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ソロ・アーティストとしての魅力を伝えたいという思いから本名に改名した笹木勇一郎。それは"笹木ヘンドリクス"をバンドとして残すための決断でもあり、バンドへの強いロマンがそうさせたのだろう。冒頭を飾るのは"僕だけの歌を探そう "という"1人"の音楽家として決意だが、その曲は「"not"_alone」と名づけられた。そう、ソロは"独り"ではない。ジャンルの枠に捉われず自由に羽ばたく全11曲がそれを物語っている。札幌→イギリス→東京と拠点を移しながら活動する中でスポンジのように吸収してきた事柄を、自ら磨き上げて完成させた結晶のようなフル・アルバム。これから先どんな形態をとろうとも、音楽の旅を続ける限りこの作品が彼にとっての糧となるはず。(蜂須賀 ちなみ)
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札幌生まれのシンガー・ソングライター、笹木ヘンドリクスのデビュー・シングル。ソロのアーティストだがインディー時代から固定のバンド・メンバーとライヴを重ねてきて、レコーディングも馴染みのバンドとの作業だったのもあってバンド然とした内容になった。大きく、よく通る歌声を武器に、そしてその声がもっとも映えるような大らかで、スケール感のあるメロディを歌う今作は、彼のデビューに寄せての決意が込められている。またカップリング「命の灰」は、震災時に見たこと感じたことをドキュメント的に綴った曲だという。説明的な歌詞はなく、抽象的で淡々としているけれども、言葉よりも"音"、自分のバンドが鳴らせる音で当時の感覚や思いを封じ込めた。元々ユニークな曲も多いが、真正面から強い曲で攻めたデビュー作。(吉羽 さおり)