都会をテーマとして作られたオリジナル3曲と洋楽カバー3曲が収められたEP。初の日本語詞が聴けるリード・トラック「ホームパーティ」は冒頭のギター、ドラムの音が鳴り出した瞬間にグッと前のめりになるキャッチーな楽曲。"さぁホームパーティをしよう"と連呼するわかりやすいサビが賑やかなリズムと絡み合って彼らにしか出せない独特の昂揚感を醸し出している。こちらも初めてとなる洋楽カバーはパンキッシュな「Take Me Home, Country Roads」を始め、それぞれオリジナルと異なるアレンジが聴きどころ。なんだかデカいサングラスをかけて踊りたくなる傑作ディスコ・ナンバー「記号の街」のどこかオールド・スクールな味わいも最高。なんとなく、クリスタル!
08年結成、大阪を拠点に活動する、全員が21歳のスリー・ピース・バンド、キドリキドリの1stフル・アルバム。"さようなら洋楽コンプレックス"なんて気合いの入った言葉を掲げているだけあり、不穏な幕開けを飾る冒頭曲「The Song Of New Age Rock'n'Roll」からそのタイトルのごとく、まさに"New Age Rock'n'Roll"とはなんたるかという勢いが炸裂している。前半の重量感のあるパワフルなナンバーから、最後にようやく息をつくように終わるラスト・ナンバーまで一気に走り抜けていく。彼らは"英日折衷"という欲張りなコンセプトを掲げているのだが、その音楽の基盤はあくまでも海の向こうの色が強い。このバンドも、現在その台頭が著しい"洋楽の世代"と言われる若者たちであるということなのだろうか。