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LIVE REPORT

Japanese

フジファブリック

2013.11.23 @Zepp Tokyo

Writer 岡本 貴之

全国各地のZeppを中心に、10月19日(土)の金沢Eight Hallを皮切りに8都市で行われてきたFUJIFABRIC LIVE TOUR 2013 "FAB STEP"のファイナル公演が23日(土)Zepp Tokyoで開催された。Zepp Tokyo 2daysの2日目となったこの日、会場に入ると早くも1階フロアはギッシリの超満員。変わらぬファンからの支持と、新生フジファブリックの活動が新たなファンも獲得していることを伺わせる。

場内が暗くなりSEが流れサーチライトが飛び交う中、メンバーがステージに登場すると大歓声が起こる。カラフルな幾何学模様をバックにしたステージで始まったライヴの1曲目はツアー・タイトルにもなっているEP『FAB STEP』の冒頭を飾る「フラッシュダンス」。暗闇の中で淡々と歌う山内総一郎(Vo/Gt)の赤いストラトキャスターからはじき出される軽快なリズムが、点滅するバックの模様とリンクしているかのようで気分を盛り上げる。続いてすかさず2曲目の「Hello」。金澤ダイスケ(Key)が奏でるイントロが鳴った瞬間、8色のライトがステージから天井に向かって伸びると、ドッと沸く観客たち。2段構えのオープニングといった感じだ。ダンス・ビートは続く「Mystery Tour」に引き継がれ、心地よいワウ・ギターが空気を揺らす。それにしても、満員のフロアは、踊ろうにも踊れないのでは?というほど人がギッシリだ。途中、加藤慎一(Ba)にスポットがあたり低音のビートが強調される。ここで山内はエレクトリック・シタールにチェンジ。"イェーイ!最終日だぜ~!最後まで楽しんで行って下さい!"と山内が最初のMC。

印象的なコンピューター・サウンドのイントロから始まった「パッション・フルーツ」に盛り上がる観客。サビのメロディに合わせて一斉に両手を頭上に掲げ手拍子。ギターのオリエンタルなフレーズも耳から離れないオリジナリティある代表曲だ。曲が終わると唐突に"ドラムBOBOさん!"とサポート・ドラマーのBOBOを紹介。MCを挟み披露されたのは映画・モテキのオープニング・テーマとしてヒットした「夜明けのBEAT」。ここまでで1番の盛り上がりの中、バック・ビートを強調したギター・リフとキャッチーなメロディを叫ぶ山内の姿は実にロック・スター然としている。間奏ではステージ前まで移動して、頭の後ろにギターを掲げてのギター・ソロ。"東京~!!"と叫ぶ山内に応える観客。このシーンは文句なしで鳥肌ものの格好良さだった。

「Splash!!」ではキーボード・ソロで鍵盤に足を乗せ煽る金澤。早弾きギター・ソロを聴かせた後は耳に手を当てサビのコーラスを観客に促す山内。ツアー最終日ということもあり観客も全力で応えているようだ。"昨日、DiverCityでRIP SLYMEがやっていて、間違えてこっちにきた人もいたみたいですね(笑)。今日はthe telephonesがDiverCityでやってますけど、こっちに来てくれてありがとうございます!"に笑いと拍手。アコギに持ち替えて「Drop」でスロー・ダウン。叙情的なオルガンの音色がノスタルジックな「Light Flight」へと続く。

"『VOYAGER』以降どんな音楽をやったらいいか考えているなかで、ライヴが本当に大切なもので力をもらっているなと改めて思いまして、よりライブを皆と一緒に楽しみたいということで"ダンス"というテーマを決めまして、それぞれが思うダンス・ミュージックを持ち寄りました。『FAB STEP』聴いて頂いてありがとうございます"とのMCに暖かい拍手が起こる。
MV撮影のエピソードから「バタアシParty Night」へ。ワウ・ギターのカッティングと派手な照明に煽られて、先程からしばらく静かに聴き入っていた観客が再び踊り出す。間髪入れずベースが鳴らすイントロにさらに爆発!「ダンス2000」だ。ベース、ドラムが作り出すディスコ・ビートと、キーボードのYMOを思わせるテクノ・サウンドがグルーヴィーに会場を揺らす。さらに観客をうねらせるかのように奏でられたキーボードのイントロに合わせて満員の観客から手拍子が起きた「Magic」。満員の場内のほぼ全員が左右に手を振る光景は実に壮観だ。

続いて「銀河」が始まると悲鳴にも似た歓声が挙がる。BOBOが激しく曲を前に押し出すように前のめりなビートを叩き出し、サビに合わせてフロアの観客が一斉に飛び跳ねる。どの顔も一様に心から楽しそうだ。"ありがとうございます!まだまだフジファブリック続いて行くんでよろしくお願いします!"との山内のMCから、「徒然モノクローム」。ハッピーなムードを会場に振りまいて一旦ライヴは終了。

ステージからメンバーが姿を消した瞬間からアンコールを求める手拍子が起こり、しばらくしてTシャツに着替えたメンバーがステージへ。アンコールは「ECHO」。間奏で山内のセミアコから繰り出されたエモーショナルなギター・ソロが胸に迫った。ギタリストとしての山内の技量を再認識させられる見事な演奏だった。"このツアー中に曲を作りまして、来年2月にシングルが出ます。「LIFE」という曲なんですけど、アニメ<銀の匙>のオープニング・テーマになります!"と発表。その流れで金澤がスプーン曲げを披露(笑)。"ライヴのステージでそんなことやる人、初めて見たよ(笑)"と山内に言われてしまったものの、スプーン曲げは見事に成功!観客からは感嘆の声が。この日MCで浸透した"両手のひらパクパク"ムーブも含め、終始MCで盛り上げた金澤だった。「流線形」では客席からペンライトが振られ、夜空を彩る星のような光景が見られた。

"来年、デビューして10年が経ちます。来年はフジファブリックから多くのものを届けられたらな、と思います。期待していて下さい"とのMCに大きな拍手が送られ、最後に歌われた曲は「STAR」。ライヴ・バンドとしての余裕と確かな演奏力、楽曲の良さ。そしてなにより、バンドとファンとの信頼関係がより幸せな雰囲気を最後まで作り出していた。"来年は期待して下さい!"とステージを去ったフジファブリック。もちろん、これからも多くの音楽ファンが彼らの音楽に期待していくはずだ。そんな求心力を強く感じるライヴだった。


【セットリスト】
1. フラッシュダンス
2. Hello
3. Mysery Tour
4. パッション・フルーツ
5. しかたがないね
6. 夜明けのBEAT
7. Upside Down
8. Splash!!
9. Drop
10. Light Flight
11. 透明
12. バタアシParty Night
13. ダンス2000
14. Magic
15. 銀河
16. 徒然モノクローム
-ENCORE-
17. ECHO
18. 流線形
19. STAR

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