全員が保育大学の卒業生という名古屋発の4人組ギター・ロック・バンド THE BOY MEETS GIRLSが、前作からわずか9ヶ月ぶりにリリースしたミニ・アルバム。よりライヴを意識したという今作は、"スベスベマンジュウガニ"という実在のカニをテーマにした快速パンク・チューン「スベスベマンジュウガニは静かに笑う」を始め、シンセサイザーをフィーチャーした浮遊感のある「アンドロメダ」、80年代のアイドル・グループのようなポップ・ソング「ダンシングシューズ」など、全力で楽しさを追及する遊び心が目一杯に詰まっている。バンドの原点に返ったセンチメンタルな正統派バラード「202」は珠玉のナンバー。赤裸々にロスト・ラヴを綴る楽曲から滲み出る人間味に、ますますこのバンドを好きになった。
メンバー全員が名古屋の保育系大学に通いながらバンドの道を選んだという異色の経歴を持つ4人組、THE BOY MEETS GIRLSの3枚目のミニ・アルバム。タイトルの"OTONARI BENTO BOX"はローマ字で見るとオシャレ感があるが、日本語で書くと"お隣弁当箱"。一気に庶民的に見えてしまうのが、まさにTHE BOY MEETS GIRLSの人を食ったようなマジックだ。シンセのアレンジで良質のポップ・ミュージックを作り上げながら、とびきりのジョークで笑いを誘う絶妙なバランス感覚。そんなTHE BOY MEETS GIRLSサウンドの源泉にある高島大輔(Vo/Gt/Key)の貪欲な音楽探求心や妄想力がポイントだが、彼の頭の中に広がる小宇宙は、まだその片鱗を見せただけのような気がする。