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INTERVIEW

Japanese

She, in the haze

 

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Member:yu-ki(Vo/Gt)

Interviewer:山口 智男

戦いに行く前の士気を高めるスピーチ。『ALIVE』は戦いに軸を置いている楽曲が多くなっている


-ライヴでお客さんと完成させるということを意識しながら最初にできた曲は?

「Soldier」かな。

-なるほど。まさに冒頭のシンガロングはライヴ映え必至ですね。

一緒に歌ってもらえるパートとして作りました。ただ、そこが自分の中で一番大変で、ライヴをコンセプトにすると、歌詞として何を書いていいかわからなくなるんですよ。もちろん、作品を作ることにフォーカスしたときには、歌詞や世界観に100パーセント注ぎ込むことはできますけど。じゃあどういうことを書いたらいいのかと考えたときに、ライヴ会場って、アーティストがステージに立って、リスナーがフロアにいて、対面しているわけじゃないですか。僕がマイクを使って声を出す。それをフロアでお客さんが聴いている状態って、何に近いのかなと考えたら、戦いに行く前の士気を高めるスピーチなんじゃないかって。なので、『ALIVE』は戦いに軸を置いている楽曲が多くなっていますね。

-そうか、戦いなんですね。なるほど。歌詞はどんなふうに書いたのか、ちょうど聞こうと思っていたところでした。

そうすると、ライヴで一緒に士気を高めて、一緒に戦いに行くという構図ができあがる。

-「Soldier」のイメージが強いからなのか、今回、"信仰"というテーマが全体にあるんじゃないかと思って。神のために戦うっていうのは怖いと思ったんですけど、そういうわけではないんですね。

でも、戦うときっていうのは、神はもちろん、自分たちのリーダー、支配者、先駆者......誰かを信仰して一致団結すると思うので、戦い=信仰というふうに結びつくものかと思います。

-そういう一体感を求めながら、一体感、信仰に対する皮肉な視点っていうのは入っているんですか?

ありますね。「Soldier」の中でも"忠誠を誓って戦うぞ"って歌詞の中に、真実が見え隠れして、心がちょっと揺れるような、"いや、でも、そうじゃない"と振り払うようなニュアンスも書いたので、ただ単純に信じきっているだけではなくて、そういう視点も入れたつもりです。

-「Soldier」の歌詞の中に、"254"、"541"という3桁の数字が入っているんですけど、これは何かの暗号、あるいはヒントなんですよね?

そうです。でも、これは謎のままがいいと思うので(笑)。

-ちなみにですが、調べようによってはリスナーはその意味に辿り着けるんですか?

辿り着けないです(笑)。

-その他、ライヴをフォーカスした作品を作るというところで、サウンド的にはどんなことを意識したのでしょうか?

リズムが大きく変わりましたね。エッジをきかせ、高揚するようなBPMの方がいいと考えたので、これまでよりも速い曲が多いと思います。

-「Alive」はまさにそうですね。今回の作品を作り上げて、どんな手応えがありますか?

それは最初の話に戻りますけど、ライヴでやって初めて完成が見えると思うので、手応えはそのときに感じられるのかな。

-「Mirror」はライヴでやっているわけですよね。お客さんの反応はどうですか?

ひとりひとりに聞いてないからわからないですけど、感情が高ぶっている様子は感じられるので、他の曲も一緒に完成させて何か与えられたらいいなと思います。

-「Last forever」のアコースティック・バージョンを今回収録したのは、どんな発想からだったんでしょうか?

アコースティック・バージョンが合うと思ったのが一番の理由です。作品を作るときはいつも結構作り込むんですけど、「Last forever」のアコースティック・バージョンは、あえて一発録りな感じにしてみました。それも自分の中の変化で、そういうのは絶対嫌だったんですよ。作り込まないと納得できないという考え方だったんですけど、「Last forever」は、バンド・バージョンはすでにあるので、やっぱり同じ雰囲気でアコースティック・バージョンを作ってもしかたないと思って、あえて荒削りな感じを出したいなと。歌も、普段はきれいなものが録れるまで何回も録り直すんですけど、あえて揺れているものを使いました。感情が入ると、きれいに歌えるわけがない。それが人間の心理だと思うんです。例えば、泣いたときに声が震えて歌にならないような感じが人間の素直な状態だと思うので、あえて揺れている方がいい。それが素直なのかなと思いました。人って、完璧なものよりも不完全なものに美学を感じるときがあると思うんですよ。それってどんなに技術が発展しても出せるものではない気がする。そこを取り入れようと思えたのは、自分の中では大きな変化だと思うので、今後もそれを取り入れて、さらに届くような楽曲を作れたらいいですね。

-リリース・ツアーが3月10日から全国5ヶ所で決まっていますね。

札幌はほんとに久しぶりだし、京都は初めてで。久しぶりに会えるお客さんとか、初めましてのお客さんもいらっしゃると思うので、初めましての方に観てもらえるのも楽しみです。音源を聴き込んでライヴに来てくれる方に関しては、日頃のいろいろな思いを大いに爆発させてほしいと思いますね。楽しませたいという気持ちが一番です。ぜひ、一緒に『ALIVE』を完成に持っていきましょう。