"別れ"をテーマとした1年半ぶりのフル・アルバム。今作はmajiko本人が、全曲の作詞作曲を手掛けている。亀田誠治をプロデューサーに迎えた表題曲は、別れは悲しいけれど、"愛を知った"ことを幸せだと歌うナンバーで、切ないほどに優しく響く彼女の歌声が心に染みる。MVの"大爆発"も必見だ。また、世界が終わる(かもしれない)日の最後の1分を描く「23:59」、冒頭でベース・スラップが炸裂するクールな「Once Upon A Time In TOKYO」、気だるげな色気のあるジャジーな「勝手にしやがれ」、"他人の幸せも喜べなくちゃ/それをみんなは人間だっていうのか"と問い掛ける「一応私も泣いた」など全11曲。それぞれのストーリーを声の表情で表現する、majiko渾身の1枚だ。
majikoの2019年第1弾となるEP。圧倒的な歌唱力と表現力は周知のとおりだが、ロックやヒップホップ、ジャズなど、どんなジャンルにもマッチする才能に改めて驚かされた。Michael Kanekoが手掛けた「狂おしいほど僕には美しい」は、本作の中で最も彼女らしいオルタナ・テイストの強いロック・ナンバー。引き裂かれるような痛みをその鮮やかな歌声に映し出し、心に潜む闇とのコントラストが強調された1曲。majiko自身が作詞作曲した「ミミズ」は、不安定で弱い自分を肯定するような歌詞が印象的だ。そのほか、GAGLEをフィーチャーした「Scratch the world」や2曲のカバー曲も聴き応え十分だ。ぜひ本作で彼女の色彩やかな世界観を感じてほしい。