Overseas
PASSION PIT
2010.08.07 @千葉マリンスタジアム&幕張メッセ
Writer 沖 さやこ
仲間のパーティーに呼ばれたようなアットホーム感。終始そんな雰囲気だった。
DELPHICからSONIC STAGEのバトンを受け継いだのが、アメリカはマサチューセッツ州ケンブジッリを拠点に活動するPASSION PIT。今年発売されたアルバム『Manners』と来日公演も好評を博し、この日も彼らはオーディエンスに大歓声で迎えられた。
「Eyes As Candles」で幕開け。優しいシンセの音のイントロからサビへの高揚感が清々しい曲だ。サビではフロアとメンバーで大合唱。この場に居る全員が昔からの知り合い、気を許した仲間なんじゃないかと思うほどバッチリのコール&レスポンス。「Make Light」ではVo&KeyのMichael Angelakosのキンキン声が耳にからみつく。と言っても不快感はなく、寧ろその人懐っこい少年性を帯びた声に胸キュン。
とにかくお客さんがみんな“まったり”とライヴを楽しんでいるのが印象的だった。シンセが効いたポップで素朴でキャッチーなエレクトロポップ・サウンドに宿る絶大的な安心感。「Better Things」でのハンズクラップなんてまさにその象徴で、初めてPASSION PITの音楽に触れた人達までも“身内”にしてしまう、その等身大でありながら包容力のあるスタイルに惚れ惚れしてしまった。古い言葉で言えば、青春の1ページ。そんな空気感だ。
ピースフルな空気を絶やさず、ラストに演奏されたのはアルバム『Manners』の代表曲であり、PASSION PITのいいところを全部詰め込んだような名曲「Sleepy Head」。非常に純粋で優しい一体感がSONIC STAGEを包んだ。その一体感が悲しいくらいに美しくて、終わりが名残惜しかった。
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