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INTERVIEW

Japanese

Wisteria

2024年06月号掲載

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Member:ミイ(Vo) 龍星(Gt) コウメ(Ba) リョウ(Dr)

Interviewer:フジジュン

23年9月、メジャー・デビュー第1弾として「インベーダー」、「ラブトレイター」の2曲を同時配信リリース。ライヴハウスを中心に、みんなを笑顔にするハッピーでポジティヴなロックを鳴らす男女混合4ピース・ロック・バンド Wisteriaが、1stミニ・アルバム『Come Here!』をリリースする。"Peaceful Days With You..."をバンド・コンセプトにパンク、ミクスチャー、エモ、ハード・ロックと様々な要素を取り入れた彼女らの音楽スタイルだが、5色入りクレヨンが並ぶようなカラフルさを持つ最新作は、Wisteriaの魅力が多角的に見えながら、根幹にあるロック・スピリットをしっかり感じることのできる意欲作。ミニ・アルバム『Come Here!』について、メンバー4人に話を訊いた。

-1stミニ・アルバム『Come Here!』をリリースするWisteria。昨年9月、デジタル・シングル「インベーダー」、「ラブトレイター」でメジャー・デビュー以降、心境や環境の変化はありましたか?

ミイ:いろんな人から"頑張ってね!"と言われることが多くなって、よりいっそう気合入れて頑張らなきゃ! って気持ちにはなりました。遠征も多くなって、大阪や名古屋や京都にライヴしに行くことも増えて。

龍星:それもあって、自分のためだけでなく、いろんな人のためにも曲を作ろうみたいなマインドに変化していった感じはありますね。その中にはもちろん自分のやりたいことも詰め込もうというところで取り組んでるんですが、最初の頃にたくさん失敗したからこそ学んだこともあって。今は自分のやりたいことをやりつつ、周りの人も喜ぶ曲を作りたいなって気持ちでやれています。

-今作に収録された「No Way」や「シグナス」は、以前からライヴでやってた曲を音源化したものですが。よりみんなに聴いてもらえるための工夫とか、変化もありました?

龍星:アレンジャーの大島(こうすけ)さんにアレンジしていただいたバージョンがだいぶ前にあって、ライヴではたくさんやってたんですけど、やっと音源にすることができて。みんなにいつでも聴いてもらえる状態になったぞっていう嬉しさがありますね。

-ではそれぞれ、ミニ・アルバム『Come Here!』が完成しての感想を聞かせてください。

リョウ:僕は『インベーダー』から、自分で曲を作るようになって。まだ作曲の知識や経験がめちゃめちゃあるわけじゃないんですけど、ミイちゃんと協力しながら、今までのWisteriaとはガラッとイメージが変わったような、より爽やかな曲を生み出そうって、ミイちゃんの歌詞の世界観とも細かく擦り合わせをしていきました。今回、1曲目に収録された「スイム」がその形でできた曲なんですが、みんなに"おっ?"と言わせるような曲になってると思うので、早くみんなに聴いてほしいという気持ちです。

コウメ:私は作曲も作詞もメインで携わってるわけではないんですけど。今回、特に歌詞を聴いてほしいなっていう曲たちになったなと思ってます。もちろんミイちゃんがメインでやってるんですけど、「スイム」もそうだし、先行配信した「ハレノヒ」もとにかく歌詞が好きで。自分たちの曲がこんなに好きになったことが、今までなかったくらい好きというか。とにかく歌詞を聞いてると、"はぁ♡"ってなるくらい思い入れがある曲たちになりました。

-「ハレノヒ」はすごく勢いもあって、最初聴いたときは「ハレノヒ」が1曲目でもいいかな? と思ったんですけど。繰り返し聴いてると、1曲目は「スイム」がしっくりきます。

ミイ:そこにはちょっと意図があって、「スイム」と最後の「シグナス」が......。

-ちょっと待って! そこは俺も気づいてました(笑)。全然アプローチの違う曲だけど、実は曲のテーマが繋がってるというか、歌ってることが一緒なんですよね?

ミイ:お~、素晴らしい! ちゃんと聴いてくれてて嬉しいです(笑)。それと「シグナス」が波の音で終わるので、"リピートで聴いたときにもう一度「スイム」に戻ったらめっちゃいいよね?"ってところで、1曲目と5曲目にしたんです。

-だから、2周目で聴いたとき、「スイム」の印象が全然違ったところもあったんですね。龍星さんはアルバムが完成しての感想はいかがですか?

龍星:僕はとにかく、こんなバラエティに富んだアルバムはなかなかないと思ってて。最初はラウドロックから始まったWisteriaだったんですけど、みんながやりたいことを積み重ねていって、ルーツのひとつであるメロコアっぽい曲も作れて、違ったジャンルのルーツもたくさん出せたので。どんな音楽が好きな人にも刺さるんじゃないか? って自信がありますし。聴く人にはいろんな楽しみ方をしてほしいなと思いました。

-龍星さんがギターを弾き倒してる「HELLO ANTIWORLD」とか、根源的なルーツも出てるけど、それを上回るポップさやカラフルさがあって。高校時代、龍星さん中心にバンド結成したときと比べたら、まったく違ったものになってきてるんじゃないか? と思うんですが。

龍星:Wisteriaって、もともとはもっとダークな音楽性だったんですけど、3代目のヴォーカルとしてミイちゃんが加入して、作詞もメロディをつけるのもできるので、曲作りに携わってくれるようになったことで曲の幅がすごく広がって。今回もこのメンバーじゃなければできなかった曲たちだなって思います。僕も曲を作るとき、"このフレーズをミイちゃんが歌ったらいいな"って発想があったりして、「シグナス」も"海が見える街に行こう"ってフレーズから膨らませていくとき、ミイちゃんが歌うのをイメージして作りました。

-ミイさんはミニ・アルバムができあがっての感想はいかがですか?

ミイ:今回、意図したわけじゃないんですけど、夏っぽい曲が揃ったなと思って。私が夏がすごく好きだから、それがふっと表れてしまったのかな? とか思ったし、夏にリリースできるのもタイミング良くて、すごく嬉しいなって気持ちがあるのと。『インベーダー』から、歌詞を書くときに自分の経験をもっと交ぜながら書いてみようというのを取り入れてて、今回も全曲、自分が日々思うことや日常経験を入れてるので。ちょっと恥ずかしいなって気持ちもありつつ、改めて歌詞を見ていると"みんな経験してることなのかな?"と思って。それぞれの感じ方で聴いてほしいし、その中で共感できることがあったらすごく嬉しいなと思いながら作りました。

-"海"とか"太陽"とか、夏をイメージさせるワードもたくさん出てきますし、夏をイメージするエネルギッシュな曲調も多いですが、それってバンド・コンセプトである、"Peaceful Days With You..."にも通ずるところだなと思いました。

コウメ:バンド・コンセプトを表立って言うようになったのは、1年前くらいなんですけど、コンセプトを掲げるようになってから、自分たちの進む方向性みたいなのが徐々にできつつあって。今回のミニ・アルバムを通して、"これで行こう!"という確信みたいなものが生まれたし、"Wisteriaはこれだ!"というのが見えたし、自信に繋がりましたね。「HELLO ANTIWORLD」みたいなロック調の曲もあれば、「ハレノヒ」みたいな爽やかだけど歌詞が心に残る曲もあったり、「スイム」みたいなポップな曲もあったり、私たちのいろんな面が見える作品になったと思うし、とにかくお気に入りです。

リョウ:今までライヴやSNSで発信し続けてきたのは、"ジャンルにとらわれない"ってことだったんですが、今作を聴いて、"ホントにジャンルにとらわれないバンドなんだな"っていうのがわかると思うし。ミイちゃんの実体験をしっかり詰め込んだ歌詞がすごく多いので、歌詞を読んでてもすごくのめり込める楽曲になっていて。より自分を落とし込める歌詞になってるから、"あのとき聴いてたWisteriaの曲"みたいな感じで、みんなの心に残ってもらえればと思っています。