Japanese
SEENA SHEEP SKIN
2019年01月号掲載
岐阜を拠点に活動するシンガー・ソングライター SEENA SHEEP SKIN(読み:セーナ・シープ・スキン)。これまで弾き語りによる印象的なミュージック・ビデオが公開されており、歌唱力と表現力から独特な輝きを発していた彼女が、1stミニ・アルバム『FAKE FUR』をバンド・サウンドで完成させた。グランジ寄りからギター・ロックまでオルタナティヴな魅力と、ファンタジーと攻撃性を兼ね備えた歌詞表現が窺える本作。アーティスト・ネームが示唆するように"羊の皮を被った狼"という形容がしっくりくる。本作以降、活動を本格化していくという彼女に初インタビューを実施。エッジーなイメージと裏腹にモノ作りに真摯な姿勢が見える。
-音楽を始めるきっかけはなんだったんですか?
子供のころ、スペインに住んでたんですけど、ピアノよりギターを習ってる子が多い文化で、周りの子がフラメンコ・ギターを結構習っていて。ギターに触れたのはそれがきっかけなんです。そのあと離れてあまりギターを弾いてなかったんですけど、中学高校でバンドを聴くようになって、またギターを弾きたいなと思って始めました。
-スペインには何歳から何歳まで住んでたんですか?
7歳から12歳まで。小学校の間ですね。
-スペインで小学生時代を過ごしたことは今の自分に影響してますか?
自分ではあまり自覚はないですけど、やっぱり今でもスペインの音楽、好きなアーティストとかがいたりするので、多少なりとも影響は受けてるのかなと思います。人格的な面も影響があるかもしれないです。すごくおおらかで、ラテン人なので時間にルーズだとか(笑)。で、悪いことあっても大丈夫だよ、ケ・セラセラみたいな。
-じゃあ中学生のタイミングで日本に戻ってきたんですね。
そうです。中学で戻ってきて、でも最初はなかなか馴染めなくて"もう学校行きたくないな"みたいな。
-帰国してどういう部分で居心地が悪いとか、習慣が違うなとか思いました?
まず、朝礼とかですね。学校の校長先生の話を聞くために気をつけして立ってたりするのが、なんかもうすごい世界だなと(笑)。ちょっとびっくりしました。
-実際に曲を作り始めたのはいつごろですか?
高校生のときに、コピー・バンドをやってたんですけど、そのときから1、2曲は作ってました。ただそのときは、ほんとにそれぐらいで、がっつりはやってなかったんです。本格的に曲を作り始めたのは大学に入ってからで、ちゃんと作って発表するようになりました。
-高校時代はどんなバンドのコピーを?
高校生のときはチャットモンチーとかをやってましたね。
-同世代でもチャットモンチーを通っている人は多いと思うんですけど、彼女たちのスペシャルさはなんだと思いますか?
チャットモンチーはガールズ・バンドの中でもどこか異質な気がします。曲が男前だなっていうふうに思います。そういうところが好きで聴いて、コピー・バンドもやってました。
-そもそもバンドなんですね。
そうですね。ルーツはバンドです。
-SEENAさんの動画は弾き語りのイメージが強かったので意外です。
弾き語りを本格的に始めたのが2018年に入ってからで。もともと、弾き語りはたまにやったりするくらいだったんですけど、2018年にソロ名義のSEENA SHEEP SKINっていうのを発表して、そこから弾き語りのライヴをたくさんやるようになりました。
-「太陽の摂理」(2018年10月リリースの配信シングル『太陽の摂理 / 巡りの月』収録曲)の海のMVのイメージがすごくいいなと。なので、ギターと歌でいける人なんじゃないか? と思ってました。
バンドばっかり聴いていたので、ギターと歌だけでやるのは、逆に手探りではあったんです。けど実際にアコースティック・ギターを抱えてステージに立ってみて、何回かそういうライヴを繰り返すうちにちょっと見えてきたというか。自分がアコースティックで歌うならこういう世界観なんだなっていうのが、やってるうちにだんだんと掴めてきた感じではあります。
-今回の『FAKE FUR』では、バンド・サウンドでレコーディングをされていますね。目的としてはバンド・スタイルでライヴをやりたいからとか、何か理由があったんですか?
「太陽の摂理」とかはアコースティックでちゃんと自分が思い描いてる曲が作れたので、それはそれで歌とギターで完結してるなと思うんですけど。今回収録した曲はバンドで鳴ってるイメージが自分の中であったので、バンドでちゃんと曲を完成させたいなと思って、バンドで作りました。
-サウンドはグランジな感じから弾き語り的なものまでありますけど、SEENAさんの歌詞はわりと統一されてるなと。作詞はどういう発端で始めたんですか?
もともと、曲を作ろうと思ったときに自然と曲と歌詞を同時に作ってたので、構えて歌詞を書くというよりかは、出てきたメロディに言葉を乗せているところが大きいですね。歌詞はそんなに苦労しなかったです。
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