洋楽ポップスにルーツを持ち、3人ともヴォーカルを務める3ピース・バンド、Chilli Beans.の初フル・アルバム。彼女たちの名が知られるきっかけになった、Vaundyとの共作「lemonade」、「アンドロン」、そしてリード曲「School」をはじめ、抜け感があり肩ひじ張らない自然体な空気が漂うナンバーたち。だがRED HOT CHILI PEPPERSから取ったバンド名の"Chilli"のように、内面で燃えるソウルフルな想いが詞や演奏に滲む。14曲とたっぷり収録の本作では、低めの歌唱や"バカにされる筋合いもない"の言葉も印象的な「This Way」、危うげな繋がりをダークなムードで歌う「neck」など、より幅広い表情も見せ、セルフ・タイトルに相応しい聴き応え抜群の1枚に。
今年3月にリリースした、初のフル・アルバムにしてセルフ・タイトル『緑黄色社会』で、結成からの集大成となる色鮮やかな1枚を作り上げた緑黄色社会が、バンドの現在地を更新するミニ・アルバム『溢れた水の行方』を完成させた。キラキラとした音色に乗せて、エモーショナルな感情を綴ったリード曲「あのころ見た光」に始まり、カオティックな音像がスリリングに躍動する「Never Come Back」、生々しい切なさを繊細なピアノに乗せた「視線」など、それぞれに違う景色を描く全6曲。ロック・バンドという枠にとらわれない彼女たちだからこそリーチできる、伸びやかで自由なポップ・ミュージックに限界などない。バンド初期から大切に歌い続けてきた「Bitter」を再収録した自信作。