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FOALS (69)
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前作『Everything Not Saved Will Be Lost』2部作は、Part 1が踊れるロック、Part 2が骨太なロックと、持てる技を全部見せつけるような、バンドとしての集大成的アルバムだった。そして、そんなすべてを出し切った前作を経て、さらに閉塞感のある世の中の空気とも重なり、今作では新機軸となるような、突き抜けて明るいポップ路線を打ち出している。直感的に踊りだしたくなるような、軽快なギター・カッティング、ファンキーなドラム、浮遊感のあるシンセ・サウンド。どこを切っても輝きに満ちた幸福感のあるサウンドで、音楽を聴いてこんなに"眩しい!"と感じることがあるなんて。日常の鬱屈した感情や面倒事がぶっ飛ぶ、FOALS流非日常ポップでひと足早い夏を楽しんで。(山本 真由)
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前/後編からなる2部作の後編は、ダンス色濃い前編に対して、ビッグなリフをガツンと鳴らしたロック色濃い作品に。デビューから10年、インディー・ダンス・ロックの新星からUKロックを代表するスタジアム・ロック・バンドに成長したFOALSの軌跡を、今一度、2枚のアルバムでダイナミックにアピールする格好となったわけだが、FOALSが持つロック・バンドとしての魅力がぎゅっと凝縮しながら、同時に新境地も印象づけているところがポイント。その意味では、オープニングを華々しく飾るソウルフルなロック・ナンバー「The Runner」、FOALS流のブルース・ロックと言える「Like Lightning」が一番の聴きどころ。ROYAL BLOODやTHE BLACK KEYSのファンにも薦めてみたい。(山口 智男)
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"SUMMER SONIC 2019"への出演が決定し自ずと期待値が上がる新作は、2019年秋にリリース予定の後編との2部作前編。スタジアム・バンドとしてのスケールに見合うプロダクションを獲得した前作以降、バンドはベース・ミュージックや今のエレクトロニックなサウンドと対峙したのだろう。近未来を想像させるメランコリックなオープニングや、持ち味である民族性とエレクトロニックなポスト・パンクは、本作を象徴する1曲「Exits」で1音の輪郭をより明確にし、新鮮な音像を獲得している。全体的にシンセを効果的に用いながらも、80's風にもドリーミーにもならない。「Cafe D'Athens」ではトラップを高速に再解釈したようなビートも。我流且つ古くならないバンド、FOALS面目躍如の1枚。(石角 友香)
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エレクトロ・ダンス・パンクの新鋭としてシーンに現れてから6年目にリリースした3作目のアルバム。アート・ロックからアリーナあるいはスタジアムで鳴ってこそ映えるビッグ・ロック・サウンドへの転身が賛否を呼んだ。メンバー自らライヴにおけるサウンドを反映させた結果と語っているように、それは自然な変化だったようだが、バンドのスケール・アップを受け入れたうえで新たな表現に挑んだところに彼ららしい気概が窺える。楽曲の振り幅が持つダイナミクスをよりはっきりと描き出すことで、本来の魅力がさらにわかりやすい形で伝わるようになった。結果、全英2位の大ヒットを記録。来日に合わせリリースされるツアー・エディションには2013年3月28日のロイヤル・アルバート・ホール公演の模様を収録したDVDがカップリングされる。(山口 智男)
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この作品を作れるようになるために前2作を作ったようなものなんだ"とギターのJimmy Smithが語るように、この3rdアルバムは彼らの確実な進化を決定づける作品となっていると言っていいだろう。『Holy Fire』というタイトルの由来はわからないが、リード・シングルにもなっているTrack.2「Inhaler」はジリジリと熱を孕み、緻密で煌びやかな細工が施されたギター・サウンドはまさに"聖なる炎"を感じさせる崇高な光を放っている。アルバムを通してフィジカルさはグっと増し、彼らのアーティスティックなサウンドにハッキリとした輪郭を与えたことにより、ロック・バンドとしての強度はグっと増している。既に世界的な評価を得ている彼らの更なる飛躍を予感させる作品だ。(伊藤 啓太)
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デビュー・アルバム『Antidotes』での強迫的なスピードと変拍子ビート、まくしたてるようなハイトーン・ヴォーカルも後ろへ下がり、グッとスマートに、シンプルになったFOALSの最新作。エモーショナルな美しさを湛える本作でのバンドのスケール・アップは特筆もの。新人バンドがセカンドやサードでスケール・アップなんて言うと大概がスタジアム・バンドという保守的なステレオ・タイプに陥り、一気に退屈になってしまうわけだけれど、FOALS はそうではない。彼らの特徴であるビート、鋭角なギター・リフへの強迫観念が消え去った結果、好事家だけに向けられたアートでも、退屈なステレオ・タイプでもない場所に彼らは辿り着いている。驚くほどにピュアなその音に打ち震える会心作。(佐々木 健治)