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LIVE REPORT

Japanese

"OSAKA GIGANTIC MUSIC FESTIVAL 2023" -DAY2-

Skream! マガジン 2023年08月号掲載

2023.07.23 @大阪 舞洲スポーツアイランド

Writer : 服田 昌子 Photographer:日吉"JP"純平、ヨシモリユウナ、キョートタナカ、渡邉一生、ハヤシマコ

前日同様、灼熱となった2日目は地元関西出身勢が序盤をけん引。COAST STAGEでreGretGirlが「ピアス」をはじめとする彼らの真骨頂、切ない失恋ソングで心を掴めば、直後に向かいのSKY STAGEでベリーグッドマンが「ライトスタンド」からの「ライオン」という強力クリーンナップでエールを贈り、観客は休む間もない状態に。また、flumpoolは海に近いSUN STAGEのロケーションを味方にして「君に届け」などを放ち、その爽快感はいつも以上。今回初出演のフレデリックも地元でのフェスとあり、煽りも十分に「ジャンキー」、「オドループ」と立て続け、真昼の大会場を熱狂させた。

そして2023年らしくSNSや動画サイトの人気者も活躍。初"ジャイガ"の川崎鷹也は滑らかなトークで和ませたかと思えば、代表曲「魔法の絨毯」では秘めた熱を広げて魅了。さらにTani Yuukiもセンチメンタルな「W/X/Y」をラストに置いて痺れさせ、途中のアッパーチューンでは人々を大いに跳ねさせた。ほかにもマルシィは浸透力の高いナンバーでティーンを夢中にし、Mr.ふぉるては直球のロックを鳴らして昨年の出演キャンセルのリベンジを完遂。闘病を語るマルシィの吉田右京(Vo/Gt)の目には涙も浮かんだ。また、DISH//は人気の「僕たちがやりました」や「猫」に加え、リリース前の新曲「HAPPY」も披露。聴き応えあるプレイとセットリストで大観衆を満足させた。フェスでしか体感できない音楽の魅力はZ世代も虜にしたに違いない。

一方、15時以降のSKY STAGEは百戦錬磨の3組が連続で会場を圧倒した。まずASIAN KUNG-FU GENERATIONは25年以上のキャリアの中から、名曲ばかりをセレクト。その響きはかつての焦燥と現在の穏やかさを見事に共存させ、締めくくりの「Be Alright」では彼ら流のチル・アウトも。続く[Alexandros]は「閃光」や「ワタリドリ」といった豪華な6曲で"ジャイガ"初参戦。ダイナミックなサウンドが生むスケール感は全員を弾ませ、本当に大地が揺れているような感覚に。さらにUNISON SQUARE GARDENは日没間近の心地よさに美しいメロディやハーモニーを混ぜながら、エッジーにもポップにもダンサブルにも。一気に約40分を駆け抜けた。

19時を過ぎると各ステージのトリが次々に登場。唯一の室内、BASE STAGEでは大阪発のカネヨリマサルが堂々のアクトで拳を突き上げさせ、初出演でトリの重責を果たせば、SUN STAGEのCreepy Nutsは攻めの姿勢でロックオンし、「のびしろ」のパーティー・タイムから「よふかしのうた」で盛大にフィニッシュ。COAST STAGEのマカロニえんぴつもキャッチーでエモーショナルな"マカロック"で疾走し、はっとり(Vo/Gt)の熱いMCでもファンの心を震わせた。そして最終は3年前のオープニング・アクトから大トリの夢を叶えた、SKY STAGEの優里。イントロから歓声が上がる「ドライフラワー」、大クラップを引き連れる「飛行船」、スマホのライトが星になる「ベテルギウス」、花火を背景に轟く「ピーターパン」など。全11曲、どの曲どの瞬間もまばゆく胸に迫り、まさに大団円で"OSAKA GIGANTIC MUSIC FESTIVAL 2023"は幕を下ろした。

この日、観客の声が戻ったフェスへの思いがあちらこちらで聞こえた。初フェスが2年前の"ジャイガ"だったTani Yuukiは"顔が見えなくて声が出せなくて。でも希望があったって言えるように......"と振り返り、[Alexandros]の川上洋平(Vo/Gt)は"イヤモニ外します。それくらいお前らの声が聞きたいです!"と、セットリストにない「Adventure」のコールをオーディエンスにリクエスト。ハッピー・ムードのライヴで大合唱を起こし、頭上で回るタオルの花も咲かせたsumikaの片岡健太(Vo/Gt)も"今年はあなたと一緒に歌えるね!"と笑顔を見せた。長いコロナ禍を乗り越えたからこそ感動もひとしおだった今年の"ジャイガ"は、訪れたすべての人の記憶にいつまでも残り続けることだろう。

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