を新しい視点で広めようとする、ユニークな立場の人だなと思ってるんだけど。

あるある:それ気になる。

ひろ坊:僕は大学1年生のときにTwitterで"ライブキッズあるある"っていうアカウントを見て、"なんじゃこりゃ!"と思ったんですよね。あのころ特にバズってたんですよ。だから、この方といつか一緒にやりたいなと思ってました。

あるある:マジで(笑)!?

なおき:僕もTwitterでよく見てました。バンドを組む前に、中高生のときとか、よくいろいろなバンドを観に行ってて、ツイートを見たときにめちゃくちゃ共感したんですよ。毎日ツイートを楽しみにするぐらいファンでした。

-実際にツアーを回るなかで、話したりするタイミングも結構あったんですか?

りょう:最初に出させていただいたのが宇都宮だったんですけど、リハーサルが終わってから、本番前に顔合わせがあって、お仕事の面でのあるあるさんを初めて見たんですよね。あるあるさんはどの出演者よりも先に、必ず最初に会場に入られるんです。

あるある:そうだね(笑)。

りょう:で、最初の顔合わせでは、自分がライヴ・キッズのイベントをやってる理由みたいなのを、簡単にお話ししてくれたんですよ。自分がいいと思ったバンドを見てもらいたいって。そういうのってイベンターの方が語られるのは珍しいことじゃないんですけど、どこまで本気なのかはわからないじゃないですか。で、ライヴが終わったあとに無理矢理"もうちょっと話したいです!"って居酒屋に行かせてもらったんです。

あるある:行ったね(笑)。どこやったっけ?

ひろ坊:新潟じゃない?

りょう:そう、新潟で打ち上げに行ったんです。そこで話したことで"あ、この人は本当にいろいろなバンド・シーンを底上げしていきたいっていう気持ちがある人なんだな"って自分の中で理解できてものすごく信頼するようになりましたね。

-あるある君、下の世代のバンドに慕われてるじゃないですか。

あるある:そうなんですかね......自覚はないですけど、嬉しいなぁ。こんなことを真剣に言われたのは初めてです。僕、自分が人気者になりたいとは全然思ってないんですよ。ただ面白いコンテンツを作って来てもらうっていう裏方目線でやってるので。

-実際にふたりでお話をするなかで、印象に残っていることはありますか?

りょう:あるあるさんって表では"ノリやで!"とか"勢いや!"みたいなことを言われるんですよ。でも、ふたりで話したりしたときには......これ、喋ってもいいですか? 営業妨害にならないですか?

あるある:いいよ(笑)。

りょう:裏ではすごく計算されてるんですよ。どうやったら無料のツアーが成り立つのかとか、お客さんを集約できるかとか。それを"ノリやで!"って勢いに見せてるところがすごいなと思うんですよ。それは僕らも見習うところが多いなと思いました。全部が全部"僕ら頑張ってます!"って出していくのは違うというか。ライヴハウスっていう非現実なところに逃げ込んでくるお客さんが多いなかで、"全然売れねぇ!"みたいな現実を突きつけても響かない人もいるかもしれない。ライヴでは嫌なことを忘れたいっていう感情がメインなのかなと思ったときに、全部を出すのは違うんですよね。笑顔のまま面白いことをやって、裏では熱いものがあるのがかっこいいでしょっていうのを学びました。

あるある:めっちゃズバっと言ったら、アホなふりをしてるってこと(笑)?

りょう:全公演無料って、言葉は悪いかもしれないけど、アホじゃないですか(笑)。

一同:あはははは!

りょう:常識を超えちゃってる感じが新鮮に見えるんです。

あるある:たしかに僕は戦略的ではあると思いますね。でも、その戦略をライヴに来る人に見せてもメリットはないんですよ。だから、僕は想いを全然出さなかったんです。今でこそ"バンドを応援したい"っていうのを出してるけど、最初は"DJやりま~す。バンドが出ま~す。ウェ~イ!"っていう雰囲気でやってて、そっちの方がお客さんを呼べる確信があったんですね。で、来てくれた人に勝手に伝わってほしいっていう感じでやってたんですけど、ちょっとずつ変わってきて、さらに広げるにはちゃんと自分の想いを伝えていく方がいいなと思ってます。......なんでこんな熱い話をしてるんやろう?

-りょう君が熱い想いをぶつけてくれたからじゃないですか?

あるある:そうですね(笑)。