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アルバム名は間違って記憶していたDon McLeanの「American Pie」の歌詞に由来するそうだが、喪失を歌った名曲をタイトルに用いたことは本作にとって最適だったと言える。創設メンバー Freddie Cowan(Gt)の脱退を経たTHE VACCINES通算6作目のアルバムは、ノスタルジックなギター・サウンドと切ないメロディで夢の終焉や失恋などの喪失感を描きながら、それらを乗り越え日々を生きていくための前向きさにも満ちた楽曲が並んでいる。キャッチーを発揮したTrack.4、甘酸っぱいメロディで失恋を歌うTrack.6、キーボードが哀愁を誘うTrack.9など、珠玉のポップ・ソングが満載で、これから訪れる出会いと別れの季節にも寄り添ってくれることだろう。
2011年のデビュー以来日本でも人気を誇るロンドンの5人組ロック・バンド、THE VACCINESがオリジナル・アルバムとしては約3年半ぶりの新作を発表。前作では原点回帰と言うべき泥臭さを持ったギター・ロックを鳴らしていた彼ら。架空の都市をテーマに、RIHANNAなどを手掛けるDaniel Ledinskyをプロデューサーに迎えた今作は、基本姿勢を保ちつつ、80年代シティ・ポップを思わせるジャケットと同様ダンサブルな内容に。裏打ちのビートが夜のネオンとマッチする表題曲に始まり、サーフ・ロックとディスコ・サウンドを絡めたTrack.2、ラウドなギターを響かせるTrack.4、ラテンなメロディもチラつかせるTrack.6など、格段に自由度を広げた楽曲を収めている。
前作のリリース後に脱退したPete Robertson(Dr)に替わってYoann Intontiが 加入、さらに前作のツアー・メンバーだったキーボーディストのTimothy Lanhamも加入し、5人の新体制となったTHE VACCINES。そんな彼らがリリースする約3年ぶ りの新作は、まさに原点回帰と言えるような、シンプルなギター・サウンドと、荒々し いガレージ・ロックを全面に押し出した痛快なアルバムだ。THE VACCINESの魅力は、30年前の若者が聴いてもなんの違和感もなくクールだと言うだろうし、おそらく 30年後の若者が聴いてもクールだと言うに違いない、そのタイムレスなキャッチーさだろう。今作には、そんな彼らの魅力と、色褪せないギター・ロックの未来が存分に詰まっている。
前作から3年ぶりのリリースとなる3作目のアルバム。シンセやピアノも使って、ディスコ・ナンバーやピアノ・バラードにも挑戦しながら、ここで彼らが追求しているサウンドは、脱ギター・ロックというよりもむしろ、スタジオにおけるサウンド・メイキングをとことん試した結果と受け止めるべきかもしれない。ノスタルジックなロックンロール・ナンバーが持つ魅力は変わらない。しかし、THE FLAMING LIPSなどで知られるDave Fridmannと主にダンス・ミュージック畑で、いい仕事をしているCole M.G.N.をプロデューサーに迎え、彼らとレコーディングにおけるギミックを存分に使いながら作り上げた新しいサウンドはTHE VACCINESの音楽にロックンロールのひと言には収まりきらない深みを加えている。
50'Sロックンロールや60'Sポップス、70'Sパンクなどを消化したラウド&ロマンティックなポップス集だった去年のファーストがプラチナを達成。ギター・ロック低迷が叫ばれる英国において救世主的な扱いを受けるTHE VACCINESだが、それがあくまで結果論であり、彼らが純粋に優れたポップ・ミュージックを求めているバンドであることが、このセカンドを聴けばわかる。全体的にまだ荒さも目立っていた前作に比べ、ソングライティングが格段に進化。音楽的参照点に大きな変化はないのだろうが、乱暴に言えばラウドなロックンロールとメロウなバラッドという2本柱によって成り立っていた以前と違い、1曲の中に様々な要素を取り入れ、より表現力豊かになった楽曲が並んでいる。期待を裏切らない充実のセカンドだ。
2010年6月結成のロンドンの4人組、THE VACCINESが結成の約1年半後の2011年3月にリリースしたデビュー・アルバム。フレーズらしいフレーズよりもむしろひずみ、残響、音の煌きといった音響を意識したギター・サウンドは現代におけるギター・ロックの在り方を象徴している。だが、それが50’sあるいは60’sを連想させるどこかノスタルジックなメロディーと見事に溶け合い、彼らならではと言える甘美な白昼夢の世界を作り出しているところが聴きどころだ。レコード・デビュー前にライヴを通してバズを作り上げていたとは言え、本作が大ヒットになった理由は威勢のいいサーフ・パンクからロマンチックなバラードまで、楽曲が粒揃いだったことも大きかったはず。普遍性を持った曲作りのセンスは大きな武器として、今後のキャリアにおいても活きてくるにちがいない。
vaccineとは“ワクチン”の意(ちなみに英語読みだと“ヴァクシーン”)。このバンド名、麻痺し切ったこの世の中を健全へと導く覚悟なのだろうか。“THE VACCINESに何を期待する?”というそこはかとなく挑発的なアルバム・タイトルからも彼らの自信が伺える。その自信はハッタリに非ず! 結成から1年にも満たないこのバンドは、デビュー・アルバムにして名盤を作り上げてしまった。瑞々しくダイナミックなサウンドは、UKロックの歴史を全て継承したようなスケール感と振り幅に溢れている。ドラムが炸裂した直後に美しいピアノで聴かせたかと思えば、ポップな音色を投下したりと、聴き手の心を常に揺さぶり続ける。正攻法の中に光る独特のセンスは、ギター・ロック・シーンの新たな希望と言って良いだろう。
新境地とともにギター・ロックの可能性を追求した3作目のアルバムが完成
UKギター・ロックの救世主が2作目のアルバムに刻みつけたバンドの成長
僕らは、ポップ・ミュージックとリスナーの関係性を常に考えながら活動してるんだ―――
キーワードはタイムレス。メンバーが語るTHE VACCINESのポップ哲学
ギター・ロック復活の狼煙を上げるTHE VACCINESの最新作完成。彼らの音楽を愛する国内バンド6組からのコメント到着
ロンドン発、ギター・ロック・シーンの新生救世主現る!
2013.01.17 @SHIBUYA-AX
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