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INTERVIEW

Japanese

B.R.T(Blue Rock Thrush)

2023年05月号掲載

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Member:G1(Vo) GON(Gt) 8K(Ba) SAY(Dr) IKU(Key)

Interviewer:山口 哲生

-G1さんとしては、最初にどういう曲にしようと思って作り出したんです?

G1:日本に来て4年目になったんですけど、ずっと少年の気持ちで行きたいなと思ったんです。少年の頃って、何かを選ぶときももっと簡単に選んでいたし、自分はこれが好きだからこれをすると思って動けていたけど、歳をとって大人になると、何かを選ぶときにすごく考えてしまったりとか。寂しいとか悲しい気持ちから涙を流すこともあるけど、少年のときは、その涙にも"これからも頑張っていこう"っていう強さがあったんじゃないかなと思って。だから、これからも年はとっていくけど、ずっと少年の気持ちでB.R.Tをやっていきたいなという気持ちで書きました。

-強い思いをはっきりと打ち出しているのもあって、歌詞もすぐに書けました?

G1:書けました。でも、最初は今のメロディとちょっと違いました。IKUが"人が聴いて印象に残るものがあったほうがいいんじゃないか"と話していて、サビのメロディをもっと上げてみようって。

IKU:この曲がタイトル曲になるんじゃないかなと思っていたので、もうちょっと聴いたときのインパクトがあって、ファンの人とか、僕らの曲を初めて聴いた人が、いいねって思うようなものにしたいなと思って。それで、やっぱりG1さんの声の一番の長所は、めちゃくちゃ高いところまで出るところだから、そこを入れたほうがいいんじゃないかと思って、そういうメロディにしました。

-IKUさんとしては、ご自身のパートを編曲するにあたって考えていたことというと?

IKU:おしゃれすぎるとダメだなと思ってました。「この曲の終わりに」は、なるべくおしゃれな感じになるようにピアノのアレンジを考えたんですけど、「少年は泣かない」はそもそもタイトルもそうだし、歌詞としても、おしゃれでいっぱいいろんなことを考えたフレーズは曲と合わないなと思って。悪く言うと、トンチキみたいなところも入れつつ、わかりやすいもの、少年の心を感じられるフレーズを考えていきました。

-GONさんはギター・アレンジする際にどんなことを考えていましたか?

GON:僕もこれがタイトル曲になるのかなと思って、いろいろ加えたり外したりしてました。今の形は、歌詞はどストレートな感じですけど、ギターは後ろでいろいろな工夫を入れていて。例えば鳥が飛んでいるような音とか、いろんな音を入れているので、どんな音が入っているのか探しながら聴くのも楽しいんじゃないかなと思います。

-ドラムは軽やかに弾む感じ気持ちいいですけども、SAYさんとしてはどう楽曲に臨みました?

SAY:これまでの曲の中で一番テンポが速いし、ああいうドラムを叩いたことがなかったので、ちょっと心配でした。それでドラムの先生にいろいろ相談して、録音するときも来てくれたんですけど、テクニック的なフィードバックを貰おうと思っていたら"元気出して叩いて"って言われて、"あれ?"と思って(笑)。

-(笑)でも、たしかにすごく大事な部分で。

SAY:そうです。元気というのが本質的な言葉だったかなと感じて。やっぱり叩いたことのないドラムだったので、レコーディングするときに結構緊張してたんですよ。大丈夫かな......って。それで、シンプルな演奏ではあるんですけど、走っているようなイメージを大事にして、元気良く叩きました。"飛び出し注意"って書いてあって、ちっちゃい男の子がいる看板ってあるじゃないですか。

-あぁー! ありますね(笑)。

SAY:ああいう小さい子供とか、自分の小さい頃を思い出しながら叩きました。"元気"が一番のキーワードでしたね。

-8Kさんはいかがでしょうか。歌詞を読んで感じたことや、アレンジする際に考えていたことというと。

8K:最初に歌詞を読んだときは、めっちゃ少年だけど、いろんな感情を持っている少年だなっていうイメージがあって。それってどんな少年なんだろうと思ったら、やっぱりG1のことだなと思ったんです。なので、普通の少年じゃなくて、少年のG1のことを考えながら、リズムやコードを考えていきました。あと、2番のA(メロ)からは、G1とふざけながら笑っているところとか、ふたりとも少年になって遊んでいる感じで(声を)録音したりしていて、朝から元気を出したいときに聴くといい曲になったと思います(笑)。

-途中で歌とベースだけになるところもいいですね。

8K:あそこは、遊んで家に帰ってきて、ちょっと寂しくなった少年みたいなイメージです。両親が忙しくて、家でひとりになることもあるだろうし、めっちゃ楽しいことがあったあとでひとりになると、寂しい気持ちがもっと強くなるじゃないですか。それでコードをアルペジオで弾いてみたんですけど、"火を消して"のところはコードをちょっとずらして、気持ちがちょっとわからないような感じを表現したくて、あの形になりました。

G1:本当に8Kが言った通りで、A(メロ)とサビは少年の気持ちでいきたいっていうことを書いているんですけど、B(メロ)は現実で、ひとり部屋で泣いているような感じ。でも、泣いてはいるんだけど、その涙には意味がないんじゃなくて、キラキラしている星のイメージで歌詞を書いていて。だから本当に言った通りですね。僕もあそこのベース・ラインは大好きです。

-ただ元気なだけではなく、歌詞にはちょっとした切なさや悲しみは入れようと考えていたんですね。

G1:そうですね。少年でいきたいという気持ちもあるんですけど、年をとって、例えば鏡を見たときとか、前までできていたことができなくなったりしたときに、ちょっと感じるものがあるじゃないですか。そういうことって、小さいときにも近いことがあったんじゃないのかなって。少年って、ひとつ決めたことがあったら、そこに向かってバー! っと走っていきたいけど、ちょっと自信がなかったり、周りの環境でできなかったり。そういう、いろんな理由があってできない現実があるというのは、少年も大人も一緒なんじゃないかなって。そういう自分の本当の気持ちを、B(メロ)で静かに言いたいなと思っていました。

-それがあるからこそ、曲で伝えたいメッセージも深まりますし。

G1:そうです。だからもう行こうよ! みたいな感じですね。

-ミニ・アルバムには既発曲も収録されていますが、「말할게 -MALHALKE- 12月24日」(2022年デジタル・リリースの4thシングル)は、「MALHALKE (Japanese ver.)」にリアレンジされていますね。

8K:ファンのみなさんが好きかなと思って、日本語で録音し直しました。

IKU:この曲は僕が作ったんですけど、日本語バージョンを初めて聴いたときにびっくりしたんですよね。歌詞が日本語になったことでリズムも変わったし、メロディも新しくなっているから、本当に不思議な感じがして。ファンのみなさんが聴いたときも、こういうふうになったんだっていう楽しみがあると思います。

G1:僕としては、今ちょっと心配してます。これまでは韓国語で歌っていたんですけど、これから日本語で歌うことを考えたら、混ざっちゃいそうでどうしようって。

8K:日本語バージョンを録音したあと、ライヴで韓国語のほうを歌おうとしたときに、このメロディはどっちだったっけ......って。頭が真っ白になりました(笑)。

G1:だから、今半分は心配です(笑)。

-(笑)「花粉症」と「Forever」については、リリースされた際にインタビューさせていただきました(※2022年7月/9月WEB掲載)が、1stシングルとして発表された「Through the Night」についてはまだでしたので、この曲についてもお聞きできればと。

G1:「Through the Night」は、日本に来たばかりのときに作った曲です。そのときはまだ事務所に入っていなかったから、僕たちだけでライヴをしに行っていたんです。新宿3丁目にあるライヴハウスに行って、ライヴをして、歩いて家に帰っていたんですけど、その帰り道の途中で、"明日はもっとできる......明日はもっとできる......"と思いながら帰っていて。