Japanese
2014年08月号掲載
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メジャー・デビュー10周年を迎えたフジファブリック1年半ぶり、8枚目となるニュー・アルバム。先行シングル『LIFE』をアルバム・タイトルに冠している。10周年であり、志村正彦が急逝してから5年となる今年はメンバーはもちろん、ファンにとってもさまざまな想いが去来する年だろう。そんな想いが込められたのか、過去への記憶を辿るような静かなインスト曲「リバース」から始まるアルバムは、実直な言葉に満ちた記念碑的な作品。正直、バンドの中心人物を失っていながらここまで見事に"新生"することができているバンドをほかに知らないし、その音楽へ向かう揺るぎないパッションとメンバー間の強い結びつきには感動を覚える。(岡本 貴之)
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フジファブリック
FAB FIVE
メジャー・デビュー15周年を前にハナレグミとのバンド"ハナレフジ"の活動や、大阪城ホールでのワンマンを控えたフジファブリック。今作は、山田孝之がヴォーカル参加したことでも話題になった「カンヌの休日 feat. 山田孝之」など、いずれもタイアップありきの楽曲のコンパイル集。だが、この約1年8ヶ月の間に彼らが新たにアプローチした音楽性を一望するにはマストなパッケージ。特に映画"ここは退屈迎えに来て"の主題歌「Water Lily Flower」で、山内総一郎(Vo/Gt)のアルペジオが作るドリーミーでフォギーなイメージと、生音のバンド・サウンドが醸すフォークロアな力強さが融合した音像は新鮮。加藤慎一(Ba)作の「1/365」のELVIS COSTELLO & THE ATTRACTIONS風の粋なR&Rなど深くて新しい"FAB"な5曲。
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フジファブリック
ポラリス
2014年のメジャー・デビュー10周年、そして恋愛をテーマにしたコンセプト・ミニ・アルバム『BOYS』、『GIRLS』というひとつの区切りのあとにリリースされる今作。くるりやクラムボンらが独自に日本のポップ・ミュージックのクオリティを拡張してきたこととリンクするような、普遍性と先進性を感じる"大きな曲"が収録されている印象だ。金澤ダイスケが作詞作曲を手掛けた表題の「ポラリス」は、キーボードやストリングスなどが、疾走と共に揚力となってリスナーの気持ちを羽ばたかせる。アレンジによってここまで体感できるサウンドを実現したことが素晴らしい。カップリングの「PRAYER」は対照的にウォームなサウンドで、山内総一郎が腕を上げたペダル・スチールでまさに"祈り"を表現。バンドの幹の太さを感じる。
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フジファブリック
LIFE
メジャー・デビュー10周年を迎えたフジファブリック1年半ぶり、8枚目となるニュー・アルバム。先行シングル『LIFE』をアルバム・タイトルに冠している。10周年であり、志村正彦が急逝してから5年となる今年はメンバーはもちろん、ファンにとってもさまざまな想いが去来する年だろう。そんな想いが込められたのか、過去への記憶を辿るような静かなインスト曲「リバース」から始まるアルバムは、実直な言葉に満ちた記念碑的な作品。正直、バンドの中心人物を失っていながらここまで見事に"新生"することができているバンドをほかに知らないし、その音楽へ向かう揺るぎないパッションとメンバー間の強い結びつきには感動を覚える。
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フジファブリック
LIFE
デビュー10周年を迎える今年の記念すべき初シングルは、TVアニメ"銀の匙 Silver Spoon"のオープニング・テーマ。昨年のツアー"FAB STEP"ファイナル公演となったZepp Tokyoのライヴでアンコールとして既に披露されており、ファンにとっては待望のリリース。ギター・バンドのイメージが強いフジファブだが、イントロからBEN FOLDS FIVEの「Jackson Cannery」を連想させる軽快なピアノのリフがバンドを牽引し気分を盛り上げる。タイアップ用に書き下ろされた楽曲ということで、明るく瑞々しく躍動するサウンドが農業高校を舞台とした作品のイメージとリンクしているのはさすが。間奏で山内総一郎(Vo/Gt)が弾くカントリー調の速弾きフレーズ等、アンサンブルの妙で聴かせるバンドの魅力が凝縮されており、"グルーヴ"とはなんぞや?と教えてくれる1曲。
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フジファブリック
VOYAGER
『つり球』のオープニング・テーマ「徒然モノクローム」、『宇宙兄弟』のオープニング・テーマ「small Word」など、3人体制になって以降のシングル表題曲4曲全てが収録されたフジファブリックの7thアルバム。ポップなメロディ・ラインに力強いギター・サウンド。ライヴで聴いたら間違いなく一緒に歌いたくなる、まさにパワー・ポップど真ん中。更に、シンセサイザーの音を何重にも絡めながらもピアノ等のクラシックな音色も取り入れる複雑な音の構成は、長年ファンに愛された彼らの真骨頂だろう。前へ前へと突き進んでいくようなアップ・テンポでポジティヴな楽曲の数々。リスナーが息をつく間もない程ぎっちりと詰め込まれた今作は、3人体制になり、ひたすら前向きに突き進んできた彼らの姿をそのまま表している。
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