Skream! | 邦楽ロック・洋楽ロック ポータルサイト

Skream! 公式X Skream! 公式YouTube Skream! 公式アプリ

INTERVIEW

Overseas

JIMMY EAT WORLD

 

いいね!

Member:Jim Adkins(Vo/Gt)

Interviewer:山本 真由 Interview interpreted and translated by Ginger Kunita

君はひとりじゃないってことを言いたかった。それはただのスタートであって、孤独ではないんだ


-そして、アルバムは冒頭の表題曲「Surviving」から、ポップで馴染みやすいメロディとキャッチーでエネルギッシュなリフが重なり、ファンの期待を裏切らないアルバムのスタートを飾っていますが、まずはこの楽曲がアイディアとしてあって、アルバムができあがったのでしょうか?

この曲は、他の曲よりも深い意味があった。君はその時点に何度も戻り、追体験を繰り返しているという内容なんだ。君に起きたことは、君の失敗が引き起こしたことではなかった。でも、君には為す術もなかった。そして君は、他の人の行動によって、自分自身を定義づけてしまうんだ。でも、それって本当の自分じゃない。そんな判断ってする必要ないよね。なのに、どこかで被害者を装うことが良しとされる病気が流行っている。そしてその病気を、自分の間違った定義づけが正しいと思い込むことに使ってしまう。みんながみんながそうってわけじゃないし、それが簡単ってわけでもない。ただ、もしそう感じてしまう人がいたとしても、君はひとりじゃないってことを言いたかった。それはただのスタートであって、孤独ではないんだ。もちろん、物事に向き合うのは時間がかかる。"僕は被害者で、それが嫌でたまらない。でも、今の自分が嫌じゃないから、手放すことができない"って状況にもなり得る。だけどそれなら、共感してくれる人と一緒に、スタートを切ることもできるんだ。

-「555」は、ギター・サウンドが前面に出た他の楽曲とは違い、90年代ポップスのバラードのような雰囲気もあり、不思議な浮遊感のある楽曲です。この楽曲は、どのような瞬間に生まれた楽曲なのでしょうか?

これには、ちょっと不思議なバックグラウンドがある。僕たちがFrank Turnerと一緒にイングランドのツアーを回っていたときに、ひとりでボーンマスっていう土地をうろうろしてみたんだ。そのとき、めちゃくちゃ雪が降っていてね。そんなときに、この曲のイメージがふっと湧いたんだよ。で、スタジオに戻ってから急いでアイディアをまとめたんだ。ツアーに行ってるときって、こんなふうにふとアイディアが浮かんだりする。バンドによっては、ツアー中に曲を書く人たちもいるけど、僕たちは、それはあまりうまくできないんだ。でも、ツアー先でのアイディア集めは得意でね。スタジオに戻って、初めて曲を完成させるスタイルなんだよ。

-どんなアイディアだったんですか?

"自分で自分を哀れむという罠にかかってしまって、それを受け入れるまで抜け出せない"というものだよ。"真実と向き合い、自分に何がコントロールできるのか、何を手放さなければいけないのかを判断し、ネガティヴな感情を手放して前進する"という内容だ。自分では何もできないときに、そのことに対してイライラして"どうしてできないんだ!"と思っても、そこから抜け出せなくなるだけ。それなら、"現実をきちんと見て、手放せるものを手放し、自分を受け入れていくべきだ"と思ったんだよね。

-また、「All The Way (Stay)」はサックス・ソロもあり、親しみやすい楽曲でありながら新しい試みもあります。さらには、女性ヴォーカルとして『Bleed American』(2001年リリースの4thアルバム)にも参加したRachel Hadenも参加していますね。彼女の声は、個性がありつつも楽曲に自然に馴染んでいていいアクセントになっていますが、こうしたコーラスを入れることに決まった経緯は?

このハーモニーのアイディアは僕も大好きで、歌うのは絶対に彼女であるべきだ、と強く思ったんだ。Rachelの予定もちょうど空いていて、本当にラッキーだった。昔、彼女に歌ってもらったことがあるし、才能に溢れたシンガーだからね。

-同楽曲は、ミュージック・ビデオも公開されていますが、ドラマ仕立てで楽曲の雰囲気にもマッチした作品ですね。こちらにも、メンバーのアイディアが入っているのでしょうか?

たしかにドラマっぽいよね。僕、実はああいうドラマっぽいビデオって嫌いなんだけど(笑)。アイディア自体は、曲の内容を捉えたいというものだったんだ。キャラクターとしては、人に何かしらの印象に残るものにしたかった。注目されないだけで、本当は自信があって、周りを気にしない人を描きたいと思ったんだよね。

-「Congratulations」は、Davey Havok(AFI etc./Vo)がコーラスで参加したようですが、展開も面白く、音楽的なギミックもいろいろと入っていて、やりたいことが詰まった楽曲という印象でした。作品の冒頭に持ってきてもいいくらい、テンションの上がる楽曲ですが、こういった構成にした狙いは?

この曲って、AFIの曲みたいじゃない? 僕は、作ったときにそう思ったんだ。だったら、"Daveyに歌ってもらっちゃえばいいんじゃない!?"ってひらめいたんだよ(笑)。そしたら案の定、すごく上手くハマった。これまでツアーとかフェスとかたくさん一緒にやってきた仲だし、お互いをよく知ってるからやりやすかったよ。

-日本では、今作は現在発表されている11月までのツアーが終わってからのリリースになりますが、来年以降、来日公演については何か計画されていますか?

来年の1月に行けたらいいなって思ってるよ!

-2017年には、MAN WITH A MISSIONと東名阪3都市を回るツアーを行いましたね。彼らとはその後北米ツアーも共に行っていますが、また共演の可能性はありますか? また、他に日本で一緒にツアーを回ってみたいバンドは?

MAN WITH A MISSIONとのツアーは素晴らしかったよ。彼らはカッコいいし、ショーもめちゃくちゃ楽しかった。また一緒にツアーを回れたらいいなって思ってる! あとは僕、eastern youthやbloodthirsty butchersもすごく好きなんだよね。

-最後に、JIMMY EAT WORLDの新作を楽しみにしている日本のファンへメッセージをお願いします。

日本に行くのが待ちきれないね! 僕たちは日本のファンが大好きなんだよ。日本ほど、音楽に情熱的なファンが多い国ってないからね。それを体感できたことに感謝している。2年も間が空いちゃったし、またすぐに行けるといいな。