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復活をアピールした『Kablammo!』からおよそ3年。北アイルランドの3人組が新作をリリース。多彩な楽曲が集大成を思わせた前作から一転、今回は、まずグランジ世代のパワー・ポップ/ギター・ポップ・バンドの矜持を印象づけたうえで、ダンス・ビート、ハード・ロッキンないなたいリフ、THE BEACH BOYS風のハーモニーを交え、抜群のアレンジ・センスを見せつける。「Incoming Waves」はピアノとアコースティック・ギターのシンプルなアンサンブルから壮大に展開するドリーム・ポップ・ナンバーだ。直球のパワー・ポップ・チューン「Buzzkill」では、同郷の大先輩であるTHE UNDERTONESのメンバーが客演するという、パワー・ポップ・ファンには嬉しいサプライズも。(山口 智男)
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"最後のアルバムとなる"と宣言した前作『Twilight Of The Innocents』のリリース以降も、"1年間、アルファベットの各文字のシングル曲を2週間毎に発表していく"という前代未聞の企画"A-Z Series"によりクリエイティビティを発揮したASH。8年ぶり、通算6枚目となる彼らのニュー・アルバムは、2分半足らずのパワー・ポップ「Cocoon」から始まり、ストリングスの音色が甘くも儚いアンセミックなナンバー「Moondust」、ダンサブルな四つ打ちビートを軸に展開される「Go! Fight! Win!」、90'sの懐かしさ漂う「Shutdown」やカレッジ・ロックな「Dispatch」など名曲揃い。多彩でありながらも、ひとつの作品としてまとまりがあり、アルバムというフォーマットの魅力を再認識できる1枚。(奥村 小雪)
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今年のフジロックで久々にASHのパフォーマンスを見たが、良い意味で昔と変わっていなかった。変わっていない部分とは、ともすれば無邪気なほどの、音楽に対するピュアな姿勢だ。そのスタンスがブレないから、いつでも瑞々しく、あの胸のすく繊細な旋律を奏で続けることができる。そんな彼らだからこそ、2週間に1度、デジタル配信&アナログで26曲を1 年間でシングル・リリースするという前代未聞な企画も有言実行できたのだろう。そしていよいよ、その『A-Z』シリーズの完結編、Vol.2 がリリースされる。Vol.1同様、全曲それぞれのスタイルでバラエティに富んだ内容はもちろん、これでもかってくらいASH節満載!曲作りからレコーディングにツアーと同時進行で制作されたというこのシリーズだが、その野心と勇気に心から拍手を送りたい。(佐々木 健治)
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ASHが取り組んできたA-Zシリーズから13曲をコンパイルした『A-Z Vol.1』。2週間ごとに一曲発表するというリリース形態自体、大きなチャレンジだったわけだが、様々なスタイルに挑んだ各曲のクオリティの高さはさすがASH。常にフレッシュな状態で活動を続けていなければ絶対に停滞してしまうだろうが、このコンピレーションのどこを切っても瑞々しくエネルギッシュな彼らの様子が伝わってくる。しかも、まだこれがシリーズの全貌ではなく、残り13曲もあるわけだから恐れ入る。正直、これほどASH の活動にワクワクするのは久しぶりだ。ベテラン・バンドが陥りがちなマンネリズムに堕することなく、これほどのポップ・ソング集を届けてくれたこと。どんな能書きよりも、このことこそが何よりも大切な事実だ。(佐々木 健治)