オーストラリア出身のPENDULUM。ドラムンベースを軸とした、攻撃的なエレクトロ・サウンドは、ヘヴィ・ロック好きからニュー・レイヴ好きにまで、幅広く支持を獲得した。ドラマティックな歌心もしっかり備えているところも見逃せない要素だろう。
2008年に発売されたセカンド・アルバム『In Silico』に度肝を抜かれた人も多いはず。この日の主役、THE PRODIGYの影響を伺わせながらも、独自のドラムンベース道を突き進むPENDULUM。

バンドとしてのライヴではなく、DJセットでの登場となったこの日も、PRODIGYは別格として、PendulumのTシャツを着ている若者が多かった。
メンバー2人がブースに立ち、1MCがフロアを煽りまくる。
PENDULUMの音楽性同様、骨のあるドラムンベースを軸に、フロアをバキバキに躍らせるセット。そして、ステージ狭しと走り回りながら、まくしたてるラガ・スタイルのMCが何とも楽しい。

ドラマティックな上音が心地よい楽曲を選びながら、予想以上に重たさを感じさせないセットは、かなり踊りやすい。
正直、もうちょっとライヴのようなノリの選曲をしてくるのかと思っていたのだが、さすがドラムンベースのアーティスト。高速のドラムン・ビートの心地よさのツボをしっかりと押さえたDJに、フロアは縦ではなく、横にも揺さぶられる。
もちろん、「Different」「Propane Nightmare」、そしてラストの「Showdown」と、自身の楽曲でハイライトを作り上げながら、短い時間ながらインパクトのあるDJセットを披露してくれた。ずっといい雰囲気のフロアだったが、ラスト「Showdown」での盛り上がりは凄かった。

正直なことを言えば、バンドでのライヴを観たかったというのがもちろん本音なのだが、それでもこの日のDJセットについては、十分満足の内容だった。そして、満足の内容なだけに、バンドでのライヴも観てみたかったというスパイラルにしばらく陥ったのでした。