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INTERVIEW

Japanese

HIGH BEAM RECORDS

2021年01月号掲載

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HIGH BEAM RECORDS:秋山 琢磨(代表)
PICKLES:RURI(Vo)
フラスコテーション:佐藤 摩実(Vo/Gt)
GAROAD:田伏 ユージ(Vo/Gt)
インタビュアー:宇田川 佳奈枝 Photo by うつみさな


-ちなみに秋山さんから見てPICKLESは?

秋山:普通にライヴ観て感動して泣いちゃうこともあります。"今日のライヴしょうもなっ!"ていう日もありますけどね。

RURI:自分たちでもいいライヴしちゃったな~ていう日は、社長とも意見が一致するんですよ。

秋山:そのへんの価値観は合ってきたよね。"今日は30点だったね"っていう日は、RURIも"はい......"って。

RURI:すみません......って。

-ライヴ後にすぐそういう話を各バンドとされてるんですね。田伏さんは秋山さんから言われて嬉しかったことはありますか?

田伏:レーベル入る前によくライヴを観てくれてて、曲を褒めてくれてました。それは嬉しかったですね。レーベルに入る前なのに"あの歌詞変えたほうが良くない?"なんてアドバイス貰ったこともありましたね(笑)。

秋山:何言ってるかわからない歌詞があったんですよ。あと。ボリューム・ペダルの位置とか気になっちゃって。

田伏:(笑)すげぇ見てくれてるんですよ! そこまで見てくれる人って珍しいですよね。

-本当にそう思います。では、そろそろ「ハウル」のお話も聞かせてもらいたく、これってかなりライヴを意識した曲ですよね?

田伏:この曲はわかりやすいシンプルな曲を作ろうって思って。いい意味で裏切ったりするんじゃなくて、ライヴを観てスッと入ってくるように。

秋山:ちなみにコーラスにSomari(※2020年12月からレーベルに所属)が参加してるんですよ。レコーディングのときに近くにいる人おいで~って呼んで。あと、THE リマインズのドラム(よしかず)も来てくれて。

RURI:えー、なんで呼んでくれへんかったんやろ? ここのガヤとか......。

田伏:遠いでしょ(笑)。あと、これマコトは参加してないですからね。Somariにはその場でサビのメロディ歌ってって言って。

秋山:なかなか覚えてくれなかったね(笑)。

田伏:そうそう。何度かこっちじゃないんだよね......って。

-"今までずっとこれからもっと/戦いの日は続いてくだろう"という歌詞に、私自身とても強く頷いてしまいました。結成10周年を迎えるバンドだからこそ説得力がある感じですね。

田伏:この10年間で感じたことをそのまま素直に書いてます。この10年うまくいかないことのほうが多いですし、うまくいってたら売れてたと思うんで。とはいえ、この10年バンドを続けてきて良かったな~って。だから今こうやって琢磨さんと一緒にやれてるから。

-歌詞がとにかくストレートですよね。RURIさんと佐藤さんもかなり刺さるんじゃないですか?

RURI:私とすごく似てるというか、ここまでストレートに歌っちゃうのはすごいなって。GAROADやからできることやなと。私たちも長くやってるからこそ歌える歌詞がありますし。

佐藤:私は初めて聴いたのは先日のライヴのときだったんですけど、ずっと頭に残ってて。キャッチーで覚えやすくて、歌詞もバンドを10年やられてるから書ける詞であって。今の私には書けない。

秋山:10年もがいてるバンドだからこそ書ける曲だよね。

田伏:もがいてて良かった(笑)。いい曲できました。

-ちなみに今回制作するにあたって、秋山さんからオーダーはあったんですか? 統一感があってみんな同じ方向を向いてる気がしたので。

秋山:結果的にポジティヴなバンドにしか声掛けてないんだと思います。僕自身がそういう気持ちのバンドじゃないと心動かされないというか――不器用な不完全なバンドが好きなんですよ。そういうバンドが表に出て、人に聴いてもらえる機会を作れたらっていうのがコンセプトでもあるので。

-なるほど。HIGH BEAM RECORDS所属以外で、この曲が好き、特に推したいというのをうかがいたいのですが、おひとりずつ教えていただけますでしょうか?

佐藤:私はホロトニアですね。聴いたときに"お! すごいな"って。琢磨さんが曲順にこだわってるの知ってるので、ホロトニアが1曲目なのは納得だし、そこは譲るよって思いました。

秋山:でもさ、ホロトニアの打ち上げのイメージ良くないよね。特にヴォーカルのはせしょが。って、佐藤が言ってたって書いておいてください(笑)。

佐藤:えぇ、1回しか対バンしたことないのに(笑)。ホロトニアは自分らのツアーで出演してもらって、フィナーレがきれいすぎて"すごい......"ってなったんですよ。だから打ち上げではいっぱいお話を聞かせてもらおうってなってたんですけど、うぇ~い! って感じで――ただ少しは音楽のお話ができたので良かったです(笑)。

-(笑)じゃあ、ホロトニアの次に自分たちが来てるのは余計に嬉しいですね。

佐藤:ホロトニアからフラスコテーションの曲が繋がってるというか。この位置ですごくしっくりきました。

-田伏さんは?

田伏:僕はGo→STRAIGHTですかね。すごくわかりやすい曲で、ライヴの展開も想像しやすい。たまに他バンドのライヴでサビ来るかな~って手挙げたら違って恥ずかしい思いをすることあるじゃないですか(笑)。そういう裏切りがいい意味で一切ないわかりやすさがありますよね。これは対バンしたときに楽しいなって想像できました。

秋山:彼らはね、"琢磨、これ好きでしょ?"っていう感じで曲持ってきてるのが勝手に伝わってきた(笑)。ヴォーカルが僕と同世代で、聴いてきた曲や生きてきた道がすごく似てるからね。

田伏:僕らとの相性が良さそうだなと。

-本当にそう思います。RURIさんは?

RURI:決められないんですけど......バンドをよく知ってるからいいなって思うのは、彼岸とpressureですかね。安定していいな~って。何も知らない状態で聴くと、Bonnet Monkeyですかね。まだお会いしたことはないですけど、曲がシンプルに好きだな~って。

-わかります。最後に秋山さんはどのバンドですか?

秋山:唯一ライヴ・バンドじゃない人たちが交ざってまして――yarn.は2020年結成のバンドで正体は明かせないんですけど、こういう世の中になったからこそ結成されたバンドで。彼らの曲はこのV.A.が初出しになるんじゃないかな。ただ、ライヴをやるバンドではないので、今回のツアーには出ないんですよ。

田伏:本当に謎のままですね。

-では、ツアー(1月10日より開催する"「V.A. ULTRA HIGH BEAM 2021」Release Tour")のことも訊かせていただきたく、秋山さんがライヴのことを"呼吸をすることと等しい"と歌詞カードに書いてたのがすごく素敵だなと。ツアーへの意気込みだけでなく、ライヴへの想いなどうかがえたら嬉しいです。

佐藤:ツアーに回ること自体が1年ぶりで、すごく久しぶりという感覚が逆に新鮮というか。リリースとツアーの繰り返しが当たり前だったので、みんなと比べてライヴは数えられるほどしかしてないんですけど、知ってる仲間たち、これから出会う仲間たちとライヴができるのが単純にめちゃくちゃ嬉しいなっていう感情が一番大きいです。これでまた成長できるきっかけというか、今は刺激がないというか......。

秋山:え、ドMなの(笑)?

RURI:めっちゃ求めるやん(笑)。

佐藤:いや(笑)、なかなか自分たちからはぶつかりにいけないんで。楽しくできたらいいな~って思ってます!

田伏:そうですね。EP出してまだツアーも回れてないので、レーベルメイトと一緒にツアーできるのが本当に楽しみです。今回のツアーでは僕らが行ったことのない町もあるので、新鮮で、初心にかえってシンプルにワクワクしてます。あとはまぁ、大人の余裕で楽しんできます(笑)。ツアーを終えて、みんなで"やって良かったね"って言えるよう僕らも頑張っていきたいです。

RURI:今の(コロナ禍の)状況が長すぎてMCで同じようなことを言ってて――正直もういいんちゃうかな? って思うこともあって。もちろん引き続き万全な対策をしてライヴをしていかないといけないんだけど、私にとってツアーを回ることはとてもポジティヴなことなので。他のバンドと一緒にライヴができて、PICKLES単体で行くツアーより、自分自身も成長できるんじゃないかなって思ってます。

-ほんとそうですよね。みなさんの想いを受けて最後、秋山さんに締めてもらいましょう。

秋山:最初は東京と大阪でできたらって思ってたんです。けど、バンドを推薦してくれたライヴハウスからぜひやらせてほしいって話をいただいたり、中にはこのV.A.に参加しているバンドがいない町のハコもあって。参加するバンドにもハコにも開催の判断は各々にお任せしてたんですが、どの公演もあちらからいい返事を貰って。正直、明日どうなってるかわからない世の中で、何が正しいのか答えがない。このツアーは僕らなりの正解を作るツアーだと思ってます。

-はい。

秋山:HIGH BEAM RECORDSは2020年ただがむしゃらに曲を作ったんです。4バンドすべてが新譜をリリースして、最後締めにV.A.を作って。ただ4バンドともにリリース・ツアーをやれてないんです。今やってるPICKLESのツアー([PICKLES 1st Album「どんナモンJAY!!」"リリースツアーをやる前ツアー"])も、どのハコもこちらから声掛けしたところがなくて、すべてハコ側の気持ちで動いてるプロジェクトなんですよ。だからこそ僕+4バンドを中心にして動く今回のツアーを正解にしなきゃいけなくって。ファイナルが終わったときにはやっと2020年にリリースした作品のリリース・ツアーができるのかな? これが失敗するかもしれないですが――正解にしていきたいツアーですね。

田伏佐藤:そうですね。

RURI:うん......知らんけど(笑)。

一同:ははははは(笑)。

LIVE STREAMING INFORMATION
"「V.A. ULTRA HIGH BEAM 2021」 Release Tour"

1月10日(日)<東京編> 新宿ACB
1月22日(金)<愛知編> 名古屋 MUSIC FARM
1月24日(日)<大阪編> 心斎橋 CLAPPER
2月20日(土)<高知編> 高知 BAY5 SQUARE
2月21日(日)<兵庫編> 神戸 KINGSX
2月23日(火)<三重編> 鈴鹿 ANSWER
2月27日(土)<宮城編> 仙台 RIPPLE
2月28日(日)<山梨編> 甲府 Feel Rock Café
3月6日(土)<山形編> 酒田 MUSIC FACTORY
3月7日(日)<新潟編> 新潟 RIVERST
3月13日(土)<長野編> 駒ヶ根 NIRVASH
3月14日(日)<茨城編> 水戸SONIC
3月20日(土)<FINAL> 新宿ACB

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