Japanese
2014年05月号掲載
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札幌生まれのシンガー・ソングライター、笹木ヘンドリクスのデビュー・シングル。ソロのアーティストだがインディー時代から固定のバンド・メンバーとライヴを重ねてきて、レコーディングも馴染みのバンドとの作業だったのもあってバンド然とした内容になった。大きく、よく通る歌声を武器に、そしてその声がもっとも映えるような大らかで、スケール感のあるメロディを歌う今作は、彼のデビューに寄せての決意が込められている。またカップリング「命の灰」は、震災時に見たこと感じたことをドキュメント的に綴った曲だという。説明的な歌詞はなく、抽象的で淡々としているけれども、言葉よりも"音"、自分のバンドが鳴らせる音で当時の感覚や思いを封じ込めた。元々ユニークな曲も多いが、真正面から強い曲で攻めたデビュー作。(吉羽 さおり)