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INTERVIEW

Japanese

インナージャーニー

2023年07月号掲載

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Member:カモシタサラ(Vo/Gt) 本多 秀(Gt) とものしん(Ba) Kaito(Dr)

Interviewer:石角 友香

-「グッバイ来世でまた会おう」とは主人公の置かれてる状況も違うだろうし、人生ってそういうものだと思うので。そしてまたひと皮剥けたなぁと思ったのが「夜が明けたら私たち」なんですけど、スケールの大きな曲ですね。

カモシタ:でっかい。たしかにそうですね。

-王道と言えば王道なんですけど、インナージャーニーらしさもあって。

本多:すげぇ難しかった記憶があるんだよね。

Kaito:この曲が一番、アレンジは時間かかった記憶があります。

-その難しさってなんなんでしょうね?

とものしん:別に難しいことやってるわけじゃないし、自分でも難しいことやったわけじゃないんですけど。

カモシタ:サビとかがないから?

Kaito:構成がわりと自分たちの中でも曖昧って言ったらあれですけど、はっきりしてなかったんです。最初はどこがサビなのかも認識がバラバラだったので、メンバーの共通認識としてここは盛り上げようとか、そこをまず探ったり。その擦り合わせがわりと大変だった感じですかね。

とものしん:演奏面で盛り上がるところもガーッて上がるわけではないし、大人の盛り上げ方というか、なんか難しかった気がする。

-情景がはっきり浮かぶ歌詞なので、心情としてつまずきがないんですよ。だから別に大きな山がなくても引っ張っていかれるというか、そんな気がしました。

カモシタ:あぁ。

-別れとか旅立ちみたいな場面を感じるんですけど。

カモシタ:これを作ったきっかけが、ネパールの民族の女の子たちが結婚するときに、山で暮らしてたんだけど、他のところに行かなきゃいけないみたいな話が題材の映画を観て。いきなり自分の意志とか関係なく行かなきゃいけないっていうこととか、しかも自分たちよりも遥かに若い年齢の女の子たちがそういう状況に置かれているのかと思って。すごいいろいろ考えながら練りに練って作った曲ではあるんですけど、その中でも暗いまま終わるんじゃなくて、ちょっとでも希望を見いだしたいみたいな気持ちで作りました。

-なるほど。自分事として聴けました。

カモシタ:あ、そうですか?

-旅立つときには絶対不安があると思うんですけど、"でも進まねば"みたいな。

カモシタ:そうなんです。ありがたいです、そう言っていただけると。

-乗り物で移動していく系の音楽になってるし。

カモシタ:うん(笑)。車窓からの景色が見える感じ。これ聴きながら移動してほしい。

-まさに。「ラストソング」もUKな感じがしたんですけど、着想は?

カモシタ:これは曲に関しては本当にUKな感じを目指したんですよ。SUEDEっていうアーティストがすごい好きで、ちょっとそれっぽくしたいなぁっていう気持ちがサウンド面ではあって。歌詞は"なんで今、歌ってるのか"っていうところから考え始めて、聴いてくれてる人の安心する場所というか、ライヴハウスもそうなんですけど、音楽があれば居場所はあるな、みたいな気持ちになってくれたら嬉しいなぁと。歌があることに意味を持たせたかったっていうか、それを考えながら作りました。

-どういう意味で"ラストソング"なんですかね。

カモシタ:なんでラストにしたのか......。最初書いたときはライヴの最後をイメージしてて、最後の曲で終わったときになんか残るものがあったらいいなと思って。人生――また"人生"とか言ってる(笑)。人生もそうだけど、終わりに向かっていっても、なんか残るものがあればいいなみたいな気持ちでずっと生きているっていう感じはあって。それがそうなんですかね、"ラストソング"、曲でもそうだしみたいな感じでは。

-EPのタイトルは「ステップ」の仮タイトルがそもそも"いい気分さ"だったと。

カモシタ:そうですね(笑)、"いい気分さ"はなんでできたの?

本多:「ステップ」作ったときにいい気分だったから。深い意味じゃないんだよ。なんか楽しいなっつって、"いい気分さ"ってタイトルを仮で付けて。

とものしん:曲作ってた段階では"いい気分さ"だったんですけど、レコーディング当日ぐらいで"ステップ(仮)"に変わってて、"いい気分さ"じゃなくなっちゃって。結構気に入ってたんで、EPのタイトルどうしようか? ってなったらふざけた言葉ばかり出てきちゃったから、"いい気分さ"を消すのもったいなくない? って言ったら、"たしかに!"ってなったんですよね。あんまりこの5曲に関係ないっちゃ関係ないかもしれないけど。

カモシタ:まぁでもこれ聴いてね? いい気分になってもらえばいいんだっていう(笑)。いい気分になれる曲ではないか、全部。でも"いい"にもいろんな意味がありますしね。いろんな気分になってもらえたら、それが結果いい気分に繋がるんじゃないかっていう。私はそう思います。

-どうなんだろうね? みたいなことも含めて、今4人の中で自由度が上がってるんじゃないですか?

カモシタ:たしかに。

-お互い自主性を尊重する感じがすごくするので。

とものしん:自主性を尊重するっていうのは、お互い仮に止めたときに、止められるのめちゃくちゃ嫌だろうなっていうのが根底にはありそうな気がするんですけど。

カモシタ:しかも取っ散らかってこそのインナージャーニーだと思うので。それが変に"ここ目指そうぜ!"ってなっても違う気がします。