Japanese
GIFTMEN
2024年07月号掲載
Member:高津戸 信幸(Vo) 内田 直孝(Vo)
Interviewer:山口 哲生
MAGIC OF LiFEとRhythmic Toy Worldが、2015年に結成した合同バンド GIFTMEN。両バンドのヴォーカリストである高津戸信幸と内田直孝に加え、岡田翔太朗(MAGIC OF LiFE)と須藤憲太郎(Rhythmic Toy World)の4MCによる8人編成での迫力あるパフォーマンスで話題を集めた彼らが、約3年ぶりに集結! 約9年ぶりとなる音源『おもちゃの魔法2』をリリースし、今年7月からスプリット・ツアー"それいけ!ギフトメン"を開催することになっている。バンドを代表して高津戸と内田の2人がインタビューに応えてくれた。
-約3年ぶりの集結になったわけですけども、このタイミングで集まろうとなったきっかけみたいなものはあったんですか?
高津戸:コロナ禍が明けて、みんな落ち着いたし、またやろうぜっていうぐらいの感じでしたね。意気込んで"このタイミングで絶対!"みたいな感じというよりは、流れでまたやろうっていう。
内田:あれって俺らの企画のツーマン("Rhythmic Toy World 10DAYS TWO-MAN LIVE「玩具大戦」")のときに話したんだっけ?
高津戸:そうだっけ?
内田:俺の記憶が正しかったらだけど、ライヴハウスで打ち上げをしているときに、別のスタッフの人と話していて、メンバーが喋っているほうに参加したら"来年GIFTMENやるから"って言われたんだよね。
高津戸:マジ!? もしかしたら俺もいないところで決まってたのかも......(笑)。
-話の出どころがわからないという(笑)。
内田:でも、前からやろうっていう話はしてたんですよ。
高津戸:そうそう。やりたいっていうのはもちろんあって。やっぱりこの8人で揃うと楽しいし。
内田:めちゃくちゃざっくりわかりやすく言うと、GIFTMENをやるにあたって4つ絡んでるわけですよ。MAGIC OF LiFEとMAGIC OF LiFEの事務所と、Rhythmic Toy WorldとRhythmic Toy Worldの事務所があって、その4つのベクトルが一緒にならないとやっぱりできないんですよね。その4つがGOのほうを向いたのがその瞬間だったので、一気に話が進んだっていう感じです。
-高津戸さんがおっしゃっていたように、コロナ禍も明けて、という。
内田:そうですね。今年はどうするか、来年はどうするかっていう活動が組み立てられるようになったから、現実的になったっていう感じですね。だから、わりとちゃんと考えているというか、真面目ではあるんですよね。ふざけてないんですよ、このバンド(笑)。
-(笑)高津戸さんとしては、もちろん真面目ではあると思うんですけど、ご自身にとってGIFTMENはどんな立ち位置というか、存在のバンドですか?
高津戸:そもそもGIFTMENをやりたいと思ったのが、Rhythmic Toy Worldと一生バンド仲間でいたいなと思ったからで。うちのドラム(岡田翔太朗)もリズミック(Rhythmic Toy World)のベース(須藤憲太郎)もラップできるよな、そしたらバンド組めるじゃん、みたいな。そのときはまだGIFTMENっていう名前は決まっていなかったけど、合同バンドでZeppツアーとかしたら楽しそうだなと思ったんですよね。そういう夢を語るために、リズミックのライヴの打ち上げに行って、声を掛けて、そこから事務所やスタッフのみなさまが賛同してくれて形になったんですけど、僕としては友達と遊んでいる延長みたいなところもあって。楽曲に関しても、MAGIC OF LiFEでも、Rhythmic Toy Worldでもできないような楽曲をやれると思ったので、音楽を無邪気に楽しめるというか。それを本気で真面目にやっているっていう感じですかね。
-内田さんとしては、最初に高津戸さんから一緒にやろうという話が来たときにどう思われましたか?
内田:結構二つ返事でしたよ。もう遥か彼方9年前の話にはなるんですけど、その当時って、DIRTY OLD MENというかMAGIC OF LiFEと、Rhythmic Toy Worldって、会うたびに化学反応を起こしているみたいな時期だったんですよね。僕らが一緒にライヴをすることで喜んでくれる人たちがめちゃくちゃいっぱいいるのが明確に見えている状況で。だからまだ見ぬ人たちに向けてというよりは、今目の前にいる人たち、普段から自分たちを支えてくれている人たちに新しい刺激、ワクワクみたいなものを提供するというか。そういうサプライズ・プレゼントみたいなイメージで、面白いなと思って。音楽的にも僕らだけ、マジック(MAGIC OF LiFE)だけでは無理な楽曲に挑戦できるだろうなっていうのも、単純にすごく楽しそうだなと思いましたし、作り手としてもプレイヤーとしても、どっちもドキドキワクワクしそうだなと思ったので、すぐに返事しましたね。細かいことは置いといて、やりましょう! っていう。
-先ほど高津戸さんが一生バンド仲間でいたいというお話をされていましたけども、内田さんはいかがです?
内田:僕も、バンド単位だけじゃないというか。僕もノブ(高津戸)ちゃんも、人付き合いがめちゃくちゃ上手いかと言われると、決してそうでもないと思うんですよね。かといって、別に下手くそなわけでもないんですけど。でも、プライドとはなんかちょっと違うんだけど、人にはあんまり見せない自分に対する自信のなさとか、臆病な部分みたいなものを秘めていて、お互いにそれがわかっちゃうというか。それが居心地良かったんですよね。無理をしなくていいというか。飾らなくていい、作らなくていい状態でいつも一緒にいられるヴォーカリストって、すごく稀有なんですよ。そういうところもあったので、ビビビッと来たから、まぁしょうがないといえばしょうがない......。
-(笑)高津戸さんも居心地が良かったですか? 似ているところがあるなっていう。
高津戸:居心地もいいですし、うっちー(内田)といるとやっぱり楽しいので、そこですかね。ヴォーカル同士で仲良くなれることってなかなかないし。これが対照的な者同士だったら、逆に惹かれあって......みたいなこともあるかもしれないけど、同族嫌悪になり得るような2人が、心の根っこみたいなところで繋がっちゃうっていう。あとはやっぱり、音楽人として尊敬しているところがデカいです。今回の『おもちゃの魔法2』で、4曲一緒に作ったんですけど、やっぱり内田直孝という人間は天才だなと思いましたよ。メロディももちろんですけど、歌詞を一緒に考えたんですよ、機材車の中で。
内田:レコーディング中にね。
高津戸:やっぱすごかったですよ。発想力もそうだけど、瞬発力もそうだし、仮で作っていたメロディをぶち壊してでもいいものを作るっていう。そういう自分にはない発想を、一緒に作ることで学べたり、彼の素晴らしさやすごさを感じることができるのは、他の人には感じられない贅沢というか。9年ぶりに一緒に曲を作って、男を上げたなと思いましたね。別に上から言ってるわけじゃないですけど。
-内田さんはいかがです? 高津戸さんに対して、音楽的な面とか、人間的な面で尊敬できるな、すごいなと思う部分ってどんなところがありますか?
高津戸:いや、そうやって言わせる感じはやめてくださいよ(笑)。
-すみません(苦笑)。
高津戸:僕は自発的に言ってますから。ない場合もありますからね?
内田:いやいやいや(笑)。なんだろう、結局同じようなことを感じてはいるんですけど......なんていうか、他者のことを気にせずに言うのであれば、万人に認められている、認められてないとか関係なく、僕自身、ヴォーカリストとかクリエイターとしての立場で言うと"こいつ天才だな"って思う人以外は好きになれないんです。これは悪い意味じゃないし、他を下げて言っているわけでなくて。たぶん、みんな天才って感じることってそれぞれあると思うんですけど、僕の場合は、形容できないなって思った瞬間なんですよね。"この人はこういうところがすごい"って説明できてしまったら、僕は天才じゃないって分けちゃうんですよ。
-なるほど。
内田:例えば"この人は努力の人だな"とか。努力していない人はいないっていう前提で話すんですけど、でもやっぱり努力型の人と、センス型の人って絶対に分かれちゃうんですよね。その努力をどう磨いていくのかで変わってくる未来があるというのは、みんな知っていると思うんですけど。でも僕は先天的な感じ、センスを持ち合わせているところにどうしても惹かれてしまうところがあるし、それを磨き続けている人だからこそ出会えているわけで。なのでそもそもそう思ってるんです、高津戸信幸という存在に対して。
-天才だと。
内田:そうですね。今回の曲だったら「Blah Blah」とかは、印象としては結構鼻歌レベルの状態というか、サウンド・アレンジをまだそんなにしていない段階で、なんとなく見えてくるところがあって。僕もアレンジしている身として感じるんですけど、結局そこって表現力の高さなんですよ。それがどんな簡易的なデモであっても、それにエネルギーがちゃんと込められていて、それがあるのとないのとではすごい違うっていう。それを9年ぶりに一緒に制作をしたときに、この感じ久々だなって思いましたね。9年前に「PARTY」と「Muzik!!!!!!!!」(2015年リリースの会場限定スプリット・アルバム『おもちゃの魔法』収録曲)を作ったときもそうだったなぁって、ちょっと笑っちゃう感じでした。
高津戸:ごちそうさまです!
-(笑)お話の中でも出てきましたが、9年ぶりの音源『おもちゃの魔法2』を先日配信されましたけども、GIFTMENではどうやって楽曲制作を進めていくんですか?
高津戸:今回に関しては2曲ずつ、うっちーと俺で提出して、メンバーでアレンジしていく感じでしたね。歌詞はMC陣がそれぞれ書くんですけど、基本は内田先生が主軸となってね(笑)?
内田:はははは(笑)。
高津戸:サビの歌詞は曲を提出した人がメインで書いて、そこから歌詞を広げていきました。
-高津戸さんが持ってきた2曲というと?
高津戸:「Beer!!!!!!!!」と「Blah Blah」なんですが、「Beer!!!!!!!!」のサビに関しては、うちのドラムの翔太朗君が9年前のツアー("真夏のサンタクロース~GIFT MEN~全国ツアー")の打ち上げで歌ってたメロディです(笑)。
内田:ははははははは(笑)!
高津戸:それを9年後にリメイクしたっていう感じですね。
内田:そうそう。巨匠がね、9年間誰も忘れることのないメロディを、あの一瞬で作り出したっていう(笑)。
高津戸:ぜひ、この夏お酒を飲む際には、あの曲を口ずさんでもらえれば。
-パーティー・ロックでノれる感じにしているのは、そのメロディがあったから、そっちの方向でまとめていこうと。
高津戸:そうですね。バカっぽい感じにしたいっていうのを、提出する際にメンバーに伝えて、という感じでした。
-内田さんとしては、「Beer!!!!!!!!」のデモを聴いたときに、"このメロディはあのときの......!"みたいな感じだったんですか?
内田:そもそも"「Beer!!!!!!!!」はやる"っていうところからスタートしたんですよ。今回の制作がスタートする前にミーティングをしたんですけど、そのときに「Beer!!!!!!!!」をどっちが担当するか? っていうことになって。そしたらノブちゃんが"ちょっとスカっぽい感じで行きたい"って言っていたのと、もともとのメロディを生み出した翔ちゃん(岡田)と、"「Beer!!!!!!!!」があれば大丈夫だから新曲を作ろう"って9年間言い続けていた山下拓実(Gt)君もいるので、MAGIC OF LiFEには。これはもうおまかせしようかなっていう。
-なるほど。最初にミーティングをされていたんですね。
内田:そうですね。そこでテーマ性を絞ったというか。GIFTMENは"真夏のサンタクロース"って言ってますけど、何をもって俺たちは"真夏"と言っているんだろうみたいなことを改めて話したんです。サンタクロースにとって真夏ってことは、単純に休みってことだよね? みたいな。じゃあ、休暇中のサンタクロースがやっているってテーマでやろうということになって、楽曲の方向性や内容が一瞬で決まっていった感じでしたね。衣装をアロハ・シャツに決めたのもそのときだったし。
高津戸:うん、そうそう。
内田:今回の音源も"夏"にフォーカスを当ててますし。「Beer!!!!!!!!」も、やっぱりビールとなるとビアガーデンとか、=夏みたいなところもあるので。あと、ライヴに遊びに来てくださる方って、ファン同士で終わったあとに小1時間ぐらいご飯に行ったりすることもあると思うし、そういうのも俺らと一緒だよっていう。結局演者もフロアも、音楽というものを楽しんで、仲間と語り合う瞬間が楽しいというのは変わらないんだっていうのをパッケージングできたら素敵だよねって。GIFTMENはそういう存在でいたいねっていうところもありましたね。
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