Skream! | 邦楽ロック・洋楽ロック ポータルサイト

Skream! 公式X Skream! 公式YouTube Skream! 公式アプリ

INTERVIEW

Japanese

AIRFLIP

2021年01月号掲載

いいね!

Member:Satoshi(Gt/Vo) Gucci(Gt/Cho) Fujimon(Ba/Cho)

Interviewer:荒金 良介

みんなでひとつの目標に向かうという意味を込めて、このアルバム名にしました。それが今の情勢にもぴったり合うと思ったから


-そして、今作のサウンド・プロデューサーにKubotyさんを迎えてますよね。声を掛けた理由を教えてもらえますか?

Gucci:もともとKubotyさんとはよく喋ってて、最近いろんなバンドのプロデュースもされているので、急遽入ってもらうことになったんですよ。そこで音やフレーズはもちろん、ギターだけに限らず、メロディや曲全体に対しても関わってもらいました。あと、ギターのテックの人についてもらい、音作りだけでも2時間ぐらいかけられたんですよ。他のパートがスムーズに進んだおかげで、ギターはすごく満足のいく音になってます。

-目指したサウンド像というと?

Gucci:僕はハイゲインという歪んだ音が好きで、輪郭が目立ちにくいんですけど、ハイゲインでも埋もれないような音を心掛けました。録り音も良かったですね。

-他にKubotyさんから何かアドバイスは受けました?

Gucci:ギター・ソロでなかなかアイディアが浮かばなくて、Kubotyさんと一緒にレコーディング中に作ったものもあります。自分では絶対に出てこないフレーズが山ほど入ってますね。

Fujimon:曲の構成についても、ここはあったほうがいいとか、いろいろとアドバイスを貰ったんですよ。なので一曲一曲しっかりと詰めることができました。今の時代は曲が短いほうがいいんじゃないと言われて......僕らの曲は基本的に短いものが少ないから、それが最初にも言ったようにライヴを意識するところにも繋がっているんですよ。そこは勉強になりましたね。

Satoshi:僕も同じでギターの音作りや、構成は相談させてもらいました。僕らは3分台がスタンダードで、昔は5分台の曲もありましたからね。

-楽曲の随所に合唱コーラスも散りばめられてますが、そこもライヴを意識した部分が大きい?

Satoshi:そうですね。今回も引き続き入れたくて。ただ、こういう要素を盛り込んでも、今はライヴでやりづらいし、モッシュやダイブも難しいので、もどかしさはありますけどね。状況が良くなることを待って、そのときには目一杯楽しみたいです。

-コロナ禍でライヴが思うようにできなくなったこともあり、他のアーティストの作品でも、ライヴのエネルギーを音源に詰め込んでいる人たちも増えてますからね。あと、「Call Me David」は歌とコーラスの絡みも面白くて、今作の中でもポップです。

Satoshi:それは既存曲(2017年通販&ライヴ会場限定リリースの1st EP『BRAND NEW DAY』収録/※完売)の再レコーディングなんですよ。CDとして全国流通していなかった楽曲なので、また違う聴こえ方がすると思います。ライヴでも結構やっていた曲なので、流通盤CDとしてリリースしたかったんですよ。

-「Unchain」もダークな歌メロが印象的ですごくいい曲ですね。

Satoshi:それはFujimonが作った曲ですね。

Fujimon:僕らの曲の中でAメロはめちゃくちゃ静かで、サビで急にドンとなる展開がなかったので、そういうものを作りたかったんですよ。バンド・サウンドで各々のパートを入れたら、自分が思った以上のものができました。この曲は歌詞とはまた違いますけど、モヤモヤした気持ちを抱えた夜というイメージなんですよ。でも、歌詞もいい感じに繋がっているから、良くできたと思います。

-こうした憂いのある曲調もAIRFLIPのバンド・カラーに合ってますよね。

Fujimon:マイナー調の曲もお客さんは気に入ってくれることが多いですからね。

Satoshi:Fujimonはフックの効いた曲を作ることが多くて、世界観も独特なので、歌詞は作りやすかったですね。

Gucci:ギター・フレーズに関してはFujimonが任せてくれて、イントロも技術的には簡単なフレーズなんですけど、それがしっくりハマッたなと。Kubotyさんにも"すごくいいリフだよ!"と言われましたからね。めっちゃテンション上がってました。

-そして、今年10月にRitsuya(Dr/Cho)さんの脱退もありました。今作のレコーディングには参加しているんですよね?

Gucci:Ritsuyaが叩いてます。当時はガンガン活動していくつもりでしたからね。

Fujimon:その頃はやめるとは思ってなかったですからね。今思うと、寂しさはありますけど、バンドとしては前を向いてます。

-脱退の話を聞いたときは率直にどう思いました?

Satoshi:みんなビックリでしたね。彼の環境的な問題とかいろいろ話して......送り出すことにしました。本人が選んだ道なら、それを応援しようと。

-これからはサポート・ドラムを加えて、現3人体制で活動を続けることになりますが、バンド内で何か気持ちの変化はありますか?

Satoshi:とりあえず3人で頑張らなきゃいけないなって。今後、活動するなかで気持ちもまた固まっていくんじゃないかと思っていますね。

-では、今回のアルバム名にはどんな思いを込めて?

Satoshi:コロナになり、世界が大変な状況になり始めた頃にアルバム名を考えていたんですよ。で、いろんな国で医療従事者をサポートしたり、ワクチン作りに尽力してたり、みんなが打倒コロナで進んでたので、みんなでひとつの目標に向かうという意味を込めて、このアルバム名にしました。それが今の情勢にもぴったり合うと思ったから。

-自分たちの作品にそのアルバム名を付けようと思った理由というのは?

Satoshi:やっぱり、エンターテイメント業界も大打撃を受けてますからね。ライヴハウスも大変だし、バンドもライヴができなくて苦労しているし......生活している人たちもなんとかやっているという人たちが多いと思うんですよ。みんなで生き残る方法を模索しなきゃいけないから。音楽業界もバンド、裏方の人たちを含めて、みんなで力を合わせなきゃいけないと思って、このアルバム名にしました。

-これからさらに力を合わせなきゃいけない場面が多々出てくるでしょうからね。そして、今作を引っ提げたツアーに関しては現時点でどうなっているんですか?

Satoshi:まだ何本やるとかは具体的には決めてないんですよ。検討中なんですけど、何かしら動きはあると思います。ライヴの雰囲気はガラッと変わっちゃいましたけど、今までのライヴができないからって、元気がなくなるのは嫌ですから。その中で最大限に頑張って、お客さんと一体になれる空間を作れたらいいですね。

Fujimon:毎回、アルバムを出したあとのツアーはお客さんの反応が楽しみなんですよ。こういう状況で声を出すのは無理かもしれないけど、お客さんがどんな顔を見せてくれるかなって、そこは今までと変わらず楽しみですね。

Gucci:モッシュやダイブができなくなったり、観るほうからすると、ストレスはあるかもしれないけど。今置かれた状態の中で楽しいライヴにしていきたいですね。